不動産には積算価格、収益価格、比準価格の3つの価格があります。
指値の根拠とできるため、それぞれの求め方を知っておきましょう。
この記事では、不動産の3つの価格について紹介します。
積算価格
「積算価格」とは、土地の価格に建物の価格を足したものです。
融資の際、銀行の評価は積算価格で求めるケースが多いです。
区分マンション以外の不動産の価格を求めるときに使われます。
積算価格の求め方はこちらの記事で解説しています。▼
積算価格が大きくなりやすい2つのパターン
積算価格が収益価格より大きくなりやすい物件は以下の具体例があります。
- 都心のファミリータイプマンション
- 敷地が広くて低層の建物
平米単価あたりの賃料が低い場合や、建物よりも土地の割合が多い物件が当てはまります。
融資のポイントは「積算価格」
担保価値を評価する方法は金融機関によって違いがあり、次の3通りです。
- 積算価格を重視する
- 収益価格を重視する
- 積算価格・収益価格どちらも見る
多くの金融機関が重視しているのは「積算価格」です。
収益価格よりも積算価格の方が低く出ることが多いためです。
収益価格
「収益価格」とは、不動産の収益性に着目して求める価格のことで、利回りから求めることができます。
収益価格の求め方
収益価格は、実質利回りから算出されますが、実際に物件を運用してみないとわかりません。
そこで、金利が6%まで上昇したときにキャッシュフローがマイナスにならないかを分析するという方法で計算してみましょう。
純収益(NOI)ー金利6%のローン返済額>0
- 借入期間は「耐用年数ー経過年数」とする
- 「借入金額=収益価値=購入価格」とする
- 「純収益(NOI)=満室想定賃料✖️0.8(空室20%)✖️0.8(経費20%)」とする
収益価格が高くなるのは容積率いっぱいのワンルームマンション
積算価格よりも収益価格が高くなる物件は次のような物件があてはまります。
- 敷地が狭く
- 容積率いっぱいに建てた
- ワンルームタイプのマンション
建物の割合が土地に対して非常に高くなる傾向があります。
また、部屋の間取りがワンルームタイプにあるち賃料単価がファミリータイプに比べて高くなるため、建物から得られるキャッシュ・フローは高額になります。

比準価格
「比準価格」とは、同じような不動産と比較して求める方法です。
区分マンションの価格を求めるときに使われます。
同じマンション内で売りに出されていなければ、築年数や間取りが似た事例になるマンションの価格と比較します。
実際に契約になった価格(成約価格)はレインズマーケットインフォメーションで調べることができます。
また、会員登録する必要がありますが、マンションナビやマンションレビューなどのマンション情報サイトで確認することもできます。

買付価格の決め方
具体的な買付額の決め方を紹介します。
アパートは「積算価格」「収益価格」の低い方
一棟マンションやアパートの場合、「積算価格」「収益価格」の低い方で指値をします。
具体的な根拠を示すため、売主も納得しやすくなります。

区分マンションは利回りと「比準価格」
区分マンションは、まずは立地と築年数から欲しい利回りを決めます。
マンション情報サイトなどから得た「比準価格」を参考にして、少し低い価格で買付金額を決めましょう。

戸建ては「積算価格」とリフォーム費用
戸建ての場合は、築22年以上になると建物の積算価格は出ませんが、土地の路線価は必ずチェックします。
収益価格のバランスも見ますが、重要なのがリフォーム費用です。
リフォーム費用をざっくりと計算して、その代金を差し引いた妥当な価格で判断します。

まとめ
不動産を購入する前に、不動産の価格を自分でざっくりと求められるようになっておきましょう。
買付価格を、合理的に決められるようにして、後悔のないように、日頃からたくさんの不動産の価格を計算しておくことが重要です。
読んでいただきありがとうございました。