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問題1:見込地の判定と価格に関する諸原則
(1) 土地の種別及び見込地の定義
土地の種別及び見込地の定義をそれぞれ簡潔に述べなさい。なお、地域の種別についての説明は不要である。
不動産の種別の定義
土地の種別
見込地の定義
(2) 見込地の同一需給圏の判定における留意点
見込地の同一需給圏の判定に当たって、特に留意すべき基本的な事項について述べなさい。なお、同一需給圏の意義についての説明は不要である。
同一需給圏の判定
見込地の同一需給圏
(3)① 「変動の原則」及び「予測の原則」の説明
不動産の価格に関する諸原則のうち、「変動の原則」及び「予測の原則」について、それぞれ簡潔に説明しなさい。
不動産の価格に関する諸原則の意義
変動の原則
予測の原則
(3)② 地域要因の変動が客観的に予測される場合の留意点
両原則と関連し、地域要因の変動が客観的に予測される場合の最有効使用の判定上の留意点及びこの場合の予測に当たっての留意点を述べなさい。なお、「最有効使用の原則」についての説明は不要である。
個別分析の意義
地域要因の変動が客観的に予測される場合の最有効使用の判定
地域要因の変動予測における留意点
(3)③ 見込地の最有効使用を判定する場合の留意点
見込地の最有効使用を判定する場合の留意点等について、上記②を踏まえ説明しなさい。
【解答の骨子】
- 見込地は、宅地地域等への転換過程にある土地であり、その最有効使用の判定に当たっては、個別分析により対象不動産(見込地)の個別的要因が利用形態・価格形成に与える影響力を分析する必要がある
- 見込地は転換前後で異なる土地の種別に属し得るため、現況の用途(転換前の使用方法)のみならず、転換後に見込まれる用途の可能性も踏まえて検討すべき
- 地域要因の変動(転換の進行)が客観的に予測される場合には、当該変動に伴い対象不動産の使用方法が変化する可能性を勘案して最有効使用を判定する必要がある
- 熟成度が高い場合:転換後の土地の種別に応じた使用方法を前提とした判定に近づく
- 熟成度が低い場合:転換前の土地の種別に応じた使用方法を前提とした判定に近づく
- 地域要因の変動の予測に当たっては鑑定評価を行う時点で一般的に収集可能かつ信頼できる資料・情報に基づき、転換の時期及び具体的内容についての実現の蓋然性が高いと認められる場合に限り、転換後の用途を前提とした判定を行うべき
- 結論:見込地の最有効使用は、現況の用途と転換後に見込まれる用途の双方を比較検討した上で、地域要因の変動(転換)の熟成度及びその予測の蓋然性を踏まえ、より合理的な使用方法を採用して判定すべきである
問題2:不動産の価格形成要因と地域分析における市場の特性
(1) 価格形成要因の定義及び分析等の必要性
不動産の価格形成要因の定義を簡潔に述べなさい。また、不動産の価格との関連及び鑑定評価における分析等の必要性について述べなさい。
価格形成要因の定義
価格形成要因の分析の必要性
価格形成要因の分類
(2) 一般的要因の定義
一般的要因の定義を簡潔に述べなさい。
一般的要因の定義
(3)① 市場の特性の把握方法と鑑定評価上の反映
市場の特性をどのように把握するかを説明し、把握した市場の特性を不動産鑑定評価上どのように反映させるべきかを述べなさい。
地域分析の意義
対象不動産に係る市場の特性の把握
市場の特性の鑑定評価への反映
(3)② 市場の特性を把握するための資料に関する留意事項
市場の特性を把握するための資料について、留意すべき事項を述べなさい。
把握のための資料
(4)① 本件鑑定評価に関連する社会的要因
子育て支援策が拡充され、子育て世帯の流入がみられる自治体内に存する戸建住宅地の鑑定評価を行うことを前提に、不動産鑑定評価基準において例示されている社会的要因のうち、本件鑑定評価に関連のあるものを4つ挙げなさい。
関連のある社会的要因
2.家族構成及び世帯分離の状態
3.都市形成及び公共施設の整備の状態
4.教育及び社会福祉の状態
(4)② 子育て支援策の拡充が戸建住宅地の価格に及ぼす影響
子育て支援策の拡充による子育て世帯の流入が戸建住宅地の価格に及ぼす影響とその理由について、典型的な市場参加者の属性及び行動に触れつつ、具体的に説明しなさい。
市場参加者の属性及び行動を把握する際の留意点
(ア)市場参加者の属性については、業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲。また、居住用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の年齢、家族構成、所得水準並びに需要者の存する地域的な範囲
(イ)(ア)で把握した属性を持つ市場参加者が取引の可否、取引価格、取引条件等について意思決定する際に重視する価格形成要因の内容
【解答の骨子】
子育て支援策の拡充が戸建住宅地の価格に及ぼす影響とその理由
- 前提:子育て支援策の拡充により、当該自治体内では子育て世帯(主として乳幼児・就学児を持つ世帯)の転入が進み、戸建住宅地の主たる需要者層の構成に変化が生じる
- 典型的な市場参加者(子育て世帯)の属性
- 年齢:30〜40歳代を中心とした比較的若い世代
- 家族構成:夫婦及び子から成る世帯(世帯人数の相対的な多さ)
- 所得水準:一定の可処分所得を有する共働き世帯が多い
- 地域的範囲:子育て支援策の内容や保育・教育環境によって選好する地域が異なる
- 上記属性を持つ需要者が取引の意思決定において重視する価格形成要因(行動)
- 保育所・幼稚園・小中学校等の教育施設への近接性及び通学の安全性
- 公園、児童館等の子育て支援施設の有無・充実度
- 小児科等の医療施設への近接性
- 住宅の規模(部屋数・延床面積)及び居住環境の良好性(治安・静穏性等)
- 自治体独自の子育て支援策(保育料・医療費助成等)の内容及び継続性
- 価格への影響とその理由
- 子育て世帯という新たな需要者層の流入により、当該地域の戸建住宅地に対する有効需要が増大する
- 有効需要の増大は、相対的稀少性を強める方向に作用し、価格上昇要因となる
- 特に、上記の重視要因(教育・医療・子育て支援施設への近接性等)を満たす地域ほど、需要の集中度が高く、価格上昇の程度が顕著になる
- 結論:子育て支援策の拡充は、子育て世帯という属性を持つ市場参加者の流入を通じて有効需要を増大させ、これに伴い戸建住宅地の価格を押し上げる方向に作用する。ただし、その影響の程度は、教育・医療・子育て関連施設への近接性等、子育て世帯が重視する価格形成要因を当該地域がどの程度満たしているかによって異なる
問題3:自用の建物及びその敷地の鑑定評価
自用の建物及びその敷地の定義
(1)① 用途等が最有効使用に一致する場合の評価額の決定
建物の用途等が更地としての最有効使用に一致している場合、鑑定評価額をどのように決定するか述べなさい。
自用の建物及びその敷地の鑑定評価額の決定
(1)② 用途等が最有効使用に一致しない場合の評価額の決定
建物の用途等が更地としての最有効使用に一致していない場合、建物及びその敷地の最有効使用の判定に当たって特に留意すべき内容に触れながら、鑑定評価額をどのように決定するか説明しなさい。
建物及びその敷地の最有効使用と更地の最有効使用との関係
経済価値の比較考量
比較考量における留意点
ア 物理的、法的にみた当該建物の取壊し、用途変更等の実現可能性
イ 建物の取壊し、用途変更等を行った後における対象不動産の競争力の程度等を踏まえた収益の変動予測の不確実性及び取壊し、用途変更に要する期間中の逸失利益の程度
用途変更等が最有効使用と認められる場合の鑑定評価額
取壊しが最有効使用と認められる場合の鑑定評価額
(2)① 建物の耐震性についての留意点
不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に示されている建物に関する個別的要因について、建物の各用途に共通する個別的要因のうち、建物の耐震性について特に留意する必要がある点を述べなさい。
個別的要因の定義
建物の各用途に共通する個別的要因
1.建築(新築、増改築等又は移転)の年次
2.面積、高さ、構造、材質等
3.設計、設備等の機能性
4.施工の質と量
5.耐震性、耐火性等建物の性能
6.維持管理の状態
7.有害な物質の使用の有無及びその状態
8.建物とその環境との適合の状態
9.公法上及び私法上の規制、制約等
なお、市場参加者が取引等に際して着目するであろう個別的要因が、建物の用途毎に異なることに留意する必要がある。
建物の耐震性についての留意点
(2)② 戸建住宅に関連する個別的要因
対象不動産が戸建住宅である場合に、建物の用途毎に特に留意すべき個別的要因として例示されているもののうち、戸建住宅に関連のあるものを挙げなさい。
住宅について留意すべき個別的要因
また、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく日本住宅性能表示基準による性能表示、長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき認定を受けた長期優良住宅建築等計画等にも留意する必要がある。
問題4:資産の流動化に係る不動産鑑定評価(収益還元法)
(1) 収益還元法の定義
「資産の流動化に関する法律」に規定する資産の流動化に係る不動産取引を目的とした価格に関する鑑定評価について、収益還元法の定義を簡潔に述べなさい。
証券化対象不動産の定義
(1)資産の流動化に関する法律に規定する資産の流動化並びに投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資信託に係る不動産取引並びに同法に規定する投資法人が行う不動産取引
(2)不動産特定共同事業法に規定する不動産特定共同事業契約に係る不動産取引
(3)金融商品取引法により有価証券とみなされる権利の債務の履行等を主たる目的として収益又は利益を生ずる不動産取引
証券化対象不動産の鑑定評価の適用
収益還元法の定義
(2)① 収益価格を求める方法
本鑑定評価における建物及びその敷地の最有効使用を、現実の建物の用途等を継続して利用することと判定した場合において、収益価格を求める方法について、式を記載しつつ、説明しなさい。なお、純収益の算定方法及び採用利回りの求め方の記載は不要である。
収益価格を求める方法の種類
(1)直接還元法
P = aR
P:求める不動産の収益価格a:一期間の純収益
R:還元利回り
(2)DCF法
P = n Σ k=1 ak(1+Y)k + PR(1+Y)n
P :求める不動産の収益価格ak:毎期の純収益
Y :割引率
n :保有期間(売却を想定しない場合には分析期間。以下同じ。)
PR:復帰価格
復帰価格とは、保有期間の満了時点における対象不動産の価格をいい、基本的には次の式により表される。
PR = an+1Rn
an+1:n+1期の純収益Rn :保有期間の満了時点における還元利回り(最終還元利回り)
DCF法の説明性
証券化対象不動産におけるDCF法の適用
(2)② 還元利回りと割引率の相違点・相互関係
上記①で用いる還元利回りと割引率との相違点を述べ、その相互関係について説明しなさい。
還元利回りと割引率の共通点
還元利回りの内容
割引率の内容
割引率との関係から求める方法
還元利回りと割引率との関係を表す式の例は、次のように表される。
R=Y-g
R:還元利回りY:割引率
g:純収益の変動率
(3) 判断根拠の具体的明示及び統一収益費用項目使用の理由
本鑑定評価においては、不動産鑑定評価基準各論第3章の対象とはならない鑑定評価と比較して、調査内容及び鑑定評価で用いた数値等の判断根拠をより具体的に明示することや、統一された収益費用項目を用いる必要があるが、この理由について説明しなさい。
不動産鑑定士の責任の認識
依頼者への説明及び説明責任
出題の要旨
国土交通省HPのコピペです。
【論文問題:問題1】
この問題は、見込地に関連して各設問についての基本的な理解を問うものである。(1)は、土地の種別及び見込地の意義について、(2)は、見込地の同一需給圏判定上の留意事項について、(3)①は、変動の原則及び予測の原則について、(3)②は、両原則と関連し、地域要因の変動が予測される場合の最有効使用判定上の留意点及びこの場合の予測に当たっての留意点について、不動産鑑定評価基準及び留意事項に照らし、的確に説明することを求めている。(3)③は、見込地の最有効使用を判定する場合の留意点等について、(3)②を踏まえつつ、説明することを求めている。
【論文問題:問題2】
この問題は、不動産の価格形成要因についての理解を問うものである。(1)は、不動産の価格形成要因の定義、不動産の価格との関連及び鑑定評価における分析等の必要性、(2)は、一般的要因の定義、(3)①は、地域分析における対象不動産に係る市場の特性と不動産鑑定評価を行う上でどのように反映すべきかについて、(3)②は市場の特性を把握するための資料について、(4)は、対象不動産及び当該不動産に関する社会情勢を具体的に想定した上で、①では、社会的要因について、②では、社会的要因の変化が不動産の価格に及ぼす影響とその理由、典型的な市場参加者の属性及び行動について、それぞれ不動産鑑定評価基準及び留意事項に照らし、理解しているかを求めている。
【論文問題:問題3】
この問題は、自用の建物及びその敷地についての基本的な理解を問うものである。(1)は、建物の用途等が更地としての最有効使用に一致している場合と、一致していない場合に、それぞれ鑑定評価額をどのように決定するのかについて、建物及びその敷地の最有効使用の判定に当たって特に留意すべき内容に触れながら的確に説明することを、(2)は、建物に関する個別的要因について、それぞれ不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に照らして、的確に説明することを求めている。
【論文問題:問題4】
この問題は、収益還元法と証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価についての基本的な理解を問うものである。(1)及び(2)は、収益還元法の定義並びに収益価格を求める方法及び採用する利回りに関して基本的な理解を問うものである。ただし、(2)①では、収益還元法に係る式を記載し、具体的に説明することを求めている。(3)は証券化対象不動産の鑑定評価を行うに当たって、不動産鑑定士の責務に関する根拠を明確にした上で、不動産鑑定評価基準及び留意事項に照らして、的確に説明することを求めている。


