不動産を購入するときの諸経費は以下の7つです。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登録免許税
- 登記手数料
- 固定資産税(日割り)
- 不動産取得税
- 火災保険料などの保険料
これらの費用はおおよそ物件購入価格の7~10%になります。
4の登記手数料と7の火災保険料は工夫次第で抑えることができます。
この記事では、不動産購入の諸経費とその節約方法について紹介します!
仲介手数料
諸経費の中でも大きな割合を占めるのが不動産会社に支払う仲介手数料です。
仲介手数料は、上限の金額が次のように定められています。
物件価格 | 仲介手数料 |
200万円以下 | 物件価格の5%以内+消費税 |
200万円超400万円以下 | 物件価格の4%以内+消費税 |
400万円超分 | 物件価格の3%以内+消費税 |
物件が400万円を超えている場合は次の計算式で求めることができます。
400万円以上の物件の仲介手数料=物件価格の3%+6万円+消費税
仮に1千万円の物件だとすると36万円が仲介手数料になります。
かなり大きいですよね。
仲介手数料は値切らない
仲介手数料は営業担当者の成功報酬でもあるため、値切ると心証を悪くしています。
今後物件を紹介してもらえなく可能性もあるため、きちんと提示された額を支払いましょう。
なお、付き合いのある営業担当者が独立して開業し、また仲介してもらときに仲介手数料を安くしてもらえることはありました。
仲介手数料がかからない物件もある
売主が不動産会社の場合、新築でも中古の場合も仲介手数料はかかりません。
よくあるのは、不動産会社が古い区分マンションや戸建てを安く買って、その後リフォームして転売するケースです。
こういった物件は不動産業者の利益が乗っているため、割高な物件がほとんどです。
自分で古い物件を購入して自分でリフォームを発注するほうが当たり前ですが安くなります。
しかし、ごく稀にお得なケースもあります。
不動産会社の決算期前になると、
- 決算に向けて在庫を減らしたい
- 何ヶ月も市場に出ていると売れ残りとみなされ売りづらい
- お金を借りている銀行の手前、売れ残っていることが不都合
といった理由で、薄利で売却することもあります。
そんな物件を購入できるとラッキーです。
印紙代(印紙税)
印紙税とは、一定額以上の契約書や領収書といった文書にかかる税金です。
不動産購入やローンの契約書、領収書には、その記載金額などに応じて印紙税がかかります。
税額はその文書に記載された金額によって異なります。
記載金額が10万円を超える不動産売買契約書、100万円を超える工事請負契約書では、以下のような軽減税率が適用されます。
記載金額 | 不動産売買契約書 | 工事請負契約書 | 金銭消費賃借契約書 (ローン借用書) |
100万円超200万円以下 | 1,000円 | 200円 | 2,000円 |
200万円超300万円以下 | 500円 | ||
300万円超500万円以下 | 1,000円 | ||
500万円超1000万円以下 | 5,000円 | 5,000円 | 1万円 |
1000万円超5000万円以下 | 1万円 | 1万円 | 2万円 |
(注記:令和3年8月1日の法令・通達等に基づいて作成しています。)
通常は、金額分の収入印紙を文書に貼り付けることで納付します。
収入印紙は郵便局などで購入できます。
金消契約と決済の際にそれぞれ誰が準備しておくかを確認しておきましょう。
(私の場合、確認せずに買っておくと仲介業者の方も準備していました・・・。)
登録免許税
登記とは、自分の持ち物であることを第三者に対して客観的に証明できるようにするための手続きです。
登録免許税は登記を行うときにかかる税金です。
税額は以下のようになります。
- 建物:固定資産税評価額×2.0%
- 土地:固定資産税評価額×1.5%
固定資産税評価額とは、土地の場合は実際に売買される価格(実勢価格)の約7割です。
土地の値段についてはこちらの記事で解説しています▼
また、中古の建物は再建築価格の5~7割、新築時は請負金額の5~6割が固定資産税評価額になります。
例えば、1,000万円で売買された区分マンションの固定資産税評価額が700万円だとします。
その内訳が土地が400万円、建物が300万円だった場合の登録免許税は以下のようになります。
- 土地:400万円×1.5%=6万円
- 建物:300万円×2.0%=6万円 合計12万円
さらに、ローンで物件を購入し抵当権を設定する場合は借入金額×0.4%の登録免許税が必要となります。
登記手数料
この登録免許税に加え、登記をしてもらうのに司法書士に支払う手数料が必要になります。
登記は自分ですることもできるため、時間のある人はチャレンジしてみて下さい。
自分で登記する方法はこちらの記事で解説しています▼
司法書士に払う手数料は5万円〜10万円前後ですが、司法書士によって報酬に開きがあります。
不動産仲介業者に司法書士を紹介してもらうと中間マージンをのせられていることもあります。
値段は決められているものではないため、自分で何人かの司法書士に連絡をとったほうが安く済みます。
司法書士の探し方はこちらの記事に書いています▼
固定資産税・都市計画税(日割り)
不動産には、固定資産税と都市計画税という税金がかかります。
毎年1月1日に土地や家屋の固定資産を所有している人に市町村が課す税金です。
これらの税金は、1月1日時点の所有者が1年間分の納税義務者となります。
しかし、本来は不動産を購入した人が購入日から12月31日までの税金を負担すべきです。
そのため、日割り計算で買主の負担分を売主に支払い、売主が納税します。
税額は、市区町村により多少異なりますが、標準で以下のようになります。
- 固定資産税:固定資産税評価額✖️1.4%
- 都市計画税:固定資産税評価額✖️0.3%
不動産取得税
不動産取得税のやっかいなところは、購入した後、忘れた頃に支払いがやってくるという点です。
購入のときに一緒に払う税金ではなく、取得してから半年後くらいを目安に、納付書が届いて支払います。
税額は、固定資産税評価額の3%です。
また、土地に関しては固定資産税評価額の半額の3%になります。
不動産取得税=(土地の固定資産税評価額)×1/2×3% + (土地の固定資産税評価額)×3%
例えば、1,000万円で売買された区分マンションの固定資産税評価額が700万円だとします。
その内訳が土地が400万円、建物が300万円だった場合の不動産取得税は以下のようになります。
土地:400万円×1/2×3%=6万円
建物:300万円×3%=9万円 合計15万円
火災保険料などの保険料
火災保険は10年で2万円程度、地震保険は5年で2万円程度です。
最初の加入時に一括で支払うか、1年ごとに支払うかを選べますが、一括で支払うほうが安くなります。
また、不動産会社に紹介してもらう火災保険は中間マージンが上乗せされていることもあるため、自分でネットで比較して火災保険を選ぶと費用を抑えることもできます。
保険には様々な特約(オプション)がありますが、不動産投資に関連した特約についてはこちらの記事で解説しています▼
まとめ
この記事では不動産の取得時にかかる7つの諸経費について解説しました。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登録免許税
- 登記手数料
- 固定資産税(日割り)
- 不動産取得税
- 火災保険料などの保険料
このうち節約できるのは、4の登記手数料と7の保険料です。
不動産会社から勧められるままではなく、自分で司法書士を探す、火災保険は相見積もりをするなどして節約しましょう。
また、ローンを組む場合は別途諸経費が必要になりますが、詳しくはこちらの記事で解説しています▼
「え〜こんなにかかるの?」と驚くことがないように、事前に必要費用を知っておきましょう。