医療保険は「損な賭け」
病気になったら得をして、ならなかったら損をするから「賭け」です。
以下の費用も保険料に含まれます。
- 営業の女性の人件費
- 保険の相談ができる窓口の人の人件費
- 女優のCM出演料
- 詐欺のコスト
詐欺のコストというのは、保険金詐欺(保険金をかけて家族を殺す、何かをなくしたと嘘をつくなど)があることを想定して保険料を決めていることです。
民間の医療保険では、掛金の半分近くが自分の保障以外に使われていると言われます。
つまり、保険会社に払うお金の半分は、人件費や広告費に使われていると思っていたほうがいいです。
保険会社の懐に入る手数料や、どのように運用しているかの中身が不透明である以上、入るべきではありません。
病気になったらどうするの?
高額療養費制度
もし月に数万円以上(年収による)の医療費がかかった場合、それ以上は国が負担してくれます。
年収約1,160万円以上 | 252,600円+(医療費ー842,000円)×1% 以上は払わなくていいい |
年収約770〜1,160万円 | 167,400円+(医療費ー558,000円)×1% 以上は払わなくていいい |
年収約370〜770万円 | 80,100円+(医療費ー267,000円)×1% 以上は払わなくていいい |
年収約370万円以下 | 57,600円以上は払わなくていいい |
住民税非課税 | 35,400円以上は払わなくていいい |
保険の適用範囲であれば、病院で一定額以上払う必要がありません。
年収500万の人だったら、重い怪我や病気をしても、だいたい月8~9万円くらいまでしか払わなくていいです。
払った保険料の半分くらいは医療費以外に消えているので、保険に入ったと思って保険料分を貯金していたほうがはるかに合理的です。
がんになって健康保険対象外の先進医療を受けたい場合は?
2人に1人ががんになるからこそ、がんのことを考えた保険には入ってはいけません。
保険はめったに起こらないけど、もし起きたら莫大なお金がかかるものに対して効果があるものです。
(自動車保険や火災保険は意味があります。ただし、定期的に見直しましょう。)
自動車保険の見直し
病気になる・がんになる・長生きをする・・・など、高確率で発生するリスクに対応する保険は、保険会社の手間暇を考えると、かなり割高なぼったくり保険にしないと商品として成立させることができません。
半分の確率でがんになるならば、保険で対応せずに貯金しておけばいいです。
また、がんは有効な治療の大半は保健医療ですみます。
全額保証型医療保険は?
払った保険料が満期に全額戻ってくる医療保険はどうでしょうか。
元本保証でプラス医療保険もつくというのがセールストークです。
これは運用で得られるはずの利益が保険料にまわっているだけです。
また、もし途中で病気になって保険金を受け取ったらその分引かれたり、途中で解約すると払った分がほとんど戻ってこなかったりなど、必ずからくりがあります。
全額保証型医療保険のデメリット(あくまで一例)
- 毎月支払う保険料が高い
- 途中解約の場合、今まで払った保険料を下回って戻ってくるので、途中で見直しづらい
- インフレが進んだ場合、将来の価値は減っている可能性がある。(1000万円を貯蓄しても、満期のときに1000万円の価値がないかもしれない)
また、保険会社が倒産すると、全額は戻ってこない可能性があります。
銀行だったら1000万までは戻ってくるので、銀行よりも危ないお金の保管場所となります。
あなたが60歳になったときに、どこの保険会社が潰れているかなんて本当にわかりません。
中身を複雑にして売りつけてくるのは金融マンの得意技
金融商品に「保険」と「貯蓄」という2つの機能をもたせるのはよくないです。
商品の比較は難しくなり、手数料が上乗せされやすいです。
保険+貯蓄、保険+投資のような商品は、保険会社がたくさん手数料をとれる商品です。
(手数料が取られる分、利回りは低くなりますが、保険会社はそのことを言いません。)
まとめ
- 保険料には保険会社の利益がのってくるので「損な賭け」である。
- 健康保険加入者は「高額療養費制度」を受けられるので、保険適用内の医療であれば毎月払う金額の上限が決まっている。
- 医療保険やがん保険には入らず、もしものときのために保険料を払ったと思って貯蓄をしておくのが合理的。
必要な保険・不要な保険についてはこちらの記事でも解説しています▼