【不動産投資】個人から法人へ所得を移す3つの方法

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こんにちは!不動産投資家の藤本紗帆です。

個人で不動産を購入していくと、結果として所得が増えてしまうこともあります。

その場合、「資産管理法人」を設立して、家賃収入の一部を法人に流すことで、個人の所得を下げることができます。

資産管理法人は、別名「プライベートカンパニー」と呼ばれるように、企業活動はせず、オーナーの資産管理のみを行います。

この記事では、個人から法人へ売り上げを移転する3つの方法について解説します。

個人から法人へ所得を移す方法3つ

資産管理法人を活用する方法は大きく分けて以下の3パターンがあります。

  • 直接保有型
  • 管理委託方式
  • 転貸(サブリース)方式

ひとつずつ解説します。

直接保有型

投資不動産を資産管理法人で所有する方式です。

3つの方法の中で税務リスクが少なく、安全性が高い方法とされています。

やり方は、収益物件を購入する際に個人でなく法人で購入するだけです。

賃料収入だけではなく、売却益は全て資産管理法人の利益となります。

個人として収入を得るためには役員報酬として受け取る必要があります。

また、建物だけを法人が保有して地代として収入を得る方法もあります。

節税効果が最も大きい

規模を拡大していく際に、節税できる幅が最も大きくなる方式です。

もともと年収が高ければ、はじめからこの方式で法人を設立するのがオススメです。

新規の法人で物件を買うことはハードルが高いですが、個人所有の物件を法人に移すのも手間やコストが生じます。

(法人に移す方法は後述します。)

規模を拡大させたい人向き

ゆくゆくはメガ大家になりたい!と考えている人は、初めから法人で物件を購入することが選択肢となります。

個人で投資する限りは、どれだけ属性が良くても2〜3億円程度という壁があり、資産規模を10億まで拡大することは難しいです。

法人で事業として金融機関にアプローチするのであれば、限度額はありません。

ただ、個人のみにしか融資しない金融機関もあるため注意が必要です。

転貸(サブリース)方式

転貸(サブリース)方式は3つの方法の中で節税効果は中くらいで、税務リスクは比較的低いです。

個人の所有物件をサブリース契約に

サラリーマン大家の多くは最初に個人で買うケースが多いです。

規模拡大を目指して法人化した際、建物だけ法人に所有権を移転するのは大変です。

そこで、すでに持っている物件はサブリース契約を結ぶという方法があります。

サブリース方式では、個人から不動産を借り受けた法人が、一般の入居者に対して転貸します。

法人が入居者と賃貸借契約を締結し、入居者から家賃を回収して、法人から個人にサブリース賃料が支払われます。

つまり、法人は、空室あるなしにかかわらず、個人に対して毎月一定のサブリース賃料を支払う必要があり、空室リスクを負います。

そのため、管理委託方式よりも高い手数料を支払うことができます。

ただ、この方式は法人が物件を持ってない素人がやっていると税務署に否認される可能性が高いです。

手数料の相場は家賃の15〜20%

相場として、家賃の15〜20%を手数料として法人が受け取ることができるため、より多くの家賃を法人に流すことができます。

シェアハウスのような手間がかかるものや入居率が50%以下といった稼働率の低い物件では30%でも許される場合もあります。

状況に応じて賃料の変更ができる旨を契約書に入れておいてもいいでしょう。

一方で、入居者からの家賃の受け取りや賃貸借契約は、個人ではなく法人となるため、一定の手間が発生します。

また、すでに管理会社とサブリース契約を結んでいる場合はこの方法を使うのは難しいため、建物の所有権は法人に移転するしかないです。

管理委託方式

管理委託方式は、節税できる幅は最も小さく、売上の小さいマイクロ法人をつくりたいという人には向いている方式です。

手数料の相場は家賃の5〜10%

管理委託方式では、自分が保有する不動産の賃貸管理を資産管理法人へ委託することで、家賃収入の5~10%を不動産管理料として法人に支払います。

賃貸管理を委託するといっても、実際にやることは今までと変わりません。

もし、管理会社へ委託料3%で管理委託していたとすると、資産管理法人へ流せる家賃は「7%(10%−3%)➕消費税」となります。

税務リスクが高いので注意

実態がないにもかかわらず管理費だけを支払っているとなれば、税務署から否認される可能性が高いため、注意が必要です。

つまり、しっかりと仕事をする必要が出てきます。

特に、不動産業者に管理を委託する場合は、仕事をきっちりと分けることでリスクを軽減できます。

一般的な管理業務の内容は以下の通りです。

入居者募集・入居者の審査・賃貸借契約の締結・募集図面の作成・空室管理・家賃入金や滞納の管理・連帯保証人への連絡・大家への家賃送金・クレーム対応・建物や敷地の清掃・修繕の対応・退去時の立ち合い・退去時のリフォーム見積もり・リフォーム費用の清算

個人と自前の管理会社との間で管理委託契約を結んでおき、こういった内容を明確にしておきましょう。

建物を法人に売る方法:所有権移転登記

法人へ建物だけ売却する場合、実際にお金の動きがなければいけないため簡単にはできません。

融資を受けている場合は、金融機関に事情を説明する必要がありますが、承諾を得るのは基本は難しいです。

(すでに売却することが決まっていたり資金調達のあてがあれば別です。)

可能である場合、やり方としては所有権移転登記の手続きを行います。

所有権移転登記に必要な書類は以下の通りです。

  • 対象物件の登記識別情報(過去の登記済権利証)
  • 対象物件の固定資産評価証明書:市役所や郵送で入手可能
  • 売主・買主の印鑑証明書
  • 個人の住民票、法人の法人謄本
  • 登記申請書
  • 登記原因証明情報(売買契約書など)

印紙代や登録免許税などが必要になります。

登記は司法書士に依頼すると5万円〜の手数料がかかりますが、自分で行うこともできます。

詳しくはこちらの記事で解説しています▼

設立費用を抑えたいなら「株式会社」ではなく「合同会社」

法人には以下の4種類があります。

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 合名会社
  • 合資会社

このうち、不動産投資で向いているのは「株式会社」と「合同会社」です。

合同会社は新会社法で新たに認められた会社形態で、以下のような特徴があります。

  • 株式会社と同じ税制
  • 全員は有限責任社員
  • 任期がない
  • 決算公告の義務がない
  • 株式会社への変更も可能
  • 設立費用が安い
  • 社長が代表社員になる
  • 社会的認知度が低い

最も大きなメリットが設立費用が安く済むことです。

株式会社は会社法改正によって、資本金規制が撤廃され資本金1円から1人でも設立できるようになっています。

株式会社だと自分が代表にならなくても株主になれるため、副業規定のあるサラリーマンでも問題ありません。

しかし、合同会社よりも14万円ほど登記費用が高くなるため、節税のための法人なら合同会社で十分です。

特に、不動産投資をやっていると物件を持っていることが信用になるため、株式会社になるメリットが薄いです。

合同会社のメリットはこちらの記事でも解説しています。▼

まとめ

この記事では、不動産投資の節税のための法人の活用の仕方を3パターン紹介しました。

  • 法人で直接物件を保有
  • 法人に管理委託
  • 法人とサブリース契約

資産拡大を狙うなら、法人の直接保有型がベストです。

マイクロ法人を設立して小金持ちを目指すなら、管理委託や転貸方式で十分です。

また、年収500万円未満で、現金比率の高い不動産投資を行うのであれば法人を設立する必要はありません。

手間と手数料の見合いを考えて、自分のスタイルに合わせた資産管理法人の設立を検討しましょう。

読んで頂きありがとうございました。

読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人:藤本紗帆

1992年生まれで、現在次女の育休中です。

初めて不動産投資をするときにつまづくことが多く、当時知りたかったことをこのブログ(はじふど)でまとめています。

電子書籍も出しています。▼

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