分離発注の手順は以下の通りです。
- リフォームの内容を分類する
- 業者や職人さんを探す
- 見積もりをとって、職人や業者との相性を確認
順に解説します。
リフォームの内容を分類する
まず最初に、リフォームの内容を細かく分類し、どの職人が担当するか確認します。
例えば、キッチンの取り替え工事だと以下の工程が予想されます。
- 大工が今ある流し台をとり、下地をつくる
- 設備職人が水道や排水の位置を移動して、キッチンを取り付ける
- 電気工事士がレンジフードなどを設置するための工事をする
木工事:大工さん
以下のような木工事は大工さんが担当します。
- 基礎や躯体の点検・補修
- 屋根の水仕舞い
- 床や階段のきしみ補修
- 床の張り替え
- 外壁の補修
また、「流し台の入れ替え」や「和式トイレの洋式化」などの水回りも給排水管職人と連携して工事を進めていきます。

ちなみに、職人の中でも大工さんは深刻な人手不足らしく、特に忙しそうだなと感じます。
水道工事:給排水管職人(設備屋さん・水道屋さん)
水道工事を行うのは給排水管職人さんです。
設備屋さんや水道屋さんと呼ばれることもあります。
- 劣化した水道管・排水管の交換
- キッチンの入れ替え
- 洗面台の導入
- 洗濯機パンの導入
- 和式トイレの洋式化
- 浴室・台所・洗面所の給湯化
- 水漏れのトラブルの対応
などの工事をしてくれます。

ガス工事:ガス屋さん、設備屋さん
ガス工事は、設備屋さんの中でもガスの資格を持っている人の仕事です。
(ガスを扱える人は給排水も扱える人が多いイメージです。)
ガスコンロや給湯器の交換・設置のみを依頼するならくらしのマーケットで探すと便利です。
ガス管の移設などを依頼するときは、都市ガスの直営店の業者に依頼することになります。
内装工事:内装職人(内装屋さん)
内装職人さんには、クロスやクッションフロア、台所のカッティングシートの施工をしてもらいます。
少しこだわったクロスを使いたい場合などは、他の現場で余ったクロスを持っているかどうかを聞いてみても良いでしょう。

また、クロスの張替えは初心者でもDIYで比較的挑戦しやすいです。
詳しくはこちらの記事で解説しています▼
畳の表替え:畳屋さん
畳の表替えは畳屋さんに依頼します。
ネットで「畳 表替え」と検索すると「ネットde畳」「格安畳.com」など安いと宣伝している見積もりサイトがたくさんありますが、結局見積もりに来てもらうと高い値段を提示されます。
そのため、見積もりサイトは利用せず、近所の畳屋さんを探して依頼するのがオススメです。
私の近所の畳屋さんの場合、表替えは1枚4,000円(+税)、洋室化するため不要な畳の回収を1枚1500円(+税)で引き受けてくれました。
ふすま・障子の張り替え:表具屋さん
ふすまや障子の張り替えは表具屋さんに依頼します。
ただ、ふすまの張り替えはクロス屋さんがまとめて請け負ってくれますし、障子の張り替えはDIYできます。
畳屋さんと付き合いのある表具屋さんがいるはずなので、畳屋さんに聞いてみてもいいでしょう。
表具屋さんに「自分で障子を変えます」というと、
- 障子をはがすときは冬場はお湯を使うこと
- プラスチック障子は結露するから障子紙を使う
- 両面テープは次に張り替えにくくなるからのりを使う
というアドバイスをもらいました。

塗装工事:塗装職人(塗装屋さん)
室内の塗装はDIYでも行いやすいリフォームですが、外壁となると基本は塗装職人さんにお願いします。
外壁塗装についてはこちらの記事で詳しく解説しています▼
外壁の塗り替えだけでなく、古くなった敷居などの建具や柱、扉などの再塗装をお願いすることもできます。

また、あまりオススメではありませんが、浴室を安くリフォームする方法として浴室塗装があります。
水回りのリフォーム費用を抑える方法についてはこちらの記事で解説しています▼
電気工事:電気工事士(電気屋さん)
電気工事は電気工事士の資格を持っている人が行います。
- ドアホンの取り付け
- 換気扇の交換
- コンセントやスイッチの交換と新設
- アンテナ端子の新設
などで活躍してくれます。

テレビモニター付きインターホンや、コンセントやスイッチプレートは施主支給してまとめて電気工事士に取り付けを依頼します。
コンセントやスイッチプレートはカバーだけでなく中身のユニットごと新品に交換すると、劣化によるトラブルを防げます。
ホームセンターで数百円で購入できます。

サッシ・ガラス:サッシ屋さん(ガラス屋さん)
お風呂のドアを交換したり、割れたガラスの交換を依頼するのはサッシ屋さんです。
(ガラス屋さんともいいます。)
サッシ屋さんやガラス屋さんはタウンページなどの電話帳で見つけることができます。
特にガラスは遠方の業者だと輸送費がかかるので近所の店で依頼します。
ガラスの中でも、すりガラスや加工されたガラスは、「ガラス加工場」に依頼します。
ドアのすりガラスを買う時、ネットで見積もりしたらどこも5,000円前後でしたが、ガラス加工所に直接依頼して取りに行くと1,265円で済みました。


ちょっとした仕事は便利屋さん
草刈りや電球の交換・防犯柵の設置・廃品の回収など、職人さんを呼ぶほどではないちょっとした仕事は便利屋さんにお願いしましょう。
便利屋さんに頼むときはフランチャイズのチェーン店ではなく、なるべく地場の個人経営の店の方が上乗せの経費が少なくてオススメです。
人によって真剣さや価格が違うため、まずは小さな仕事を依頼して実力を判断します。
リフォーム業者・職人さんを探す
必要な職人さんの種類がわかったら、次は業者や職人を探します。
ねらい目は、大々的なインターネット広告を出さず、店舗展開もしていないひとり親方や家族経営でやっているような小さな工務店です。
店舗展開している会社は人件費や家賃、広告費などがかかり、料金が割高になります。
探し方はこちらの記事で解説しています。▼
多能工が見つかればラッキー
多能工とは、いわゆる一人親方のことで、電気工事から水道設備、大工工事まで一通りできる職人さんのことです。
相見積もりした中に多能工がいればラッキーです。
工事料金のうち大半を占めるのは人件費で、1日いくら、半日いくらという日当(人工代)がおおよそ決まっています。
つまり、一通りの工事をすべてこなせる人だと、工事が安く収まることが多いです。
ただし、仕上がりが「それなり」になり、結局は本職の人に適正な価格でやってもらうほうが長持ちするという場合もあります。
自分でできることもある
資格が必要な電気工事やガス工事はともかく、多くのリフォームはやる気になれば自分でもできます。
設備の取り付けや網戸の交換など、比較的簡単な作業はチャレンジしてもいいかもしれません。

ただ、慣れないと手間や時間、労力がかかるばかりです。
特に内装は「素人仕事丸出し」になることもあるため、業者に頼んだ方が自分も楽で仕上がりの質も保ちやすいです。
見積もりをとって信頼できるか見極める
業者や職人を見つけたら連絡し、金額が高い工事は相見積もりをとるようにします。
相見積もりのメリットは、競争原理が働き、安く抑えることができることです。
デメリットは、リフォーム業者を一度に集めるわけにもいかず、個別に説明したりすることで時間がかかることです。
- 工事の大まかな所要時間
- 金額
- 支払い方法
- 工事してくれる日程
などを話をする中で、信頼できる業者かどうかを見極めます。
ただし、直接職人さんに依頼する場合は、あまり値引き交渉はしないほうがいいでしょう。
いわゆる企業努力をするところがなく、職人さん自体が手を動かす事の価値を下げるしかありません。
ぼったくりでなく、相場か相場より少し高いくらいであれば、依頼しましょう。
何かプラスでやってくれないか、お願いしやすい関係をつくれることができればベストです。
まとめ
この記事では分離発注の方法について解説しました。
分離発注の手順は以下の通りです。
- リフォームの内容を分類する
- 業者や職人さんを探す
- 見積もりをとって業者の姿勢を確認・発注
リフォームに関する知識を身につけて、納得のいくリフォームができるようにしましょう!
リフォームの順番に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。▼
読んでいただきありがとうございました!