コインパーキングの運営形態は運営を委託(サブリース)する「一括借り上げ方式」か「自主運営方式」です。
「一括借り上げ方式」はラクだけど儲からない
土地のオーナーとコインパーキングの業者が「一時使用賃貸契約」を結び、オーナーから土地を借り上げて業者が運営します。
有名な運営会社として「タイムズ24」や「三井のリパーク」などが挙げられます。
運営会社はオーナーに毎月の賃料を支払います。
機器類の購入や設置も保守管理業務も運営会社が行うため、オーナーは手間がかかりません。
始めはどの会社も高い値段を提示する
始めはどの会社も比較的にいい値段を提示します。
大きな看板でパーキング名を宣伝する効果もあるためです。
特に新しく進出するエリアには、他社よりも先に自社の名前をアピールしたいからです。

徐々に賃料は下がっていく
契約書には「採算が合わない状況になった場合は賃料は下がる可能性があります」と書いてあります。
運営会社が最初に提示する賃料は高額であるため、徐々に賃料は下がっていきます。
契約して半年で少し下がり、さらにもう数ヶ月したら下がり、というように賃料ダウンの提示が何度も繰り返されることもあるようです。
1年半で最初に提示された額の半分になってしまうこともあります。
契約期間は2〜3年ですが、満了後に新たな契約を結び直しても賃料が高くなることはほぼ見込めません。

努力次第で利益が上がる「自主管理」
自主管理では、自分で機器類や設備を調達し、アスファルトを敷いたり機械の設置などの工事を手配します。
自分で料金設定をして、コインパーキングの看板を手配し、保守管理会社を決めて契約します。
駐車場のレイアウト、料金設定などの工夫など、努力次第で売上をアップできます。
保守と管理のみ地元の業者に委託する
保守管理は緊急トラブルに対応してくれるため、業者に委託しましょう。
すぐに出動できる地元の会社がベターです。
近所にあるコインパーキングの問い合わせ先などをチェックし、自分で電話をかけてみてもいいでしょう。
もちろん、機器を購入またはレンタルする会社にお願いすることもできます。

緊急時の電話が保守管理会社につながる
看板に掲載する緊急時のコールセンターの電話番号が保守管理会社に繋がります。
「フラップが下がらない」という場合はコールセンターのPCから遠隔操作で下げることができます。
「お釣りが出ない」という場合は係員が緊急出動して釣り銭を渡し、翌月の保守管理費に上乗せ請求して精算します。
「領収書が出ない」という連絡のときは係員が出動して紙を入れ替えてくれます。
夜間パトロールや機器の定期点検、集金作業もサービスに含まれることが多いです。

保守管理会社の料金は5〜10%
保守管理業務の料金は業者との交渉次第ですが相場としては賃料の5~10%程度です。
1台当たり月3500円などという契約もありますが、台数が多い場合は上限の値段があってまとめていくらという割安の契約になることもあります。
会社によっては、清掃と集金は1回いくら、保守点検は1台いくらというように別料金やオプション料金ということもあります。
いろいろな会社で見積もりを取りましょう。

清掃や集金業務はシルバー人材センターに依頼もできる
集金や清掃は自分で行うこともできます。
集金や掃除のついでに現場をチェックすることで、料金設定の工夫などを講じることができます。
清掃については冬は雪かきは必要になることもありますし、夏場はアスファルトのすき間の雑草抜きも必要です。
また、清掃や集金業務はシルバー人材センターにお願いすることもできます。
管理業務に委託するよりも料金が安いです。
リタイア後に登録している方が多く、仕事を丁寧にしてくれます。
「すべてお任せ」「集金だけ自分で」など、パターンによって料金が違いますので、その費用も見積もりましょう。

データを分析して料金チェンジで売り上げアップ
保守管理会社は、売り上げのデータを管理し、「月報」を送ってくれます。
A車室は回転率がいいけど、端っこのD車室は人気がない、というような車室個別のデータをもらえます。
ほかにもコールセンターに電話すれば日別、週別、月別での売り上げデータももらえます。
「平日よりも休日の方が稼働している」「20時くらいから入庫して最大料金で停まっている車が週に○台ある」といったこともわかります。
データを元に平日と休日の料金を変えたり、入れにくい車室の値段を下げたり、夜間料金をアップしたりという設定の変更を試すことができます。

戦略的な料金設定
値段設定は、高くすると入庫が少なく、安いと売上が伸びません。
コインパーキングの料金設定は工事の前に決めておきますが、運営開始後でも簡単に設定が変えられます。
最大料金は周囲のパーキングに合わせる
「1日最大1000円」など、長時間利用の場合の上限を設定していることも多いです。
分刻みの設定を細かく見なくても、最大料金の安さほうに引き寄せられるためです。
短い時間で用事を済ませて戻ってくるという確信がある場合は別ですが、長引くかもしれないと思うと、「どんなに遅くても1000円だし」と考えるわけです。
近隣のパーキングより値段を下げると、すぐに同じように値段を下げられて、値下げ合戦になってしまいます。
最大料金をお得な値段設定にして目を引きやすくしたいですが、相手もその競争に乗るとお互いに損です。
最大料金は周りに歩調を合わせ、細かい値段設定に関しては自分なりの工夫をしましょう。

料金表示は誤解を招かないようにする
コインパーキングの最大料金にまつわるトラブルが増えています。
- 「1日最大500円と書いてあったのに、3日停めたら5000円も請求された」
- 「入庫当日最大500円のところに1日停めたら7000円も請求された」
といったトラブル、クレームです。
原因は、お得な料金はすべて条件付きで、注意書きがすごく小さな文字や分かりにくい書き方で書いてあることです。
たとえば、
- 最大料金は平日限定
- 1日というのは24時間ではなく停めた日の深夜12時まで
- 入庫当日だけお得で、翌日からは高い料金設定
になっていたという具合です。
お得な点を大きくアピールしたいところですが、誤解を招かないよう、利用者に分かりやすい表示を心がけましょう。

商業地では回転率の高さに注目
「15分100円」などと時間を細かく区切るよりも、「30分200円」としたほうが儲かります。
同じ15分だけ停めたとしても、倍の儲けがあるためです。
商業地でのお客さんは仕事で利用の人が多いです。
経費で落とせることが多いため、100円単位の大小はさほど気にしないようです。

住宅地ではお得感を出してリピーターを増やす
住宅地は長時間停める人が多いため、お得感がないと避けられてしまいます。
利用者の立場になって考えるようにしましょう。
たとえば、20時台の入庫が多ければ、20時から夜間料金を設定した方が親切です。
利用しやすい環境にして、常連になってもらうようにしましょう。
周辺の月極駐車場の料金を調査し、月極駐車場よりお得だと思われるような料金設定にしましょう。

オープニングセールで認知度を上げる
コインパーキングは認知されるまでに時間がかかります。
また、どのコインパーキングにも常連さんがいて、そういう人は初めてのところではなく、いつものところに停めたくなるものです。
そのため、最初の1か月間は「オープニングセール」としてアピールするのも一案です。
その場合は「期間限定」であることを強調して、近隣のコインパーキングと値下げ合戦にならないようにしましょう。

住宅街ならポスティングも有効
住宅街でのオープンであれば新規オープンのチラシを近隣の住宅やマンションにポスティングすることも有効です。
コインパーキングは前を通らない限り存在が分からないためです。
一度利用してもらえば安心感が生まれて、リピーターになる確率が高くなります。

まとめ
コインパーキング経営は、借り上げ業者に全て丸投げするとオーナーは儲かりません。
保守管理だけ委託して、自主管理にチャレンジしてみましょう!
月極駐車場が埋まらないときの対策はこちらの記事で紹介しています。▼
読んで頂きありがとうございました!