【積算評価法】融資が出やすい物件か調べる方法

金融機関が融資してくれるかどうかは物件の担保価値に左右されます。

多くの金融機関は、自社内で不動産の担保評価を行います。

担保価値を評価する方法には「積算評価法」と「収益還元法」があります。

金融機関によって方針に違いがあり、次の3通りです。

  • 積算価格を重視する
  • 収益価格を重視する
  • 積算価格・収益価格どちらも見る

多くの金融機関が重視しているのは「積算価格」です。

不動産投資家も、金融機関に持ち込む前に「積算価格」を試算できるようになっておきましょう。

不動産鑑定士が積算価格を求めるときは、さまざまな資料やデータをもとにしますが、簡易的な方法でも十分です。

この記事では、金融機関の物件の評価方法である「積算評価法」と「収益還元法」について紹介します!

積算評価法:伝統的な物件の評価方法

「積算評価法」とは土地の価格(路線価)、建物の構造、用途地域などの客観的なデータに基づいて

「この物件は今いくらの価値があるのか」を算出して評価する方法です。

積算価格=土地の価格+建物の価格

積算価格=土地の価格+建物の価格で算出されます。

積算評価法は銀行が融資するにあたってまず着手する伝統的な評価方法です。

この評価額が販売価格よりも高ければ、資産価値のあるお得な物件だとみなされます。

ただ実際のところ、最近は不動産の販売価格が高くなっており、特に首都圏では積算評価方によって高評価される物件は少なくなっています。

土地の価格=路線価×土地の面積(㎡)

土地の価格は以下の計算式で算出されます。

土地の価格=路線価×土地の面積(㎡)×掛目

掛目は、例えば商業地域で角地だと掛目115%など、用途地域や接道状況が良ければその分評価が上がります。

路線価は土地の値段のひとつで、【全国地価マップ】のサイトで知ることができます。

https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal

相続税路線価」のページを開き、調べたい住所を入力します。

相続税路線価図(例)

例えば、「420」と表示されていた場合は、「平米420千円」、すなわち「平米42万円(42万/㎡)」ということです。

この平米単価に土地の面積をかけることで「土地の積算価格」を算出できます。

土地の値段に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています▼

建物の価格=再調達価格×延床面積×残存年数÷耐用年数

建物の価格は以下の式で計算します。

建物の価格=再調達価格×延床面積×残存年数÷耐用年数

再調達価格は、同等の建物を再建築した際の価格です。

木造15万、鉄骨18万、RC20万/㎡くらいで計算しますが、金融機関によって単価設定は異なります。

残存年数は耐用年数から築年数を引いた年数です。

耐用年数は木造22年、鉄骨34年、RC47年とします。

例えば築30年のRC造の物件であれば耐用年数は47-30=17年となります。

例題:どの物件の融資が出やすい?

ここでクイズです。

以下の3つの物件はいずれも価格が4000万円とします。

どの物件が一番融資が出やすいと思いますか。

(ここでは掛け目は省略しています。)

  物件A 物件B 物件C
建物 鉄骨造1棟 木造1棟 RC区分
築年数 築10年 築7年 築25年
土地面積 250㎡ 130㎡ 2000㎡
路線価 7万/㎡ 3万/㎡ 20万/㎡
延床面積 300㎡ 700㎡

延床面積持ち分40万分の5000

専有面積40㎡

価格 4000万円 4000万円 4000万円
↓どの物件が融資が出やすい?積算価格を計算

土地の価格

(A)

7万×250㎡=1750万円 3万×130㎡=3900万円 20万×2000㎡×5000÷40000=500万

建物の価格

(B)

18万×300×0.7=3780万円 15万×700㎡×0.68=7140万円 20万×40㎡×0.46=368万円

積算評価額

(A+B)

5530万円 11040万円 868万円

3つの物件の中で最も融資が出やすいのは売出価格に対して積算評価が大きい物件Bです。

同じ価格で売られている物件でも、積算評価は大きく異なることがあります。

融資が出やすい物件かどうかをすぐに判断できるようにするために、自分で積算評価額を計算できるようになっておきましょう。

収益還元法:物件の収益性に着目

収益還元法とは「物件がどれくらいの収益を生むのか」「今後いくら稼ぐのか」といった試算によって評価する方法です。

(年間家賃収入×(1−空室率)−経費)÷利回りで計算されます。

※空室率、経費、利回りは銀行が独自に設定します。

例えば年間家賃収入が100万円、空室率が10%、諸経費が年間20万円、想定利回りが8%だとすると

(100万円×0.9−20万円)÷8%=875万円

となります。

収益還元法が用いられるのは首都圏や地方で不動産賃貸が活発な地域です。

首都圏にはアパートはいくらでもあるため、物件がどれくらい収益を上げるのかわかりやすいです。

しかし地方では事例が少なくなり物件がどれくらい稼ぐのか判断しづらいためです。

収益還元法は、各銀行が独自に設定した数値によって計算します。

同じ物件でも高く評価する銀行もあれば、厳しく評価する銀行もあります。

「期末が近いから積み増ししたい」というように銀行が融資に積極的な時期だと、あえて数値をゆるくすることもあります。

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大まかな物件の判断材料としてオススメなウェブサービスは「夢のらしんばん」です。

投資用不動産の評価額とキャッシュフローが無料で計算できます。

ここに入力すると積算価格や返済比率などがわかります。

返済比率は家賃に対する返済額の割合です。

例えば家賃収入が20万円でローンの返済額が10万円なら10÷20で返済比率50%です。

返済比率は50%以下が理想です。

80%や90%になる場合はローンを払えなくなるリスクがあります。

まとめ

物件を選ぶときは、利回りだけでなく積算評価もチェックしてみましょう。

複数の物件を比較するときにも役立ちます!

読んで頂きありがとうございました。

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