【令和7年不動産鑑定士試験】会計学解答

アイキャッチ画像はGeminiです。だれこの男の人ってかんじですね。

Claudeでつくり、テキストでも確認しました。

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問題1:討議資料「財務会計の概念フレームワーク」

(1) 空欄補充

問題

文中の空欄(ア)から(オ)までに入る適切な語句を答えなさい。

  1. 投資家は不確実な将来キャッシュフローへの期待のもとに、自らの意思で自己の資金を企業に投下する。その不確実な成果を予測して(ア)をする際、投資家は企業が資金をどのように投資し、実際にどれだけの成果をあげているかについての情報を必要としている。経営者に開示が求められるのは、基本的にはこうした情報である。財務報告の目的は、投資家の(ア)に資する(イ)制度の一環として、投資のポジションとその成果を測定して開示することである。
  2. 財務報告において提供される情報の中で、投資の成果を示す(ウ)情報は基本的に過去の成果を表すが、(エ)評価の基礎となる a将来キャッシュフローの予測に広く用いられている。このように(ウ)の情報を利用することは、同時に(ウ)を生み出す b投資のストックの情報を利用することも含意している。投資の成果の絶対的な大きさのみならず、それを生み出す投資のストックと比較した(オ)(あるいは効率性)も重視されるからである。

解答

  • (ア)意思決定
  • (イ)ディスクロージャー
  • (ウ)利益
  • (エ)企業価値
  • (オ)収益性

(2)① 過去情報とキャッシュフロー情報の乖離要因

問題

過去の成果を表す利益情報と現在までのキャッシュフロー情報に違いが生じる原因となる会計処理の例を2つ答えなさい。

解答(以下の中から2つ)

  • 固定資産の減価償却費の計上
  • 貸倒引当金・退職給付引当金等の引当金繰入
  • 売掛金計上時における収益の認識(信用取引)
  • 買掛金計上時における費用の認識(信用取引)
  • 繰延資産(開業費等)の計上と償却
  • 前受金・前受収益の計上
  • 棚卸資産の資産計上(費用化の繰延べ)
  • その他有価証券の時価評価差額の計上

(2)② キャッシュフロー情報のみの開示で足りるかという主張の当否

問題

投資家が将来キャッシュフローを予測するために、利益情報ではなく、現在までのキャッシュフロー情報だけを開示すればよいという主張について、「本討議資料」に照らして、正しいか誤りかを示したうえで、その根拠を説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

誤りである。討議資料によれば、利益情報は収益と費用を対応させて算定されるため、将来キャッシュフローの予測に有用である。これに対し過去のキャッシュフロー情報のみでは、投資・財務活動による一時的な変動を含み予測可能性に乏しいため、キャッシュフロー情報のみの開示では足りない。

解答(やわらかい言葉版)

誤りである。利益は収益と費用をきちんと対応させて計算されるため、将来のお金の流れを予測するのに役立つ。一方、過去のキャッシュフローだけでは、一時的な設備投資や借入などの偶然の変動が混じり、将来の予測には使いにくいため、実績だけでは不十分である。


(3)① 減価償却の定義と目的

問題

機械設備には減価償却という手続きが適用される。このとき減価償却の(a)定義と(b)目的について説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

(a)固定資産の取得原価を耐用年数にわたり計画的に費用配分する会計手続き。

(b)費用収益対応の原則に基づき、期間損益計算を適正に行うため。

解答(やわらかい言葉版)

(a)機械の購入費を、使う期間に分けて少しずつ費用にしていく手続き。

(b)稼いでくれる期間に合わせて費用を配分し、各年の利益を正しく出すため。


(3)② 割引後キャッシュフロー変動を成果に反映させる方法の当否

問題

機械設備から得られる将来キャッシュフローを割り引いた金額の変動を投資の成果に反映させる計算方法は、「本討議資料」に照らして、正しいか誤りかを示したうえで、その根拠を説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

誤りである。投資の成果はリスクから解放された時点で認識すべきであり、将来キャッシュフローの割引現在価値の変動は未実現の見積りにすぎず、客観的な検証可能性に乏しいため、成果として認識することは適切でない。

解答(やわらかい言葉版)

誤りである。投資の成果は実際に確定した段階で認めるべきであり、割引現在価値の変動は単なる予想にすぎず、客観性に欠けるため、そのまま成果として扱うのは適切でない。


(4)① 自己創設のれんとは

問題

自己創設のれんとは何かを説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

自己創設のれんとは、対価を伴う取得を経ることなく、企業が自らの営業努力やブランド力等により内部的に形成した超過収益力をいう。

解答(やわらかい言葉版)

自己創設のれんとは、他社を買収したわけではなく、自社の努力や積み重ねたブランド力、評判などから自然に生まれた「稼ぐ力」のことである。


(4)② 自己創設のれんの資産計上禁止理由

問題

「本討議資料」に照らして、自己創設のれんの資産計上が禁止されている理由について説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

自己創設のれんは、いまだ実現していない将来の超過収益力の期待にすぎず、討議資料にいう過去の投資の成果としての利益情報には該当しないため、これを資産計上することは財務報告の目的に反する。

解答(やわらかい言葉版)

自己創設のれんは、まだ実際に確定していない将来の稼ぐ力の期待にすぎず、討議資料がいう過去の投資の成果を示す利益情報とはいえないため、資産に計上すると財務報告の目的に反してしまう。


(5) 利害調整目的での会計情報利用例

問題

上記「本討議資料」の抜粋箇所は財務報告の主たる目的について述べているが、開示される会計情報は利害調整にも用いられる。このとき利害調整に会計情報が用いられる例を2つ答えなさい。

解答(下記の中から2つ)

  • 経営者の業績評価・役員報酬の算定
  • 分配可能額(配当限度額)の算定
  • 課税所得の計算(税務申告)
  • 労使間の賃金交渉の資料
  • 財務制限条項(コベナンツ)の判定
  • 公共料金の認可・規制

補足

利害調整の主体の組み合わせとして次のように整理できる。

  • 株主 vs 経営者 → 業績評価・役員報酬の算定
  • 株主 vs 債権者 → 分配可能額(配当規制)の算定
  • 会社 vs 国・地方公共団体 → 課税所得の算定(税務申告)
  • 会社 vs 労働組合 → 賃金交渉の資料
  • 債権者 vs 会社 → 財務制限条項の判定


問題2:「固定資産の減損に係る会計基準」

(1) 空欄補充

問題

文中の空欄(ア)から(オ)までに入る適切な語句を答えなさい。

  1. 減損損失の認識
    (1)減損の(ア)がある資産又は資産グループについての減損損失を認識するかどうかの判定は、資産又は資産グループから得られる(イ)の総額と帳簿価額を比較することによって行い、資産又は資産グループから得られる(イ)の総額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識する。
    (2)減損損失を認識するかどうかを判定するために(イ)を見積る期間は、資産の経済的(ウ)又は a資産グループ中の主要な資産の経済的(ウ)と(エ)のいずれか短い方とする。
  2. 減損損失の測定
    減損損失を認識すべきであると判定された資産又は資産グループについては、帳簿価額を(オ)まで減額し、当該減少額を減損損失として b当期の損失とする。

解答

  • (ア)兆候
  • (イ)割引前将来キャッシュフロー
  • (ウ)残存使用年数
  • (エ)20年
  • (オ)回収可能価額

(2) 主要な資産の定義と減損損失の表示区分

問題

上記の文中の①下線部aに関して主要な資産の定義を説明するとともに、②下線部bに関して減損損失の損益計算書における表示区分を述べなさい。

解答(硬い言葉版)

① 主要な資産とは、資産グループの将来キャッシュフローの生成に最も重要な役割を果たす資産をいう。

② 特別損失

解答(やわらかい言葉版)

① 主要な資産とは、そのグループの中で稼ぐ力の中心となっている資産のことである。

② 特別損失

補足:減損損失は毎年発生するものではなく、たまたま大きく発生した特別な損失なので、損益計算書では「特別損失」という区分に入れて表示する。


(3) 「固定資産の減損」の状態

問題

「固定資産の減損」とはどのような状態か、「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」に基づいて、説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

固定資産の減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態をいう。

解答(やわらかい言葉版)(←基準に基づいて、とあるのでダメだと思いますが。)

固定資産の減損とは、資産を持っていても稼げなくなり、投資したお金を回収できる見込みがなくなった状態をいう。


(4) 本基準の対象資産

問題

以下に掲げる各資産から「本基準」の対象となるものをすべて選択し、記号で答えなさい。

(a)のれん (b)繰延税金資産 (c)投資不動産 (d)土地 (e)開業費 (f)その他有価証券 (g)建物 (h)前払年金費用

解答

対象となるもの:(a)のれん、(c)投資不動産、(d)土地、(g)建物

<まとめ>

本基準の対象

  • 有形固定資産
  • 無形固定資産(のれんを含む)
  • 投資その他の資産

対象から除かれるもの

資産除外理由
(b)繰延税金資産税効果会計基準で別途処理
(f)その他有価証券金融商品会計基準で別途処理
(h)前払年金費用退職給付会計基準で別途処理
(e)開業費繰延資産であり、固定資産に該当しない

(5) 回収可能価額の定義と比較理由

問題

減損損失の測定に際して、上記空欄(オ)(回収可能価額)について、①その定義及び②帳簿価額と比較する理由を簡潔に答えなさい。

解答(硬い言葉版)

① 売却による回収額である正味売却価額と使用による回収額である使用価値のいずれか高い方の金額をいう。

② 資産の実質的な経済価値は、正味売却価額と使用価値のうちいずれか高い方の金額として実現するため、これと帳簿価額を比較し、回収不能な部分を減損損失として把握するためである。

解答(やわらかい言葉版)

① 「売ったらいくらか」と「使い続けたらいくら稼げるか」の高い方の金額である。

② その資産から実際に取り戻せる金額は、売った場合と使い続けた場合のうち高い方で決まるため、帳簿上の金額と比べ、もう取り戻せない部分を把握するためである。



(6) 減損処理後の貸借対照表上の表示

問題

減損処理を行った資産の貸借対照表における表示について、原則的な方法を説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

原則として、減損損失を取得原価から直接控除し、控除後の金額を貸借対照表価額とする直接控除形式による。

解答(やわらかい言葉版)

 原則として、減損した分を資産の金額から直接差し引いて、その後の金額をそのまま貸借対照表に載せる。


(7) 戻入れを行わない理由

問題

減損処理後に見積り等の変更により減損損失が減額される場合には、減損損失の戻入れを行う必要があるという考え方がある。「本基準」では、「減損損失の戻入れは、行わない」(三,2)とされるが、その理由を2つ答えなさい。

解答(硬い言葉版)

① 減損基準では、減損の存在が相当程度確実な場合に限って減損損失を認識および測定することとしているため

② 戻入れは事務的負担を増大させるおそれがあるため

解答(やわらかい言葉版)

① 曖昧な理由での減損を認めると、業績(利益)が毎年のように激しくブレてしまうから。

② 「いくら儲かるか」の計算を毎年やり直す必要があり、会社の書類作りやチェックの手間が増えてしまうから


(8) 時価評価と減損処理の基本的な相違点

問題

金融商品に適用されている時価評価と、固定資産に適用されている減損処理の基本的な相違点について、簡潔に説明しなさい。

解答(硬い言葉版)

金融商品の時価評価は、市場での売買を前提に時価の上昇・下落を毎期継続的に評価額へ反映させる制度である。これに対し固定資産の減損処理は、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合にのみ帳簿価額を一方的に切り下げる処理であり、いったん減損した後の回復(戻入れ)は認めない点で異なる。

解答(やわらかい言葉版)

金融商品の時価評価は、値段が上がっても下がっても、その変動をそのまま毎期評価に反映させる仕組みである。一方、固定資産の減損処理は、投資したお金を回収できなさそうなときにだけ一方的に金額を下げる仕組みであり、後で状況が良くなっても元に戻すことは認めない点が違う。

出題の要旨

国土交通省HPのコピペです。

【問題1】
本問題は、財務報告の主たる目的と利益計算についての理解を問うものである。論点としては、財務報告の主たる目的が投資家の意思決定に資する情報を提供することであることを示した上で、利益情報とキャッシュフロー情報の優劣、利益計算と事業投資、財務報告の目的からみた自己創設のれんの資産計上、財務報告の副次的な利用を取り上げている。概念フレームワーク自体の内容を問うことよりも、上記論点にみられるような企業会計の基本的な考え方の理解を確認することを目的としている。
【問題2】
この問題は、固定資産の減損に関する認識・測定・開示についての基本的な理解を問うものである。(1)は、基準の穴埋め問題であり、減損損失の認識・測定に関する基礎的な理解を問うている。(2)は、基礎的な用語の定義及び減損損失の損益計算書における表示について、(3)から(6)は、減損処理に関する具体的な理解について問うている。(7)は、減損損失の戻入れを行わない理由について、(8)は、減損処理と時価評価との相違点について、それぞれ理解しているかを問うている。

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