「レントロール」とは、マンションやアパートを一棟買いする際、その物件の賃貸借条件が一覧できる書類のことです。
「家賃明細書」とも言われます。
各戸ごとに、どんな人がいくらの家賃で入居しているかなどが記載されています。

ポータルサイトで収益物件を調べても、レントロールは入手できません。
不動産業者に「レントロールが見たい」と伝えるとメールに添付してくれます。
レントロールのチェックポイントは「日付」「入居偽装」「現家賃」「募集家賃」です。
それぞれ解説します。
日付が古い情報でないか
入手したレントロールが最新のものであることを確認します。
現状わからない古いレントロールで検討しても意味がありません。
長い間売れ残っている物件の場合、不動産業者から送られてくるレントロールが半年〜1年前のものかもしれません。
「入居偽装」はないか
レントロールは売主から提供される資料や情報をもとに不動産業者が作成します。
その際、稼働率をあげようと売主が「入居偽装工作」をすることがあります。
稼働率が高いほど買主の目に留まりやすく、融資もつきやすいため、売却しやすくなるためです。
以下のような場合は「入居偽装工作」で、すぐに退去する可能性が高いです。
- 管理会社経由でなくオーナーとの直接契約になっている
- 賃貸借契約が直近
- 家賃が相場より高い
特に同じ時期に入居が続いているときや、2〜3月の繁忙期でもないときに一斉に入居するなど、偏っている場合は注意が必要です。
賃貸借契約書を入手して契約締結日を確認し、直近になっていないか確認しましょう。
売主が家賃を無料にして
- 親戚や知り合い
- 関連会社の人間や従業員
などに入居してもらっているパターンもあります。
オーナーと同性の入居者がいないかどうか、関連の人間がいないかを確認しましょう。
また、多額の広告費を使ったり、フリーレント(※)をしてとりあえず埋めた物件もあります。
(※)フリーレント:入居後の一定期間の家賃を無料にすること
既存入居者の家賃が割高になっていないか
中古物件の場合、各戸の家賃にバラツキがあります。
最近の入居者の家賃や空室の募集家賃と、長期入居者の割高な家賃が大きくて乖離していることがあります。
割高な家賃は現行防臭家賃の水準に引き直して収支計算をしていく必要があります。
長期入居者が退去したとき、室内はボロボロでリフォーム費は通常の倍かかり、家賃が大きく下がる可能性があるためです。
空室の「募集家賃」が適正か
売主は物件を少しでも高く売りたいので、空室の募集家賃を相場より高く設定していることがあります。
原則として同じタイプの部屋で直近に契約がされている家賃と同額で計算します。
レントロールでそうなっていない場合は、なぜこの賃料で入居が決まると想定しているのかを業者に確認しましょう。
グレードアップ工事をしているなどの特別な理由があれば、それを考慮します。
まとめ
レントロールの4つのチェックポイントは「日付」「入居偽装」「現家賃」「募集家賃」です。
問題のある物件の購入を避けるために、レントロールはしっかり確認しましょう。
なお、一番怖い「滞納」はレントロールからではわかりません。
売主も都合が悪いことは隠そうとするのでわかりにくいですが、仲介会社経由で確認するようにしましょう。
読んで頂きありがとうございました。