レンタルスペースは賃貸でできますので、不動産投資と比べ少額の初期投資で始めることができます。
工夫すれば、自分の時間をとられすぎずに大きく稼ぐことが可能で、副業にも向いています。
この記事ではレンタルスペースの種類や用途、物件の探し方、運営、よくあるトラブルについて紹介します。
レンタルスペースの種類
レンタルスペースには、
- 貸し会議室
- パーティースペース
- キッチンスペース
- ダンススタジオ
- 撮影スタジオ
- DIYスペース
- BBQスペース
など、さまざまな種類があります。
メジャーなスペースの種類をいくつか紹介します。
貸し会議室
貸し会議室は、打ち合わせやセミナーなどの用途で使われます。
- テーブル
- 椅子
- ホワイトボード
- プロジェクター
といった設備が備えられています。
簡素な造りのため時間単価が比較的安く、ビジネス以外の会合にもよく使われます。

パーティースペース
パーティースペースの利用者は以下のような層が中心になります。
- 学生
- 若年層の社会人
- 女子会
- ママ会
飲食を伴ったり、映像を上映することも多く、ハロウィンやクリスマスといった季節のイベント時に需要が高まります。

キッチンスペース
パーティスペースと用途が重なりますが、キッチンスペースでは調理環境に重きが置かれます。
その場で料理を作って食べるのが前提となるため、大掛かりな設備が必要です。
セミプロの料理人による料理会や、料理教室といった用途にも使われます。

ダンススタジオ
ダンススタジオでは主に学生や若年層のダンスサークルなどの練習に使われます。
最近は特にダンスができるアーティストが活躍しており、ダンスの解説動画も多いため需要が高まるかもしれません。
ある程度広いスペースと大きな鏡、スピーカーなどが必要になります。
集合住宅だと騒音がクレームにつながりやすいため注意が必要です。

撮影スタジオ
撮影スタジオは個人の撮影会から商品撮影、動画配信などさまざまなニーズがあります。
三脚やレフ板、撮影用の照明などといった、撮影用の機材をレンタルしていたり、自然光が多く入ることをアピールすることもあります。
コスパが良くておしゃれな空間が好まれます。

レンタルスペースの利用用途
レンタルスペースの利用者の多くは20代前半の若者です。
「誕生日会」「たこ焼きパーティー」「オフ会」「映画鑑賞」「ボードゲーム大会」などが主な用途として挙げられます。
そのほかにも幅広い利用用途がありますので、実例を紹介します。
ユーチューバー、ライブ配信
ユーチューバーやライブ配信する地下アイドルなどは常連になって利用してくれるケースがあります。
- ゲーム実況の動画
- ファッション動画の撮影
- バンドのグッズ紹介の撮影動画

コスプレ・オフ会
コスプレイヤーによる集まりや撮影、地下アイドルのオフ会や誕生会といった利用も多いです。
いわゆるオタクといわれる業界です。
個室でなければ開催しにくい内容も多いため、根強いニーズがあります。

セミナー・勉強会
最近は副業ブームで、教室を開きたい人も多くなっています。
セミナーや勉強会として活用された例を紹介します。
- アロマ講座
- 耳つぼセラピスト養成講座
- コーチングレッスン
- エアライン就職面接対策講座
- プログラミング勉強会
- 太陽光メンテナンス勉強会
- 画家の集客勉強会
- すごろくノート術ワークショップ
- 英会話講座
- 起業家育成塾
- 開業医向けマーケティング講座
- タロット占い勉強会
- オンライン勉強会

その他の用途
その他にもレンタルスペースはさまざまな用途があります。
- デート
- 赤ちゃん・子連れのランチ会
- 飲み会
- ネイルをする場所
- パーソナルトレーニング
- 展示会
- テレワーク
- スマブラなどのゲーム大会
- ライブ鑑賞
- 麻雀大会
- フリマ
- 合コン
- 外資系企業との電話面接
- 楽器の練習
- 商談
- 打ち上げ・歓送迎会
- サラリーマンの休憩

ダーツ、ビリヤード、ペット可能、和室、DIYスペースなどさまざまなニーズがあります。
また、BBQや花火ができる屋外のレンタルスペースもこれから需要が高まってくるでしょう。
需要をつかんでから、どのような備品を導入するか決定しましょう。
レンタルスペースの運営
レンタルスペースの運営する流れは以下の通りです。
- 物件探し
- 部屋のコンセプト決め、インテリアや家具選び
- 設営作業
- 撮影・予約サイトへの登録
- 備品補充、清掃
その中でも初心者にオススメなのは設備投資が少額で済む「貸し会議室」と「パーティスペース」ですので、その2つに絞って解説します。
立地が重要
特にビジネス利用が比較的多い貸し会議室は立地の利便性が重要です。
ライバル物件の出現を想定すると、利便性の良い物件を確保しておくほうが長期的に競争力が保てます。
その中でも特に強いのは新幹線の駅です。
なぜなら新幹線で東京や大阪から来て集まる需要があるためです。
パーティスペースに関しては利用者は地元の方が中心です。
新幹線の駅でなくても、賑わいのある商業地や帰宅に便利な複数路線が乗り入れる駅が好まれます。

転貸OKな物件の探し方
所有物件がない場合、まず賃貸物件を借りて、それから時間単位で貸し出します。
手数料や家賃を差し引いてもプラスになるだけの売上をつくる必要があります。
借りた物件を他の誰かに貸すことを「転貸」といいます。
貸主の許可なしで転貸することは法律で禁止されています。
レンタルスペースの運営で最大のハードルは大家の許可を得ることになります。

そもそも「転貸」は一般の不動産賃貸契約では、標準で「不可」となっているケースが多いです。
これは転貸によって、貸主と借主以外に第三者が介在すると、トラブルが複雑になるリスクが高いためです。
その結果、転貸可能な物件となると限られてしまい、その中でも家賃や立地などの条件が合う物件は一握りになってしまいます。
賃貸の仲介店に1つずつ連絡
ミニミニやハウスメイトなどの賃貸物件の仲介店を訪問か連絡をして、
「貸し会議室をしたいのですが、そんな部屋はありませんか。許可してくれそうな大家さんはいますか。」と問い合わせます。
狙い目は、供給過多で駅チカでも賃料が安く空室が多いエリアです。
レンタルスペースの認知度は高まってきているため、すんなり紹介してもらえるケースも増えています。

中国系の仲介店を見つける
積極的に物件を紹介してくれる業者に、中国系の仲介店が挙げられます。
中国系の大家は部屋の使用用途について寛大であることが多いためです。
ただし、注意が必要なのは管理組合がレンタルスペースを許可しているかどうかです。
大家が独断で許可を出して営業を始めても、管理組合からNGが出て撤退となったケースもあります。

テナント系に強い業者を探す
店舗や事務所などのテナントを扱う仲介業者のほうが、商業ビルなどの物件情報を持っている可能性が高いです。
住居用よりも事務所用、店舗用の方が許可の下りる可能性は高いです。
ただし、店舗用で家賃や初期費用の安い物件は内装などが何もないスケルトン状態だったりすることもあります。

スペースの作り方
開業するために、どのような部屋にどのようなスペースを作ればいいかを紹介します。
初心者にオススメなのは、ワンルームや1Kなどの1部屋タイプです。
家賃が安くて狭い部屋のほうが少額で始められます。
テーブルはなるべく小さいものを選び、自由に移動できるようにすることがポイントです。
また、Wifi環境や電源が求められることも多いです。

貸し会議室はシンプル
貸し会議室に必要なものはシンプルで簡単に始められます。
しかし、裏を返せばライバルが現れやすく、どのように差別化をするかを考える必要があります。
必要なものは以下の表の通りです。
テーブル | 極力小さくてレイアウトが変えやすいもの |
椅子 | 折り畳み、スタッキングができると良い |
ホワイトボード | ホーロー素材だと書き跡が残りにくい |
プロジェクター | 明るい室内で使える2500ルーメン以上を推奨 |
文房具などの備品 | ハサミ、ホチキス、修正テープなど |
パーティースペースは写真映えを意識
パーティースペースは床やソファに座れるように、くつろげる空間が求められます。
ダイニングテーブル等で大きくスペースを埋めるのではなく、足を伸ばして座れる空間作りがオススメです。
パーティーのメンバーには女性がいることが多く、楽しむ様子をインスタグラムなどのSNSに投稿する可能性が高いです。

そのため、写真映えするおしゃれなスペースであることが重要です。
必要なものは以下の表の通りです。
ローテーブル | なるべく小さくて移動可能のもの |
ソファ | 低いソファが人気 |
ラグマット | 部屋のアクセントになる |
TVモニター | 32インチ以上 |
冷蔵庫 | 冷蔵と冷凍に分かれた2ドアタイプ |
電子レンジ | 特別な機能は不要で温めることができれば良い |
剥がせるクロス | 部屋のアクセント |
装飾 | オシャレなオブジェやイミテーションの植物など |
また、パーティスペースは盗難などのトラブルも起こりやすいため防犯カメラを設置しておきます。
Amazonで「ネットワークカメラ」を5000円程度で購入することができます。
募集・予約・支払いは専門の予約サイト
レンタルスペースの募集、予約、支払いはレンタルスペース専門の予約サイトの仕組みを使って行えます。
スペースを借りて、あとはメールアドレス・電話番号・免許証などの身分証を登録すればすぐに始められます。
主なサイトは以下の通りです。
複数のサイトを利用するとダブルブッキングが心配ですが、Google カレンダーと連動する仕組みがあります。
他にも、ジモティーやGoogleマイビジネスでも集客できます。
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起こりがちなトラブルと対策
レンタルスペースで起こりがちなトラブルは鍵が開かないことと忘れ物です。
鍵の場所は写真付きで説明する
レンタルスペースの運営で最も多いトラブルが「鍵が開かない!」というクレームです。
カギの管理はダイヤル式のキーボックスをドアノブにつける方法が一般的で、予約確定の際にメールで暗証番号を送ります。

しかし、
- 鍵を取り出さずにドアノブをひねっている
- キーボックスを開けられない
- 部屋にたどりつく前に集合ポストのダイヤルを回している
など、番号をあわせたが鍵が開かないというケースもあります。
写真で丁寧に説明したり、ポストやキーボックスにラベルを貼るなどして対策できます。
電子キー(デジタルロック)に変えることでも対策できますが、電池切れには注意が必要です。

説明を読めばすぐにわかる内容でも、何も考えずに電話してくる人は一定数います。
電話がかかってくること自体ストレスですし、本業中に電話に出られず、低い評価をつけられたら悲しいですよね。
それを解決するのが電話自動応答サービスのIVRy(アイブリー)です。
SMSで自動でメッセージが送信できて、月額3500円+通話料で利用できます。
また、暗証番号がずっと同じままだと一度利用した人に不正利用される危険性があります。
定期的に暗証番号を変えておけば対策になります。
忘れ物
上着や傘、ケーブル類などの忘れ物をして退出してしまい、慌てて連絡が来ることもあります。

時間外の無断入室はできないため、他のお客が利用していない時間を伝えて自分で回収するようにお願いしましょう。
注意喚起の張り紙をしておくことが対策になります。
騒音問題
パーティー利用に多いのが、深夜に大騒ぎするなどして近隣住民に迷惑をかけてしまうトラブルです。
深夜利用の停止や、収容人数を多くしすぎないことが対策になります。

まとめ
この記事では
- レンタルスペースの種類
- レンタルスペースの用途
- レンタルスペースの運営とよくあるトラブル
について解説しました。
興味を持って始めてみたいと思った人は、必ず読書もして、いろいろなパターンを知って下さい。
レンタルスペースの投資本で一番オススメなのはこちらの本です▼
「サラリーマンはレンタルスペース投資をはじめなさい」(宮崎章広)
- 収支計画
- 物件を借りる交渉術
- 撮影テクニック
- トラブル直後の次の利用者への対応
など、具体的な内容がたくさん盛り込まれています。
また、王道でない不動産投資について知りたい人はこちらの記事で詳しく解説しています▼
何事も初めて挑戦することはわからないことだらけです。
まずは最低限の知識をしっかり身につけましょう!