コインパーキングは3割の稼働率でビジネスとして成り立つと言われており、表面利回りの相場はおよそ4%~40%です。
月極駐車場に比べると2〜3倍の売り上げが見込めます。
コインパーキング投資は、不動産投資よりも投資要素は薄くて事業的側面が強くいです。
そのため、リスクもありますがリターンとしての利回りが高くなります。
居住用の不動産だけでなく、地震に強いコインパーキングを自分の資産の一部に入れておくことはリスク回避につながります。
この記事では、コインパーキング投資のメリット・デメリットについて解説します。
コインパーキング投資のメリット
コインパーキング投資のメリットは以下の通りです。
災害リスクに強い
地震によって住宅やビルが傾いてしまったエリアでも、駐車場は無事であることが多いです。
アスファルトの地面が波打っていたとしても、駐車禁止のキップが切られなければ十分目的が果たせます。
もしアスファルト工事をやり直すことになっても、住宅の補修に比べれば費用は少なくてすみます。
修繕期間も2〜3日です。
地面に取り付けてある「フラップ板」という車止めの機械も、トラックがまたいでも大丈夫なくらい頑丈に作られています。
フラップ板の耐用年数も長く、平均で8〜10年、メーカーによっては10年以上のところもあります。

フラップ板などの機器類の費用についてはこちらの記事で解説しています。▼
土地購入時の相場がわかりやすい
収益物件の場合、土地の値段に建物の値段がプラスされて売り出されています。
収益性があったとしても、積算価格の半分しかない物件もあり、融資があまり出ず、多額の自己資金が必要になったりします。
積算価格についてはこちらの記事で解説しています。▼
一方、土地の値段だけであれば相場がわかりやすいです。
土地の値段についてはこちらで解説しています。▼
修繕費がかからない・保険が不要
収益物件の修繕に比べ、コインパーキングは修繕費がかかりにくいです。
一度丈夫な機器を設置してしまえば、故障以外で機器を修理する必要がないためです。
そのため、火災保険や地震保険も不要になります。
空室や事故リスクがない
収益物件の経営で大きなリスクとなるのが「空室」や「事故物件」になることです。
空室になるたびに広告費がかかり、さらには自殺や孤独死などがあった場合は大変です。
コインパーキングは車を停めるだけであるためそういったリスクはありません。
パーキング内で車がぶつかるなどの事故があったとしても、「オーナーには一切責任はありません」と看板に告知しておけば、リスクを負うことはありません。
コインパーキングは、車を安全に保管する責務は負っておらず、自己責任が基本です。
アパート経営に比べてクレームが少ない
収益物件の場合、エアコンが壊れた、水漏れがしたなど、緊急を要する案件も数多く、管理会社にお願いをしていたとしても頭が痛いです。
一方、コインパーキングではクレーム自体があまりありません、
滅多にありませんが、故障など緊急事態のときにはパーキング内の看板に保守管理会社の電話番号が載っており、そこに電話すれば対応してもらえます。
たとえば、料金を投入しても車両の下のフラップ板が下がらない、領収書が出てこないといった場合です。
コインパーキング経営では月々の保守管理費を支払って保守管理会社と契約します。
問い合わせなどの対応は保守管理会社が行い、オーナーに連絡がくることはほとんどありません。
コインパーキングの管理についてはこちらの記事で解説しています。▼
自動販売機からの副収入も見込める
コインパーキングと自動販売機は非常に相性がいいです。
精算するときに財布を出すという行為は、ついでに何か買おうという行為に結びつきやすいためです。
昔はお釣りがでない精算機がほとんどだったため、その解消策として置かれたことが多かったようです。
自動販売機はドリンクの補充や空き缶のゴミ捨ても全て業者に委託できます。
それほど高収入にはなりませんが、置いておくだけで手間もありません。

出口戦略が立てやすい
土地のみだと劣化する上物がなく、駐車場としても住宅用としても売却できます。
アスファルトは剥がさなくても売却できることがほとんどで、撤去する場合でも住宅の解体費と比べれば安価です。
月極駐車場の場合は契約者がバラバラで、全員の車が別のところに移動するまでには時間がかかりますが、コインパーキングならすぐクローズしても問題ありません。
機器類も使い回しができるため、業者に連絡すれば撤収に来てくれます。
また、売却ではなくアパートや戸建賃貸住宅、バイクコンテナなど、他の活用方法に変えることもできます。
コインパーキング投資のデメリット
コインパーキング投資のデメリットは以下の通りです。
固定資産税が高い
コインパーキング投資の大きな欠点は、固定資産税が高いことです。
コインパーキング用地は更地と同じ扱いです。
住宅や住宅用地のように税の軽減措置がありません。
住宅地では200㎡以下の部分は更地の1/6に、200㎡を超えると1/3の課税となるため、更地の税金はとても高いです。
借地で始めれば、固定資産税の支払いはありませんが、借地代はかかります。

減価償却できる金額が少ない
建物代などの初期費用がかからない分、減価償却できる金額は少なくなります。
コインパーキングに必要な機材の耐用年数は5年程度です。
そのため、節税効果でいえば収益物件のほうがはるかに上回ります。
減価償却についてはこちらの記事で解説してます。▼
毎月の売上が不安定
コインパーキングは収益物件や月極駐車場と比べて、毎月の売上が不安定です。
たとえば、商業地であれば歓送迎会のある3月や4月は売上がよくて、夏休みの時期は売上が落ちます。
ただ、年間の売上ははぼ安定します。
料金未払いのリスクがある
乗り逃げによる料金未払いのリスクはあります。
特に長時間停まっている場合は要注意です。
近所に住んでいて頻繁に見に行くことができればいいですが、被害をゼロにすることは難しいです。
対策としてメジャーなのは防犯カメラの設置ですが、被害額の大小で判断すると、そこまでコストをかける必要もない場合も多いです。
周知されるまで時間がかかる
コインパーキングがあると認知されるまで時間がかかります。
周知されるのが遅ければリターンを得られるのが遅くなってしまいます。
住宅街であれば、新規オープンのチラシを近隣の住宅やマンションにポスティングするという方法もあります。

集客が多い場所でなければライバルに注意が必要
始めときに周りに他のコインパーキングがなかったとしても、満車になっていると気づく人がいたらライバルが出現する可能性もあります。
「近所にライバルが増えると売上が落ちるのでは?」と思いますが、意外にもそんなことはありません。
ライバルが増えても
- 「コインパーキングが多い場所であれば車で安心して行ける」
- 「これだけあるからどこかには停められるはず」
と、車を利用する人が増えます。
また、コインパーキングが少ないと
- 「もし満車だったら停められないな」
- 「いつも満車だから、車で行くのは避けておこう」
と考え、車の利用を控えるかもしれません。
集客力のある土地だとライバルとの相乗効果で、売上はあまり変わりません。
しかし、車の上限が見えている場所では、取り合いになるため売り上げは減少してしまうでしょう。
コインパーキング経営に適した土地の探し方はこちらの記事で解説しています。▼
まとめ
この記事ではコインパーキングのメリットとデメリットについて解説しました。
コインパーキング投資について知りたい人はこちらの本がおすすめです▼
2014年発行の古い本ですが、駐車のレイアウトや経営方法は面白く読み応えがあります。
融資を受ける際の具体的な収支シュミレーションもあるため参考になります。
読んで頂きありがとうございました!