不動産投資で法人化する際は、株式会社より合同会社のほうがオススメです。
この記事では合同会社のメリットや特徴について紹介します。
設立費用が安い
法人の設立費用は以下の表の通りです。
株式会社 | 合同会社 | |||
紙の定款 | 電子定款 | 紙の定款 | 電子定款 | |
印紙代 | 40,000円 | なし | 40,000円 | なし |
認証手数料 | 50,000円 | 50,000円 | なし | なし |
定款の謄本 | 2,000円程度 | |||
会社の印鑑 | 10,000円程度 | |||
登録免許税 | 資本金×0.7%(最低15万円) | 資本金×0.7%(最低6万円) | ||
合計(最低限) | 25~26万円 | 21~22万円 | 11~12万円 | 7~8万円 |
司法書士に依頼する場合はこの金額に手数料が上乗せされます。
また、株式会社の場合は追加で
- 発起人、取締役全員の個人の印鑑証明書(1通300円程度)
- 公証人役場で定款の認証を受けるための認証手数料
が必要になります。
よって、設立コストは、合同会社の方が断然お得です。
社員(役員)の任期がない
株式会社の場合は取締役の任期が存在します。
原則は取締役2年、監査役4年とされており、定款で定めておけば最長10年まで延長できます。
任期が到来すれば、あらためて重任の登記が必要になり、登録免許税1万円がかかります。
重任とは、取締役や代表取締役、監査役などが任期満了によって退任し、定時株主総会で再選されることをいいます。
合同会社の場合は任期自体が存在しないため、重任の登記が不要となります。
法人も社員(役員)になれる
株式会社では、法人が取締役や代表取締役になることはできません。
一方、合同会社であれば個人だけでなく、法人も社員(役員)になることができます。
つまり、株式会社だと
代表取締役:山田太郎
取締役:鈴木花子
というように必ず人間の名前があることになります。
一方、合同会社では
代表取締役:〇〇株式会社
取締役:株式会社△△
という形にすることにもできます。
複数の企業が互いに出資し、新しい会社を立ち上げて事業を行うときなどに利用されます。
決算公告が不要
株式会社は決算が終われば決算公告が必要となります。
実際は中小企業で決算公告をしている会社はほとんどありませんが、法律的にはやらなければならないものとなっています。
合同会社の場合は法律的にも決算公告は必要とされていません。
利益分配の柔軟性が高い
会社の利益は、出資者に対して配当という形で分配されます。
株式会社は株数に応じた利益配分が基本となります。
一方、合同会社では、利益の分配は原則として出資割合によることとされています。
しかし、定款に記載することで出資額にかかわらず利益分配の割合を自由に定めることができます。
例えば、「AさんとBさんは出資額が同じだけど、Aさんのほうが会社に貢献してくれるからBさんより配当を多くしよう」といったことができます。
増資の際に登録免許税を節約できる
株式会社の場合は増資する際にその金額の1/2を資本金としなければなりません。
その際、増加した資本金に対して登録免許税が3万円かかります。
一方、合同会社の場合は全額を資本余剰金として割り振ることができるため、登記せずに処理することができます。
有限責任である
合同会社は出資者全員が有限責任社員となるため、無限責任を負う合名会社や合資会社とは違います。

有限責任とは、会社に借金や債務があっても出資額以上に責任を負う必要がないことです。
株式会社も合同会社と同じように、出資者は間接有限責任です。
株式会社への組織変更も可能
最初は合同会社でスタートして、外部から資金調達をしたくなったら株式会社に変更することもできます。
登録免許税を支払えばよいだけで、最初から株式会社を設立するより5万円程コスト削減になります。
会社から手を引くときにラク
株式会社の場合は、事業から手を引きたい場合は株を買い取ってもらう必要があります。
しかし、合同会社の場合は個人の意思で経営から抜けることが可能で、その場合は出資した金額を清算します。
まとめ
この記事では合同会社のメリットや特徴について解説しました。
日本国内で新たに設立される会社は30%以上が合同会社です。
運営に関する自由度が高く、あとから株式会社に変更することもできるため、まずは費用が安くすむ合同会社を設立するのがオススメです。
法人化についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。▼
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