「固定資産の減損会計」一問一答

過去問言うても、R1とR7しかUPしてへんけど・・・↓

Claudeノリノリで消化吸収が追い付かん(´;ω;`)

一問一答|固定資産の減損会計

使い方

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★は重要度(★★★が最重要)。「過去問」の印は、過去の本試験で出題された論点だ。

基礎から知りたい人は、先にやさしい解説の記事を読もう。基準の言葉を覚えたい人は穴埋めの記事がおすすめだ。

1.定義・意義を答える

Q1★★★過去問固定資産の減損とは、どのような状態か。また、減損処理とは何か。

固定資産の減損とは、資産の収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなった状態をいう。

減損処理とは、そのような場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理である。

Q2★★★過去問「資産の収益性が低下した状態」とは、投資という観点から見て、どのような状態か。

事業用の固定資産は、市場平均を超える成果(キャッシュ・フロー)を期待して、投資されている。

収益性が低下した状態とは、その成果が当初の予想よりも少なくなり、投資額に見合うキャッシュ・フローが得られなくなった状態をいう。

その結果、投資額の回収が見込めなくなる。

Q3★★★過去問回収可能価額とは何か。

資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額をいう。

Q4★★★正味売却価額とは何か。また、そこでいう時価とは何か。

正味売却価額とは、資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される金額をいう。

時価とは公正な評価額をいう。通常は観察可能な市場価格をいい、市場価格が観察できない場合には合理的に算定された価額をいう。

Q5★★★使用価値とは何か。

資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる、将来キャッシュ・フローの現在価値をいう。

Q6★★☆過去問「主要な資産」とは何か。

資産グループの将来キャッシュ・フロー生成能力にとって最も重要な構成資産をいう。

Q7★★☆「減損の兆候」とは何か。

資産又は資産グループに、減損が生じている可能性を示す事象をいう。

兆候がある場合に、減損損失を認識するかどうかの判定を行う。

2.対象・範囲を答える

Q8★★★過去問次のうち、減損会計の対象となる資産をすべて選べ。
(ア)のれん (イ)繰延税金資産 (ウ)投資不動産 (エ)土地 (オ)開業費 (カ)その他有価証券 (キ)建物 (ク)前払年金費用

(ア)のれん、(ウ)投資不動産、(エ)土地、(キ)建物

  • 繰延税金資産は「税効果会計に係る会計基準」、その他有価証券は「金融商品に係る会計基準」に、それぞれ減損処理の定めがあるため、対象外。
  • 前払年金費用は「退職給付に係る会計基準」に評価の定めがあるため、対象外。
  • 開業費は繰延資産であり、固定資産ではないため、対象外。

原則は「固定資産」が対象で、他の基準に減損処理の定めがある資産は除かれる。

Q9★★★減損の兆候の例を、基準にあげられている4つ答えよ。

  • ①営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが、継続してマイナス(又はその見込み)
  • ②使用範囲又は方法について、回収可能価額を著しく低下させる変化が生じた(又は生ずる見込み)
  • ③事業に関連して、経営環境が著しく悪化した(又は悪化する見込み)
  • ④資産又は資産グループの市場価格が著しく下落した

Q10★★☆兆候の②でいう「回収可能価額を著しく低下させる変化」とは、具体的にどのようなものか。

  • 資産が使用されている事業を廃止又は再編成すること
  • 当初の予定よりも著しく早期に処分すること
  • 当初の予定と異なる用途に転用すること
  • 資産が遊休状態になったこと 等

Q11★★☆共用資産とは何か。例もあげよ。

複数の資産又は資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産をいい、のれんを除く。

例は、全社的な将来キャッシュ・フローの生成に寄与する本社の建物や試験研究施設。

Q12★☆☆のれんの帳簿価額を分割して帰属させる事業の単位と、その分割方法を答えよ。

単位:取得の対価が概ね独立して決定され、かつ、取得後も内部管理上独立した業績報告が行われる単位。

方法:のれんが認識された取引で取得された事業の、取得時における時価の比率に基づいて行う方法その他合理的な方法。

3.要件・数字・ルールを答える

Q13★★★過去問減損損失を認識するかどうかは、どのように判定するか。

減損の兆候がある資産又は資産グループについて、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較する。

割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、減損損失を認識する。

なお、この判定は減価償却の見直しに先立って行う。

Q14★★★過去問減損損失を認識すべきと判定された場合、どのように測定するか。

帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として当期の損失とする。

Q15★★★過去問認識の判定のために、割引前将来キャッシュ・フローを見積る期間は何で決まるか。

資産の経済的残存使用年数、又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と、20年のいずれか短い方とする。

Q16★★★主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超える場合は、どうするか。

20年経過時点の回収可能価額を算定し、20年目までの割引前将来キャッシュ・フローに加算する。

Q17★★★過去問資産のグルーピングは、どのような単位で行うか。

他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行う。

グルーピングは、減損損失を認識するかどうかの判定と、減損損失の測定の両方で行われる。

Q18★★☆資産グループについて認識された減損損失は、どのように配分するか。

帳簿価額に基づく比例配分等の合理的な方法により、当該資産グループの各構成資産に配分する。

意見書では、各構成資産の時価を考慮した配分など、他の方法が合理的であれば、その方法によってもよいとされている。

Q19★★★使用価値の算定に用いる割引率は、どのようなものか。

貨幣の時間価値を反映した、税引前の利率とする。

将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクが、将来キャッシュ・フローの見積りに反映されていない場合には、割引率に反映させる。

Q20★★☆将来キャッシュ・フローは、どのような前提で見積るか。

  • 企業に固有の事情を反映した、合理的で説明可能な仮定及び予測に基づく。
  • 資産又は資産グループの現在の使用状況及び合理的な使用計画等を考慮する。

Q21★★★将来キャッシュ・フローの見積りに含めないものを、3つあげよ。

  • 計画されていない将来の設備の増強や事業の再編の結果として生ずるキャッシュ・フロー
  • 利息の支払額
  • 法人税等の支払額及び還付額

Q22★★☆将来キャッシュ・フローの見積金額は、どのような金額とするか。

次のいずれかとする。

  • 生起する可能性の最も高い単一の金額
  • 生起しうる複数の将来キャッシュ・フローを、それぞれの確率で加重平均した金額(期待値)

Q23★★☆間接的に生ずる支出(本社費など)と、将来の用途が定まっていない遊休資産は、将来キャッシュ・フローの見積りで、それぞれどう扱うか。

  • 間接的に生ずる支出:関連する資産又は資産グループに合理的な方法により配分し、見積りに際し控除する。
  • 遊休資産:現在の状況に基づき、将来キャッシュ・フローを見積る。

Q24★★★将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクは、どのように反映させるか。

将来キャッシュ・フローの見積りと割引率のいずれかに反映させる。

ただし、減損損失を認識するかどうかを判定する際の割引前将来キャッシュ・フローの算定では、このリスクを反映させない。

Q25★★☆共用資産に減損の兆候がある場合、減損損失の認識の判定は、どのように行うか。

  • 共用資産が関連する複数の資産又は資産グループに共用資産を加えた、より大きな単位で行う。
  • 手順は、先に資産又は資産グループごとに行い、その後でより大きな単位で行う。
  • 比較するのは、「減損損失控除前の帳簿価額(共用資産を含まない各資産又は資産グループの分)に共用資産の帳簿価額を加えた金額」と、割引前将来キャッシュ・フローの総額。
  • 共用資産を加えることで増えた減損損失は、原則として共用資産に配分する。
  • 共用資産の帳簿価額を合理的な基準で配分できるなら、各資産又は資産グループに配分したうえで判定してもよい。

Q26★★☆のれんに減損の兆候がある場合、減損損失の認識の判定と、損失の配分はどのように行うか。

  • のれんが帰属する事業に関連する複数の資産グループにのれんを加えた、より大きな単位で判定する。
  • のれんを加えたことで増えた減損損失は、原則としてのれんに配分する。のれんに配分された損失が、のれんの帳簿価額を超過する場合には、その超過額を合理的な基準により各資産グループに配分する。
  • のれんの帳簿価額を各資産グループに配分して判定する方法をとった場合は、減損損失をのれんに優先的に配分し、残額を帳簿価額に基づく比例配分等の方法で各構成資産に配分する。

Q27★★☆減損処理を行った資産の減価償却は、どうするか。

減損損失を控除した帳簿価額に基づいて、減価償却を行う。

Q28★★★過去問減損損失の戻入れは、行うか。

行わない。

4.理由・論述を答える

Q29★★★過去問固定資産の減損処理は、時価評価ではないとされる。その理由を説明せよ。

  • 事業用の固定資産は、通常、市場平均を超える成果を期待して事業に使われている。そのため、市場の平均的な期待で決まる時価が変動しても、企業にとっての投資の価値がそれに応じて変動するわけではない。
  • また、投資の価値自体も、投資の成果であるキャッシュ・フローが得られるまでは実現したものではない。
  • 減損処理は、資産価値の変動によって利益を測定することや、決算日における資産価値を貸借対照表に表示することを目的とするものではなく、取得原価基準の下で行われる帳簿価額の臨時的な減額である。

よって、時価評価ではない。

Q30★★★過去問金融商品に適用されている時価評価と、固定資産の減損処理の、基本的な相違点を簡潔に説明せよ。

  • 時価評価:資産価値の変動によって利益を測定することや、決算日における資産価値を貸借対照表に表示することを目的とする。
  • 減損処理:取得原価基準の下で、事業用資産の過大な帳簿価額を臨時的に減額し、将来に損失を繰り延べないために行う。

Q31★★☆減損処理は、どのような会計処理と同じ性質のものと考えられているか。

棚卸資産の評価減、固定資産の物理的な滅失による臨時損失、耐用年数の短縮に伴う臨時償却などと同様に、事業用資産の過大な帳簿価額を減額し、将来に損失を繰り延べないために行われる会計処理と考えられている。

Q32★★☆なぜ、すべての資産ではなく、減損の兆候がある資産だけを判定の対象にするのか。

対象資産すべてについて判定を行うことは、実務上過大な負担となるおそれがあるからである。

Q33★★★認識の判定で、なぜ「割引前」の将来キャッシュ・フローを用いるのか。

  • 減損損失の測定は、将来キャッシュ・フローの見積りに大きく依存する。成果の不確定な事業用資産の減損は、測定が主観的にならざるを得ない。
  • そこで、減損の存在が相当程度に確実な場合に限って、減損損失を認識することが適当である。
  • 割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回るときは、減損の存在が相当程度に確実だと言える。

Q34★★★過去問減損損失の測定で、帳簿価額を回収可能価額と比較するのはなぜか。

  • 企業は、資産又は資産グループに対する投資を、売却と使用のいずれかの手段によって回収する。
  • 売却による回収額が正味売却価額、使用による回収額が使用価値であり、そのいずれか高い方が回収可能価額である。
  • 帳簿価額のうち回収可能価額を超える部分は、回収が見込めない。そこで、帳簿価額を回収可能価額まで減額する。

Q35★★☆割引前将来キャッシュ・フローの見積期間を、「20年」までに制限するのはなぜか。

  • 少なくとも土地は、使用期間が無限になりうるため、見積期間を制限する必要がある。
  • また、一般に、長期間にわたる将来キャッシュ・フローの見積りは、不確実性が高くなる。

Q36★★★認識の判定に用いる割引前将来キャッシュ・フローに、リスクを反映させないのはなぜか。

将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクを、将来キャッシュ・フローに反映させるか否かで、異なる結果が導かれることになるため、リスクを反映させない方法で統一した。

Q37★★☆割引率を「税引前」のものにするのはなぜか。

将来キャッシュ・フローが税引前の数値であることに対応して、割引率も税引前の数値を用いる必要があるからである。

Q38★★☆将来キャッシュ・フローに、利息の支払額や法人税等の支払額・還付額を含めないのはなぜか。

これらは、通常、固定資産の使用又は処分から直接的に生ずる項目ではないからである。

Q39★★★過去問減損損失の戻入れを行わないのはなぜか。理由を2つ答えよ。

  • 本基準では、減損の存在が相当程度確実な場合に限って減損損失を認識及び測定することとしているため。
  • 戻入れは、事務的負担を増大させるおそれがあるため。

Q40★★☆共用資産について、「より大きな単位」で判定するのを原則とするのはなぜか。

共用資産の帳簿価額を、合理的な基準で各資産又は資産グループに配分することは困難であると考えられるからである。

ただし、合理的な基準で配分できる場合には、各資産又は資産グループに配分して判定することもできる。

Q41★★☆のれんを加えたことで増えた減損損失を、原則としてのれんに配分するのはなぜか。

減損損失を認識することとなった場合には、その判定単位の超過収益力がもはや失われていると考えられるからである。

Q42★★☆投資不動産を時価評価せず、取得原価基準で処理して減損処理を行うのはなぜか。

  • 活発な市場を有する一部の金融資産に比べ、投資不動産の時価を客観的に把握することは困難ではないかという懸念がある。
  • 外形的には賃貸収益を目的としていても、直ちに売買・換金を行うことに事業遂行上の制約があるなど、事実上、事業投資と考えられるものがある。その場合、時価の変動を企業活動の成果とは捉えないという考え方が妥当である。
  • 保有目的等を全く考慮せずに時価評価を行うと、財政状態及び経営成績を適切に反映させることにならない。また、保有目的ごとに細分化する合理的な基準を設けることも困難である。

したがって、他の有形固定資産と同様に取得原価基準で処理し、減損処理を行う。なお、時価情報の注記は、今後の課題とされている。

Q43★★★過去問投資期間全体を通じた投資額の回収可能性という観点から、「固定資産の減損に係る会計基準」の問題点を説明せよ。

  • 減損処理は、本来、投資期間全体を通じた投資額の回収可能性を評価し、回収が見込めなくなった時点で、将来に損失を繰り延べないために帳簿価額を減額する処理と考えられる。
  • ところが、基準は、期末の帳簿価額を将来の回収可能性に照らして見直す形になっている。これでは、収益性の低下による減損損失を正しく認識できない。
  • 帳簿価額の回収が見込めない場合でも、過年度の回収額を考慮すれば、投資期間全体では回収が見込める場合がある。また、過年度の減価償却などを修正すれば、修正後の帳簿価額の回収が見込める場合もあり得る。
  • 基準は、当面の実務上の支障がないことから、回収を見込めない帳簿価額を一括して減損の会計処理としている。そのため、減損損失に、過年度修正(減価償却の修正)に当たる部分が含まれてしまう。

5.表示・注記を答える

Q44★★★過去問減損処理を行った資産の、貸借対照表における表示の原則的な方法を説明せよ。

原則として、減損処理前の取得原価から減損損失を直接控除し、控除後の金額をその後の取得原価とする形式(直接控除形式)で行う。

ただし、減損損失累計額を、取得原価から間接控除する形式で表示することもできる。この場合は、減損損失累計額を減価償却累計額に合算して表示することができる。

Q45★★★過去問減損損失は、損益計算書でどの区分に表示するか。また、その理由は何か。

原則として、特別損失とする。

減損損失は、固定資産売却損などと同様に、固定資産に関する臨時的な損失であるためである。

Q46★★★重要な減損損失を認識した場合の、注記事項をあげよ。

  • 減損損失を認識した資産
  • 減損損失の認識に至った経緯
  • 減損損失の金額
  • 資産のグルーピングの方法
  • 回収可能価額の算定方法 等

出典:「固定資産の減損に係る会計基準」及び同注解、「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会)。「過去問」の印は、過去の本試験で出題された論点を示す。

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