満室経営の決め手は、管理会社です。
どんなによい物件を手に入れても、管理会社が悪ければ満室にすることができません。
そのため、よい物件探しと同じくらい注力したいのが「よい管理会社探し」です。
この記事では、不動産投資の管理会社の選び方や探し方について解説します。
よい管理会社の条件
管理会社の二大業務は「管理」と「客付」です。
「管理」とは、
- 入居者の家賃回収
- エアコンや水道の故障などのクレーム対応、修理の手配
- 清掃の代行
- 電気・水道代の支払い代行
など、日々の管理業務のことです。
一般に月額家賃の5%程度の管理委託料を支払うことで、管理業務を担ってくれます。
管理に強い会社は、入居契約の状況次第の仲介料に頼るより、管理している物件から少額だけれども確実に入ってくる管理料でコツコツ稼ぎます。
地域によっては「更新料」というボーナスももらえます。(首都圏では2年ごとに家賃1か月相当分)。
もう1つの「客付」とは、空室時に入居者を募集する業務です。
ウェブに掲載したり、お客さんの現地案内をしてくれます。
こちらは基本的に成果報酬で、入居者と賃貸契約を結ぶことができれば、家賃の1か月分や広告宣伝費などを支払います。
手間のかかる管理でチビチビ稼ぐよりも、少ない手間で大きく稼ぐ「手数料ビジネス」です。
多くの管理会社ではこの2つの業務を行なっています。
よい管理会社の要素は以下の表の通りです。
客付の要素←ーーーーーーーーーーーーーーーー→管理の要素 | ||
客付募集が上手 | 入居者思い | フットワークが軽い |
入居審査がしっかりしている | トラブル対応が早い | 報告・連絡・相談ができる |
営業が強い | ウェブが使える | コミュニケーション能力がある |
管理と客付は相反する性質を持つため、両方とも得意な会社は少ないのが現状です。
客付が得意な会社
客付が得意な会社は、とにかく営業一番というイメージです。
1つの沿線上に複数の支店がある地場中堅などがそれにあたります。
営業が得意な会社を見抜くには、営業の担当者に入居率について質問するのが簡単です。
営業担当が自社管理物件の入居率についてしっかりと答えることができればその会社は営業が得意な会社です。
入居率を定期的にチェックするほど営業に力を入れている証拠だからです。
特に自社管理物件の入居率が90%後半であれば、客付けにおいて優秀な管理会社だと言えます。
また、そういった会社は店舗に入ったら活気を感じることができます。
営業の人数が多く、電話や接客で店舗内に話し声が響いているからです。
客付けに強い業者はフランチャイズに加盟している店舗も多く、自社の管理物件に優先して客付けしてくれます。
しかし、仲介手数料や広告料ほしさに情報をオープンにしないことがデメリットです。

管理が得意な会社
管理が得意な会社は、フットワークが軽くサービス精神が旺盛です。
例えば、入居者から何かクレームが入ったときに、すぐに自転車で駆けつけてくれてり、アパートに立ち寄ったらゴミを拾ってくれるという業者です。
管理報酬は稼働率に連動し、空室を減らすことが管理会社の利益になるため、オーナーと利害が一致しています。
また、客付けは他社に依頼するため、募集情報をオープンにしてくれます。
一方、周辺の客付け会社との関係が良好でない場合、客付け会社が動いてくれないなどの問題が生じ、稼働率に影響してしまうことがデメリットです。
どちらのタイプがいいかは物件による
一般的に、投資家志向の人は客付けに強い管理会社、地主系の大家さんは管理に強い会社がしっくりくるようです。
(管理が強い会社は相続時の整理案件も比較的扱いが多いです。)
しかし、どちらのタイプの会社がよいかは、一概に決めることができません。
入居者のクレームにフットワークよく対応してくれる管理が得意な会社は、今住んでいる入居者の管理に時間を使うため、客付募集が手薄になります。
客付が得意な会社は営業をすることに時間を費やすため、今住んでいる入居者への対応が遅れることがあります。
1つの管理会社が、2つの業務を高い次元で両立することは困難です。
そのため、どちらがら今の自分の物件にとって必要かということを念頭に入れて管理会社を選ぶ必要があります。
例えば、空室が多い物件を購入したら、客付が得意な管理会社を選択します。
逆に満室経営の物件を購入したら、今いる人に長く住んでもらえるように管理が得意な会社を選択するといいです。
大手と中小、どちらがいいか?
管理会社はテレビCMで見るような大手の会社か、家族経営をしているような中小の会社のどちらがいいのでしょうか。
どちらを選ぶにせよ、最終的に自分の担当の人柄や仕事に対する姿勢が重要になってきます。
また、とくに地方都市ではある業者が圧倒的なシェアを持っていたり、2〜3社でエリアを牛耳っている場合もあるため、地方の商慣習や業者同士の関係性に配慮して会社を選定します。
大手は質は安定しているが高コスト
大手のメリットは、人材の豊富さです。
上場しているような大手企業の場合、有能な若手が入社するため、スタッフの質が安定します。
若い人が多いため、ウェブを使いこなし、大手ポータルサイトなどを使用できるため効率よく客付ができます。
また、管理できる範囲も広く、少し遠くの物件の管理をお願いすることもできます。
デメリットは、全てにおいてコストが高いことです。
入居者のクレームに24時間対応してくれる反面、その費用を大家が負担しなければなりません。
ちょっとした修繕なども提携している工事会社などに丸投げするため驚くほど高額になることもあります。
また、大手は入居者・大家・リフォームと全ての窓口が分かれていることも多いため、少しのクレームでも対応に時間がかかることがあります。
各担当の力関係で大家が有利になったり、入居者が有利になったり、変わってしまうこともあります。
中小は質がバラバラだが、対応は窓口がひとつ
中小の管理会社の中には、大家の立場を考えて有り難い行動をしてくれる人がいます。
- フットワークが軽い
- 問題が起きたらすぐにアパートに駆けつけ、ちょっとしたゴミ拾いなどもしてくれる
- 入居者と良好な関係を築きトラブルを未然に防ぐ
- できるだけ安いコストで修繕する→簡単な修繕なら部品代だけで自ら修繕することも
こういった人が担当になれば、賃貸経営はかなりスムーズになります。
もちろん、こういった素晴らしい人は稀ですし、イマイチな人も多いです。
しかし、少人数でやっている街の不動産屋さんの方が、窓口がひとつで対応が早いです。
管理会社の探し方
管理会社の探し方を紹介します。
物件の周辺で探す
どんなによい管理会社でも、物件までの距離が離れていると移動だけで時間がかかり管理が手薄になってしまいます。
そのため、物件の近くに最適な管理会社があるのが理想です。
あらかじめネットで不動産の仲介業者を探して電話でヒアリングをしておき、最低でも4件以上は回るようにします。
4~10件程度回ることができれば、それぞれの店内や営業の雰囲気などを比較できます。
管理会社を探すタイミング
管理会社を探すタイミングは、物件の買付を入れた後から、売買契約の前までの1~2週間の間です。
すでに満室の物件で現オーナーの管理会社に大きな問題がなければ、管理会社はそのままでもいいです。
しかし、空室が多いのに募集を行えていなかったり、入居の審査が緩く滞納などが複数発生しているなどの問題があれば管理会社は変更する場合が多いです。
管理会社探しは、物件の現地調査と同時に駅前を回って行うほうが効率的です。
また、契約前までに物件を任せられそうな管理会社にめどをつけたほうが安心して契約に臨めます。
まとめ
よい物件探しと同じくらい注力したいのが、よい管理会社探しです。
絶対頼んではいけない管理会社はこちらの記事でも解説しています。▼
また、管理会社に確認しておくことはコチラの記事で解説しています。▼
読んでいただき、ありがとうございました!