外壁の塗り替え時期のサイン7つ

塗装は家全体を包むバリアです。

家の外壁は塗装が施されているからこそ水に強いのです。

塗膜は時間の経過と共に少しずつ衰えていき、モルタルや外装材が直接水に触れてしまいます。

この記事では、家の外壁の塗り替え時期のサインについて解説します!

塗り替え時期のサイン7つ

雨漏りになる前に適切なタイミングで外壁を塗り替えることが大切です。

塗り替えの時期のサインを紹介しますので点検してみましょう。

チョーキング(モルタルの場合)

モルタルというのは、セメントと水を混ぜて作る壁材のことです。

昭和50年頃までは住宅の外壁として主流でした。

モルタル外壁

しかし、以下のような理由で現在ではモルタル壁はあまり使われなくなりました。

  • 砂と水を混ぜ合わせ左官職人がコテで塗り上げる工程が複雑
  • 20日以上の施工日数が必要
  • コストが高い

また、施工後に亀裂やヒビが入りやすいという欠点があります。

モルタル外壁の場合、塗替えの目安は「チョーキング」です。

チョーキングとは、外壁の表面をこすると白い粉が手につくことです。

これは塗料の成分がチョークのように粉状になって劣化している状態です。

外壁のチョーキング

木部の浮き、はがれ

雨風や太陽光の影響で木が伸び縮みして塗膜が浮いたりはがれたりしている状態です。

放っておくと木が腐ってしまいます。

落ちそうな軒天

また、破風板(はふいた)がある家は塗装が剥げると建物の印象がみすぼらしくなってしまいます。

破風板は切妻造りの家で山型の屋根の下に沿って設置されている化粧板のことです。

その名の通り「風を破る板」という意味で、屋根瓦の下や屋根内部に風が吹き込むのを防いでいます。

それだけに、破風板の塗装の部分は、剥がれやすくなっています。

雨樋の劣化

雨樋は、落ち葉などのゴミが樋内にたまって詰まってしまい、継ぎ手のコーキングが劣化して水漏れを起こすことがあります。

また、取付金物がさびて折れてしまと、そこから雨水が溢れ出てその周囲の劣化を早めてしまいます。

雨水や雪の重みで変形したり、塗装の劣化が進んで腐食するトラブルもあります。

壊れた雨樋の配管

ゴミを取り除いてつまりを解消し、サビや腐食防止のために塗り直しが必要になります。

樋の塗り直しには足場を組む必要があるため、屋根や外壁の塗り直しのタイミングで、一緒に雨樋の塗り直しを行うのが効率的です。

雨樋

カビ・コケによる変色

特に陽の当たりにくい北側の庇(ひさし)の下など湿気の多い場所にはカビやコケ、藻が発生している場合があります。

塗り替えの際にはバイオ洗浄などで殺菌してから塗装することになります。

青カビが広がった外壁

ひび割れ(クラック)

外壁には、「ヘアクラック」と呼ばれる髪の毛くらいのヒビが入っていることがあります。

ひび割れ(クラック)

髪の毛くらいのヒビであれば雨水が構造体を腐らせることはありません。

なぜならモルタル壁や内装材、屋根材の下には防水シートが敷き詰められているからです。

その下に柱や下地の木材があります。

ただ、防水シートも完璧ではありません。

防水シートは釘を使って張るので釘穴ができてしまいます。

また、モルタル壁の場合、さらにその上から針金製の網をかぶせますが、この網も釘で固定します。

そのため、防水シートは釘穴だらけです。

ヘアクラックを放っておくとクラックは確実に大きくなっていき、破損部が拡大していきます。

やがて防水シートも湿気で傷んでいき、いよいよ雨水が木材まで侵食して雨漏りの原因となります。

雨漏りした天井とはがれたクロス

塗り替え時期が遅くなると建物の補修が大掛かりになることもあるため、なるべくお金をかけないためにも、早期に対策をすることが大切です。

ヘアクラック程度であれば心配ありませんが、写真のような大きなクラックを放っておくと、この隙間から雨水が入り家を腐らせます。

鉄部・金属系外装材の錆び

住宅には鉄部をはじめ、

  • 亜鉛メッキ鋼板
  • カラー鋼板
  • アルミ
  • ステンレス

など金属系の外装材も多く使われています。

屋外の階段やフェンス、物干しやベランダの手すり、サッシ等の建具です。

特に鉄部はサビが発生しゃすく、放置しておくと腐食します。

そうなると塗装では済まなくなるため、サビが発生したらすぐに処置することが必要です。

鉄部のサビは、しっかりとサビを落としたうえで、サビ止めを施してから塗装し直しとなります。

鉄部は塗料の保護なくなると雨水の影響でサビ付いてしまいます。

放っておくと穴が開いて雨漏りしますし、サビ汁により家を汚してしまいます

コーキングの劣化(サイディングの場合)

モルタルに代わって住宅の外壁材として主流となったのがサイディングです。

サイディングはセメントと木質系成分を混合して板状に成形した人工の外装材です。

サイディング材

そのなかでも最も多く用いられるのが耐火・耐熱性に優れ、新築時の施工が簡単でコストも安い窯業(ようぎょう)系のサイディングです。

いわば焼き物の外壁材で長期寿命と言われています。

しかし、コーキングの目地割れから雨水が入りこんでボードに反りが生じるなどして劣化が起こります。

サイディングの補修は

  • サイディングを張り替える
  • サイディングを上塗りする(塗装)
  • コーキングを打ち直す

などの方法があります。

コーキングというのは、建物の気密性や防水性のために、サイディング外壁やサッシまわり、タイルなどの隙間を目地材で詰めてふさぐことです。

「シーリング」と呼ばれることもありますが、一般的には同じことです。

コーキングも外壁と同様、日光や風雨などによる経年劣化で汚れや色あせが出てきます。

約10年などでシワや硬化によるひび割れや隙間が発生してきます。

硬くなって縮んだシーリング材

ひび割れなどの状態になると、雨水などが侵入することになり、シロアリの発生や家自体の腐食を進めてしまいます。

サイディングの劣化が退色程度の場合にはコーキング部分を含めて塗り直すことが可能です。

ただ、壁材などのひび割れが出ている場合にはコーキングを打ち直すことが必要です。

補足:屋根

屋根の部材は、

  • 瓦などの粘土系
  • トタンなどの金属系
  • スレート系

の三系統に分類できます。

いずれの場合も、一定の時期に葺き替えるか、塗替えが必要になります。

スレート屋根

スレート屋根はセメントと繊維を混ぜて、厚さ5ミリほどに成形された板状の屋根材です。

現在、住宅の屋根の部材として主流になっており、「カラーベスト」や「コロニアル」といった商品名で流通しています。

特にコロニアルと呼ばれる特殊石綿セメント板を使用したものが全体の約7割だと言われます。

スレートは、繊維の種類によって「石綿スレート」と「無石綿スレート」に分けられますが、石綿はいわゆるアスベストと呼ばれる有害物質です。

アスベスト規制が強化された平成18年以前のスレートにはアスベストが含まれている可能性があります。

通常は問題ないと思われますが、スレートを葺き替える工事をする場合はアスベストが飛散しないように、業者と綿密に打ち合わせする必要があります。

スレート屋根が劣化すると、塗膜が剥がれて、その上にカビやコケが発生することもあります。

通常7〜10年で防水性がなくなると言われます。

トタン屋根

スレート屋根や瓦屋根に比べて、トタンなど金属系の屋根はサビや腐食が問題となります。

東北や北海道など雪が多い寒冷地では金属系の屋根が多く採用されています。

トタン屋根は厚みのあるトタンの内部にウレタン断熱材をつけたものなどが開発されています。

塗膜が劣化してサビが発生するようになった場合は塗り替えが必要となります。

まとめ

この記事では外壁の塗り替え時期のサインについて解説しました。

塗料の種類や耐久性についてはこちらの記事で解説しています。▼

また、外壁塗装の工事で失敗しないためのポイントはこちらの記事で解説しています。▼

外壁を普段から自分でチェックするようにしましょう!

読んで頂きありがとうございました。

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