不動産投資の確定申告は青色と白色のどちらがいいの?!

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不動産投資に興味があるけど、確定申告がよくわからない!

青色か白色があるらしいけど、どっち?!と考えている人へ。

結論は、初めての不動産投資でサラリーマンで給与と損益通算して節税する!という人は白色申告でOKです。

ただ、これから規模を拡大したいと考えているひとは青色申告にチャレンジしてみてもいいと思います。

今回の記事では、不動産投資の確定申告について解説します。

青色申告の3つのメリット

青色申告にする3つのメリットを紹介します。

青色申告特別控除を受けられる

青色申告特別控除は青色申告の代表的なメリットです。

事業による所得から55万円(電子申請なら65万円)または10万円を差し引くことができます。

ただし、55万円控除は複式簿記で記帳するという条件です。

家計簿程度の帳簿では10万円となります。

また、不動産賃貸の場合、65万円控除を受けられるのは、「事業的規模」(一戸建ては5棟以上、マンション10室以上など)が条件です。

ただ、事業的規模でなくても、青色申告申請承認書を出せば10万円控除が受けられるので、黒字になる場合は青色申告がオススメです。

ただ、1年目から5棟10室を超える人は少ないと思いますし、初年度は赤字になりやすいためこのメリットを享受できる人はほとんどいないと思います。

青色事業専従者給与を必要経費にできる

不動産賃貸が事業的規模なら、事業に従事する家族への給与を全額必要経費にすることができます。

ここで家族とは、生計を共にする配偶者や親族(15歳以上)のことで、6か月超の勤務実績が必要です。

例えば奥さんに103万円(=給与所得控除65万円+基礎控除38万円)を支払えば、所得税もかかりません。

配偶者控除は使えなくなりますが、大家さんの所得が減ることになり、節税メリットは大きいです。

この制度を適用したい場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に届ける必要があります。

ただ、初年度はそこまで利益が出ないのでこれも活用できる人は少ないと思います。

純損失の繰越控除ができる

不動産所得の赤字が損益通算してもまだ残る場合、翌年以降最長3年間の所得(黒字)と相殺できます。

白色申告では、損益通算後に残った赤字分はなかったことになります。

ただ、本業がある人は全体ではプラスになるはずなので、赤字を繰り越せる人は限られると思います。

赤字なら白色申告でもOK

青色申告の一番大きなメリットは65万円の特別控除ですが、赤字の場合、この特典は使えません。

黒字の場合でも、事業所得が65万円を超えず40万円なら、特別控除は65万円ではなく40万円になります。

不動産投資は、特に1年目は必要経費を積み上げやすく、基本は赤字になります。

給与所得がある人は損を繰り越したりもしないため、青色申告を選ぶ必要はありません。

いつか投資規模を拡大して、たくさん利益が出たときに青色申告を検討してもいいです。

勉強のために青色申告してみても

今は赤字でも、規模拡大を目指すなら勉強のために青色申告をしてみてもいいと思います。

青色申告を行うには税務署に申請が必要です。

青色申告を始めたい年の3月15日までに、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出します。

詳しくはこちらの記事で解説しています。▼

新規開業なら、賃貸を始めた日から2ヶ月以内でも、その年から青色申告が適用されます。

申請の期日に遅れると、その年は青色申告によるメリットを受けられません。

また、「開業届出書」と同時に提出すれば手間が少なくて済みます。

開業届についてはこちらの記事で解説しています。▼

帳簿の基礎知識

帳簿」とはお金の流れを記録した会計簿のことです。

確定申告で税務署に提出する必要はありませんが、保存しておかなければいけません。

白色申告であっても、帳簿をつけることが義務づけられています。

家計簿程度の簡単なものでかまいません。

ただし、レシートや領収書などで内容を確認できることが必要です。

私は封筒に領収書などは封筒に入れてまとめています。

帳簿は会計ソフトを活用すると便利

青色申告の帳簿(複式簿記、簡易簿記)作成には、会計ソフトが便利です。

計算ミスがなく修正も簡単で、複数の帳簿を自動的に連動させることもできます。

65万円控除で必要になる複式簿記も、特に専門知識がなくても実践可能です。

帳簿で使う勘定科目

勘定科目は、帳簿に取引などを記入する際のグループ分けの名称です。

帳簿に記入する内容を勘定科目で区分することで、どんな支出が多くなっているかなどがひと目でわかります。

不動産賃貸で使用する主な勘定科目(必要経費)は以下の通りです。

  • 租税公課:事業にかかわる税金
  • 損害保険料:賃貸する建物の火災保険料など
  • 修繕費:賃貸する建物の修繕費用
  • 借入金利子:賃貸不動産購入のローン返済の利子
  • 減価償却費:建物の購入などを毎年少しずつ経費とする
  • 消耗品費:文房具や掃除用具など
  • 水道光熱費:共用部分の電気代、水道代

申告書類や帳簿には保存義務がある

作成した帳簿は、7年間保存することが法律で義務づけられています。

その他、青色申告なら決算書類や事業にかかわる書類も7年間保存します。(一部は5年間)*。

白色申告では帳簿以外の事業関連書類は5年間の保存です。

また、保存は原則として紙で行います。(パソコンで作成したものも印刷する)

*領収書、預貯金通帳、請求書など→7年。請求書の控え、見積書、契約書、注文書など→5年。

不動産所得の確定申告

不動産所得の確定申告について解説します。

不動産所得用の書類に記入する

不動産所得がある人は、1年間の収支をまとめて、確定申告を行います。

このとき、白色申告の場合は収支内訳書、青色申告の場合は青色申告決算書を作成します。

いずれも「一般用」ではなく「不動産所得用」の書式を使います。

申告書作成前には、1年間の帳簿にミスやもれがないか確認しておきましょう。

「還付申告」は期日前でもOK

サラリーマンが不動産所得で赤字となった場合、確定申告をすると源泉徴収された税金を戻してもらえます。

税金を戻してもらう確定申告のことを「還付申告」といいます。

確定申告の時期は、土日などにかからなければ、毎年2月16日から3月15日までの間と決まっています。

ただし、税金を戻してもらう「還付申告」の場合は、1月の仕事始めのときから受け付けてもらえます。

1月始めに確定申告書を提出すれば、税務署の処理も早く行われ、月末には還付された税金が指定の銀行口座に入金されます。

反対に、締め切り間際の駆け込み申告だと、入金されるまでに1ヶ月半以上かかり、5月になることもあります。

添付された書類が不備でも、申告書は到着した日付で受理されるため、早めに済ませたほうがいいでしょう。

まとめ

今回の記事では不動産所得の確定申告について解説しました。

一度にすべて理解するのは難しいですが、実践しながら学んでいきましょう!

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