R4〜R8は、毎年、改正された条文が参考条文に載って出題されています。出題された改正点と、令和9年に出そうな内容を、一覧にまとめました。←Claudeが!
出題された改正点(R4〜R8)
R4〜R8のPDFで確認できた出題です。
| 年度・小問 | 出題の中心 | 答案で使う条文 |
|---|---|---|
| R4 問1(1) | 錯誤 | 95条 |
| R4 問2(2) | 催告解除 | 541条ただし書 |
| R5 問1 | 無権代理人の責任 | 117条2項 |
| R5 問2 | 賃貸人たる地位の移転 | 605条の2 |
| R6 問1(1) | 相続と登記 | 899条の2 |
| R6 問1(2) | 共有 | 249条〜252条 |
| R6 問2 | 契約不適合責任 | 562〜566条 |
| R7 問1 | 消滅時効 | 150条、152条、166条、396条 |
| R7 問2(1) | 賃借人による修繕 | 607条の2、608条 |
| R7 問2(2) | 個人根保証 | 465条の2、465条の3 |
| R8 問2(1) | 無断転貸と解除 | 612条、541条、542条(改正点が中心かは要確認) |
改正前との違いや施行時期は、条文集で要確認です。R4 問2(1)の550条とR8 問1の保佐・虚偽表示は、改正点と確認できなかったため、入れていません。
R9に出そうな内容(予想)
有力なのは次の5分野です。いずれも私(Claude)の予想で、確実ではありません。
- 賃貸借(敷金・原状回復)
- 条文:621条、622条の2
- 根拠:賃貸借はR4、R5、R7、R8の4年で出題。敷金・原状回復は未出題
- 債権法
- 条文:債権者代位権(423条以下)、詐害行為取消権(424条以下)、連帯債務(436条以下)、債権譲渡(466条以下)、弁済による代位(499条以下)
- 根拠:参考条文に未登場
- 相続法
- 条文:遺留分(1042条以下)、配偶者居住権(1028条以下)
- 根拠:R6 問1(1)で899条の2が出題され、相続法は範囲に入っている
- 親権(令和8年4月1日施行)の財産管理権の行使
- 切り口:共同親権の父母の一方が、単独で子の不動産を売却したとき、取引が有効か。不動産取引の安全性を問う形
- 条文:824条(財産管理と代表)、824条の2(共同行使と単独行使)
- 要確認:項・号の番号、不動産処分の扱い
- 区分所有法(令和8年4月1日施行)
- 内容:決議は出席者の過半数。所在不明の区分所有者は母数から除外。建替え・一括売却・取壊しは5分の4(耐震性不足は4分の3、被災は3分の2)
- 要確認:数字は不動産情報サイトの解説に基づく。条文番号は未確認
外したもの:家族法のうち、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与。不動産登記法の住所変更登記の義務化(範囲に入らないと考えたため)
民法 改正法の例題
令和9年に出そうな内容のうち、8つの短い例題です。問題を読んで自分で答案を考え、「条文を見る」で条文、「解答を見る」で答案例を開いてください。
条文の要約と条文番号は、私の知識に基づいています。条文集で確認してから使ってください(要確認)。
例題8の824条の2は、項・号の番号と、不動産処分の扱いが要確認です。表見代理(110条)の成否も要確認です。
黄色のマーカーは、条文にはない、学説・判例の言い回しです。優先して覚えてください。
例題1 敷金の返還と原状回復
例題
Aは建物をBに賃貸し、敷金30万円を受け取った。賃貸借が終了してBが建物を明け渡した。室内には、Bが家具をぶつけて付けた傷(修理費5万円)と、日焼けによる壁紙の変色があった。AはBにいくら返還すべきか。
関連条文
- 賃借人は、受け取った後に生じた損傷(通常の使用による損耗・経年変化を除く)を、賃貸借終了時に原状に復する義務を負う(621条)
- 賃貸人は、賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたときは、敷金から賃借人の債務額を控除した残額を返還しなければならない(622条の2第1項1号)
【問題提起】Aが返還すべき敷金の額が問題となる。
【規範】賃貸人は、賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたときは、敷金から賃借人の債務額を控除した残額を返還する(622条の2第1項1号)。賃借人は、通常の使用による損耗・経年変化を除く損傷を原状に復する義務を負う(621条)。
【あてはめ】本件では、家具による傷は通常の使用による損耗とはいえず、Bは修理費5万円の債務を負う。他方、日焼けによる変色は経年変化であり、Bは原状回復義務を負わない。
【結論】よって、AはBに25万円(30万円−5万円)を返還する。
例題2 債権者代位権
例題
BはAに対して100万円の貸金債権を有している。Aは無資力であり、Cに対して150万円の売買代金債権を有しているのに、請求しない。BはCに対し、Aに代わって支払を請求できるか。
関連条文
- 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利を行使できる。ただし、債務者の一身に専属する権利は除く(423条1項)
- 被代位権利の目的が可分なときは、自己の債権の額の限度でのみ行使できる(423条の2)
- 金銭の支払を目的とするときは、相手方に対し、自己に対する支払を求められる(423条の3)
【問題提起】BはCに対し、Aの代金債権を代位行使して支払を請求できるかが問題となる。
【規範】債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利を行使できる(423条1項)。金銭債権の保全のためには、債務者が無資力であることを要すると解する。行使できるのは、自己の債権の額の限度であり(423条の2)、自己に対する支払を求められる(423条の3)。
【あてはめ】本件では、Bは貸金債権を有し、Aは無資力であり、代金債権を行使していない。代金債権は一身専属権でもない。Bは自己の債権額100万円の限度で行使できる。
【結論】よって、BはCに対し、100万円の限度で、自己に対する支払を請求できる。
例題3 詐害行為取消権
例題
Bは、Aに100万円を貸した。その後、Aは唯一の財産である土地を、Cに贈与して登記も移した。AはBを害することを知っていたが、Cはそのことを知らなかった。BはAC間の贈与を取り消せるか。
関連条文
- 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを請求できる。ただし、受益者が行為の時に債権者を害することを知らなかったときは除く(424条1項)
- 取消請求は、債権が詐害行為の前の原因に基づいて生じた場合に限り、することができる(424条3項)
【問題提起】Bは贈与を取り消せるか。受益者Cが害することを知らなかったことが、424条1項ただし書にあたるかが問題となる。
【規範】債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを請求できる。ただし、受益者が行為の時に債権者を害することを知らなかったときは、取り消せない(424条1項)。
【あてはめ】本件では、Bの債権は贈与の前に生じており(424条3項)、Aは唯一の財産を贈与してBを害することを知っていた。しかし、Cは贈与の時にBを害することを知らなかった。
【結論】よって、BはAC間の贈与を取り消せない。
例題4 連帯債務と免除
例題
A、B、Cは、Dに対して300万円の連帯債務を負っている(負担部分は各自3分の1)。DがAに対して債務を免除した。DはBに300万円を請求できるか。
関連条文
- 数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その一人に対し、又は同時若しくは順次に全員に対し、全部又は一部の履行を請求できる(436条)
- 438条、439条1項、440条の場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対して効力を生じない(441条)
- 連帯債務者の一人が弁済して共同の免責を得たときは、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を有する(442条1項)
【問題提起】DのAに対する免除の効力がBに及ぶかが問題となる。
【規範】更改(438条)、相殺(439条1項)、混同(440条)を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対して効力を生じない(441条)。
【あてはめ】本件では、免除は、更改・相殺・混同のいずれでもない。また、DとBの間に別段の意思表示もない。
【結論】よって、免除の効力はBに及ばず、DはBに300万円全額を請求できる。なお、Bが弁済したときは、AとCに対し、負担部分に応じた求償ができる(442条1項)。
例題5 債権譲渡と譲渡制限
例題
AはBに対する100万円の代金債権をCに譲渡し、Bに通知した。AB間には債権の譲渡を禁止する特約があり、Cはその特約を知っていた。CはBに100万円を請求できるか。
関連条文
- 債権は、譲り渡すことができる(466条1項)
- 当事者が債権の譲渡を禁止・制限する意思表示をしても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない(466条2項)
- 譲渡制限の意思表示を知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人に対しては、債務者は履行を拒むことができる(466条3項)
- 譲受人が相当の期間を定めて譲渡人への履行を催告し、期間内に履行がないときは、債務者は履行を拒めない(466条4項)
1.原則論
【問題提起】譲渡を禁止する特約がある債権の譲渡は、有効か。
【規範】当事者が債権の譲渡を禁止する意思表示をしたときでも、債権の譲渡は、その効力を妨げられない(466条2項)。
【あてはめ】本件では、AB間に譲渡禁止の特約があるが、AからCへの譲渡は効力を妨げられない。また、AがBに通知しているので、債務者に対する対抗要件も備えている(467条1項)。
【結論】原則として、譲渡は有効である。
2.論点・例外
【問題提起】もっとも、Cが特約を知っていたことから、Bが履行を拒めるかが問題となる。
【規範】譲渡制限の意思表示を知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人に対しては、債務者は履行を拒むことができる(466条3項)。
【あてはめ】本件では、Cは特約を知っていた。
【結論】よって、Bは履行を拒める。ただし、Cが相当の期間を定めてAへの履行を催告し、期間内に履行がないときは、Bは履行を拒めない(466条4項)。
例題6 配偶者居住権
例題
Aが死亡し、相続人は妻BとCである。A所有の自宅にはAとBが住んでいた。遺産分割協議で、自宅の所有権はCが、配偶者居住権はBが取得することになった。Bは自宅に無償で住み続けられるか。また、BはCに何を求められるか。
関連条文
- 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合で、遺産の分割で取得するものとされたときや、遺贈の目的とされたときは、その建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する。ただし、被相続人が配偶者以外の者と共有していたときは除く(1028条1項)
- 存続期間は、原則として配偶者の終身の間である(1030条)
- 居住建物の所有者は、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う(1031条1項)
【問題提起】Bは配偶者居住権を取得し、自宅に住み続けられるかが問題となる。
【規範】配偶者は、相続開始の時に被相続人の財産に属した建物に居住していた場合で、遺産の分割で取得するものとされたときは、無償で使用及び収益をする権利を取得する。ただし、被相続人が配偶者以外の者と共有していたときは除く(1028条1項)。
【あてはめ】本件では、Bは配偶者であり、自宅はAの財産に属し、相続開始の時にBは居住していた。AがC以外と自宅を共有していた事情もない。配偶者居住権は遺産分割で取得するものとされている。
【結論】よって、Bは配偶者居住権を取得し、別段の定めがなければ終身、無償で自宅に住み続けられる(1030条)。また、BはCに対し、設定の登記を求められる(1031条1項)。
例題7 遺留分侵害額請求
例題
Aが死亡し、相続人は子BとCである。Aの遺産は不動産(価額1,000万円)のみで、債務はない。Aは「全財産をCに遺贈する」という遺言を残した。BはCにいくら請求できるか。
関連条文
- 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、遺留分を算定するための財産の価額に、直系尊属のみが相続人であるときは3分の1、それ以外は2分の1を乗じた額を受ける(1042条1項)。相続人が数人のときは、これに各自の相続分を乗じる(1042条2項)
- 遺留分権利者は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(1046条1項)
- 請求権は、相続の開始及び侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効により消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも同様である(1048条)
【問題提起】BがCに請求できる金銭の額が問題となる。
【規範】兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分を有する。直系尊属のみが相続人でない場合の割合は2分の1で、相続人が数人のときは各自の相続分を乗じる(1042条1項・2項)。遺留分権利者は、受遺者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(1046条1項)。
【あてはめ】本件では、Bは子であり、遺留分は2分の1に相続分(2分の1)を乗じた4分の1である。遺産は1,000万円で、全部がCに遺贈されたため、Bの取得分は0円であり、遺留分250万円が侵害されている。
【結論】よって、BはCに対し、250万円の支払を請求できる。ただし、相続の開始及び侵害する遺贈があったことを知った時から1年以内に行使しないと、時効で消滅する(1048条)。
例題8 共同親権者の一方による子の不動産の売却
例題
AとBは、離婚後も、未成年の子Cの共同親権者である。Cは、相続した甲土地を所有している。Aは、Bに無断で、Cの代理人としてDに甲土地を売る契約を結んだ。急迫の事情はなく、Dは、Bが関与していないことを知らなかった。この売買は、Cに対して効力を生じるか。
関連条文
- 親権は父母が共同して行う。ただし、その一方のみが親権者であるとき、他の一方が親権を行うことができないとき、子の利益のため急迫の事情があるときは、その一方が行う(824条の2第1項)
- 親権を行う者は、子の財産を管理し、その財産に関する法律行為について子を代表する(824条)
- 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人が追認しなければ、本人に対してその効力を生じない(113条1項)
【問題提起】AがBに無断でした売却が、Cに対して効力を生じるか。Aに代理権があるかが問題となる。
【規範】親権は父母が共同して行い、一方が行えるのは、その一方のみが親権者であるとき、他の一方が親権を行えないとき、急迫の事情があるときに限られる(824条の2第1項)。共同親権者の一方が単独で子を代表できる範囲も、これらの場合に限られると解する。代理権を有しない者の契約は、本人が追認しなければ、本人に対して効力を生じない(113条1項)。
【あてはめ】本件では、AとBは共同親権者であり、Bは売却に関与していない。Bが親権を行えないという事情も、急迫の事情もない。よって、Aは単独でCを代表できず、代理権のない行為にあたる。
【結論】したがって、売買は、追認がない限り、Cに対して効力を生じない。なお、Dが事情を知らなかった点は、表見代理(110条)の成否で検討する余地があるが、成否は要確認である。

1992年生まれ。3人目の育休中。
初めて不動産投資をするときにつまづくことが多く、当時知りたかったことをまとめています。最近は不動産鑑定士の勉強についての記事ばかりです。ドメイン分ければ良かったか・・・。

