こんにちは。一昨年に不動産を始めた藤本紗帆です。
収益物件を買ったときの確定申告、特に「減価償却費」が難しい!
私は去年、間違えて何回も何回もやり直しました!(泣)
e-taxで確定申告をすると、入力した値「取得価額」と「耐用年数」から自動で減価償却費が計算されます。
私が間違えたのは、その入力する値、「取得価額」です!!
- 「建物」の「取得価額」を減価償却する(「土地」は減価償却しない)
- 精算した固定資産税や仲介手数料を建物の割合だけ「取得価額」に入れること
上記がよくわからなかったのです!!
この記事では、収益物件の「減価償却費」について、注意する点をまとめます。
不動産投資の減価償却のおさらい
まず、減価償却についておさらいします。
不動産投資の場合、1円の支出もなく毎年、大きな必要経費になって収益を削ってくれるのが、建物の減価償却費です。
必要経費が家賃収入を上回れば不動産所得は赤字ですので、給与所得と損益通算をすれば、天引きされた所得税が戻ってきます。
例えば、物件の「建物」を500万円で購入したとします。
仮に「償却年数」が5年と仮定した場合、500万円の1/5ずつ、つまり100万円を5年間毎年経費計上できます。
この500万円は融資で調達している場合、自己負担なく経費計上できるので「魔法の経費項目」です。

減価償却に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。▼
耐用年数の計算方法
減価償却は以下の表のように建物の構造により償却できる期間が決まっています。
(国税庁のHPより引用しています。)
構造 | 法定耐用年数 | |
鉄筋コンクリート(RC)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造 | 47年 | |
鉄骨(S)造 | 肉厚4mm超(重量鉄骨) | 34年 |
肉厚3mm超4mm以下(軽量鉄骨) | 27年 | |
肉厚3mm以下(軽量鉄骨) | 19年 | |
木造 | 22年 | |
建物附属設備 | 6〜15年 |
この期間を超えてしまった古い建物でも減価償却費が認められます。
法定耐用年数を超えた古いアパートやマンションの計算方法は以下の通りです。
法定耐用年数×20%
たとえば、築30年の木造戸建ては法定耐用年数が22年なので、法定耐用年数を超えています。
この場合の耐用年数は、「法定耐用年数22年×20%≒4年」となります。
(1年未満の端数は切り捨てます。)
また、法定年数の一部を経過した建物の耐用年数は以下の式で計算します。
(法定耐用年数ー経過年数)+経過年数×20%
たとえばRCマンションで、築20年経っている場合の耐用年数は
「27年(47-20)+4年(20×20%)=31年」となります。
間違いやすい「取得価額」
「取得価額」って、物件の購入金額を入力したらいいだけでは?と思っていたのですが、違っていたのです!!
建物だけ減価償却する(土地の分はしない)
1つ目の注意点は、土地は減価償却されない(価値が減らない)ことです。
そのため、土地と建物の価格をそれぞれ知っておかなければいけません!!
基本的には、土地と建物の固定資産税評価額の割合に応じて、金額が決まります。
物件価格の総額✖️(建物の固定資産税評価額/(建物の固定資産税評価額+土地の固定資産税評価額)
新築マンションの場合は、売買契約書に土地と建物の金額の割合が記載されていることも多いようです。
しかし、中古の物件の場合、土地と建物の割合は売買契約書には基本的に書かれていません!!
5月頃に、「固定資産税の納税通知書」が届いて、それを見れば建物と土地の評価額が書いてあるので、割合がわかります。

しかし、3月15日までに知っておかないと、正しく確定申告ができない・・・!
そのため、土地と建物の固定資産税の評価額(土地建物割合)は、必ず決済前に仲介業者に聞いておきましょう。
そんなの聞いてないよ!という人は、物件がある市区町村で「固定資産公課証明書」を発行してもらい確認することもできます。
上級者?は、土地と建物の割合をある程度コントロールするらしいです。
詳しくはこちらの記事でも解説しています。▼
建物の取得価額に固定資産税や仲介手数料も含める
注意点の2つ目が、「建物の」固定資産税と仲介手数料を取得価額に含めることです!!
固定資産税とは、1月1日に物件を持っている人が1年分支払う税金です。
年の途中で物件を売ると、売主は税金を余計に払うことになってしまいます。
そこで、物件を引き渡す際に固定資産税を買主に負担してもらいます。
買主はその支払いを「租税公課」として支払うのではなく、土地・建物それぞれに対応する金額に按分したうえで取得価額に算入します。
参考にした国税庁のHPはコチラです。
また、物件購入の際に支払った仲介手数料も経費にはせず、物件価格に含めて減価償却することになります。
つまり、仲介手数料と固定資産税も、土地と建物の割合で分けて、建物の取得減価に含めるということです。
(税務署に電話して確認しました。)
仲介手数料に関する国税庁の見解はコチラです。
補足:高額な修繕費は減価償却の対象かも
大きな修繕は「資本的支出」といって、減価償却の対象となることもあります。
高額なリフォームをした人は注意が必要です。
参考にした国税庁のページはこちらです。
資本的支出となるケースに注意
修繕やメンテナンスにかかった費用は、修繕費として必要経費になります。
注意が必要なのは、修繕により元の状態より価値が高くなったり、使用期間が延びたりした場合、その部分の費用は修繕費ではなく資本的支出となることです。
資本的支出に該当する費用は、全額をすぐ必要経費にできず、取得したときの金額に加えて減価償却していきます。
20万円未満ならOK
たとえば、外壁の塗装を同じ塗料で塗り直すだけなら修繕費ですが、防水加工などの機能をつけ加えると、その部分は資本的支出となります。
ただし、あきらかに資本的支出であっても、かかった費用が20万円未満か、おおむね3年以内の間隔で定期的に行っている修繕なら、修繕費として扱うことができます。
まとめ:とにかく早く取り組む
不動産で赤字を出すなどして、税金の還付を受ける「還付申告」は1月1日からできます。
私は去年、1月の初旬に済ませたと思って余裕こいてたら、後からどんどんミスを発見し何度もやり直しました。
結局、完了したのは締め切りの3月15日。
e-taxが混みすぎて、すんなり申告できず、めちゃくちゃイライラしました。
とにかく!!早め早めに、確定申告しましょう!!
ちなみに、わからないことは、税務署の人に聞いたらすぐに回答してくれました。
不動産投資の確定申告についてはこちらの記事でも解説しています。▼
読んで頂きありがとうございました。