外壁塗装は工事休業日を除いて約10日〜2週間前後で工事完了となります。
リフォームの中でも外壁塗装は手抜き工事などのトラブルが多いです。
この記事では、塗装工事の手順について解説します。
ひとつひとつの作業が何のために行われているか把握しておきましょう!
塗装工事の流れ
大まかな塗装工事の流れは以下のようになります。
- 現状及び色などの確認
- ご近所への挨拶回り
- 足場の設置
- 外壁・屋根の高圧洗浄
- 塗り前の下準備・養生
- 下地処理・調整(ひび割れ、剥がれ、ふくれなどの処理)
- 外壁の下塗り(一回目、下地によっては2〜3回)
- 外壁の中塗り(二回目)
- 外壁の上塗り(仕上げ塗り・三回目)
ご近所への挨拶回り
塗装が始めると、作業車の出入りから、騒音、塗料やシンナーのにおいなど、どうしても近所の人へ不便をかけることになります。
前後、左右、斜め向かいの家の人に粗品を持って挨拶にいきます。
粗品の相場は500〜1000円程度です。

また、口頭だけでは伝え忘れることもあるため、挨拶文を添えると丁寧です。
以下の内容を漏れなく伝えておくようにしましょう。
- 工事内容
- 工事の期間
- 工事の作業時間帯
- 自分の連絡先・住所
- 施工業者と連絡先
- ご迷惑をおかけしますとの挨拶
足場の設置
足場の設置に入る前に、必ずご近所への挨拶を済ませておきます。
足場の設置では、鉄骨を組むため「カーン、カーン」といううるさい音が出るためです。
足場ができたらそれを覆うようにメッシュという飛散防止ネットを張り、塗料やゴミが近隣の建物につかないようにします。
外壁・屋根の高圧洗浄
外壁や屋根に付着しているホコリ・汚れ・カビ・コケ・劣化した塗料の粉などを高圧洗浄で洗い流します。
高圧洗浄をおろそかにすると、塗装しても剥がれやふくれが起きやすくなります。
通常の戸建て住宅の場合、外壁だけなら半日、屋根まで行う場合にはほぼ一日の作業時間がかかります。
職人は全身ずぶ濡れになりながら、外壁の傷みなどを確認します。
塗り前の下準備・養生
次は塗装前の下準備と養生です。
「養生」とは、サッシ窓など塗料を塗る必要がない部分をビニールや養生テープで覆うことです。
また、塗料が植木、窓などに飛び散らないよう、養生シートでカバーします。
近くに停まっている車や自転車などにもカバーをかけます。
養生は職人の腕の見せどころで、テープの張り方ひとつで仕上がりが違ってきます。
下地処理・調整(ひび割れ、剥がれ、ふくれなどの処理)
外壁のひび割れやふくれ、剥がれなどの処理やコーキングの補修などを下地処理・下地調整と呼びます。
塗装前の凹凸や亀裂、ピンホール等を削り取ったり埋めたりする作業を行います。
外壁塗装後に発生するトラブルの原因の80%以上が下地処理の不良によるものだと言われます。
下地調整は手抜きのしやすい工程で、塗装工事が完了した後ではちゃんとできたかどうかはわかりません。
そのため、見積りの段階から丁寧に建物の調査をしてもらい、どのような下地補修が必要か、予算がどれくらいかかるのかを説明してもらいます。
外壁の下塗り(1回目)
塗装は基本的に下塗り→中塗り→上塗りの三回の重ね塗りです。
下塗りは外壁に塗料を定着させるための接着剤のような役割を持っています。
壁面の強度を高めるためにシーラー(下地強化材)と呼ばれる塗料を塗ります。
シーラーは透明または白やクリーム色の塗料で、プライマーとも呼ばれます。
一般的には水性のものをシーラー、溶剤系をプライマーと呼ぶことが多いようです。
劣化具合などにより塗りの回数が増減することもあり、仕上がりに差が出る作業です。
外壁の中塗り(二回目)
中塗りと上塗り(仕上げ塗り)は、基本的に同じ種類の塗料を使うため、業者によっては「上塗り2回」と読んでいることもあります。
塗料メーカーの仕様では原則同じ色で2回塗るように指導されています。
中塗りの目的は塗装に厚み(塗布量)を確保して上塗り材の補強し、なめらかな下地を作ります。
塗膜の厚みを一定の量確保することで、塗料が本来持っている機能を発揮させることが出来ます。

外壁の上塗り(仕上げ塗り・三回目)
三回目の仕上げ塗りは最後の仕上げとなる工程です。
手抜き業者はこの工程を省きます。
手抜きされないためにやることはこちらの記事で解説しています。▼
一日で中塗りから上塗りまでやってしまう業者もあるそうですが、乾ききってない塗料の上に塗っても塗料の性能が発揮されません。

屋根の塗装工事の流れ
屋根の塗装工事の流れは以下のようになります。
- 屋根のサビ止め塗装
- 屋根の下塗り(下地によっては2〜3回)
- 屋根の中塗り
- 屋根の仕上げ塗り
屋根のサビ止め塗装、下地処理(ケレン)
屋根は外壁と同様に高圧洗浄を行ったあと、「ケレン」という工程を行います。
ケレンとは、サンドペーパーや電動のサンダーでサビを落とす工程のことです。
金属の荒れた表面を滑らかにして、塗装しやすい状態にします。
ケレンをしっかりしていないと、数年で塗料が剥がれてしまうこともあります。
屋根の下塗り
屋根が完全に乾燥してから、金属部分に下塗りとしてサビ止めを塗ります。
カラーベスト瓦には外壁と同様にシーラー(またはプライマー)と呼ばれる下塗り剤を塗ります。
縁切りorタスペーサーの設置
カラーベスト屋根などの場合、薄い板を張り合わせた構造で、雨水は板のすき間から逃がします。
上から塗装をすると塗料で板のすき間がふさがってしまいまい、雨水を逃がせなくなって屋根の腐食につながります。
これを防ぐたえに「縁切り」または「タスペーサーの設置」という作業をします。
「縁切り」とは塗料でふさがったすき間を切る道具で一枚一枚開けていきます。
最近ではタスペーサーという確実にすき間をつくる部材があります。
タスペーサーを使用している業者のほうが良い塗装工事ができます。
屋根の中塗り、上塗り
外壁と同様に基本的には同じ塗料で中塗りと外塗りを行います。
施工は刷毛とローラーが基本です。
時間がないなど特別な理由があるときは吹き付ける工法もあります。
しかし、吹き付けはミストと呼ばれる極微細な塗料が周囲に飛散しトラブルのもとになるので基本的にはオススメしません。
付帯部の塗装も三回塗り
付帯部というのは
- 破風板(はふいた)
- 軒天:軒の天井部分
- 雨樋
- 水切り
- 幕板
- 雨戸
- 戸袋
- 配管
等のことです。
雨樋やベランダの柵、雨戸などの鉄部はサビを落としてから塗装します。
外壁や屋根と同様に下塗り→中塗り→上塗りの3回塗りです。
確認検査・足場撤去
すべての塗装作業が終了したら、養生シートやメッシュ(飛散防止シート)を取り外します。
問題がないか指示書と照合し全体をチェックします。
満足のいく仕上がりではない場合は、塗装業者に修正を依頼しましょう。
指示書通りではないとか施工業者のミスでなければ、工事費をどちらが持つか確認をします。
問題がなければ、足場を解体し、周辺を掃除して工事完了です。
まとめ
この記事では外壁塗装工事の流れについて説明しました。
手抜き工事をされないためにも、ひとつひとつの作業が何のために行われているか把握しておきましょう!
塗料の種類や耐久性についてはこちらの記事で解説しています。▼
読んで頂きありがとうございました!
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