アパートや一棟マンションのメリットは、なんといっても規模拡大のスピードが速いことです。
ただし、失敗すると多大な損失になります。
この記事では、アパート投資のメリット・デメリットについて解説します。
アパート投資のメリット3つ
アパートや一棟マンションのメリットは3つです。
短期に規模を拡大できる
アパートや一棟マンションなどの、いわゆる「一棟もの」は、1棟買うと複数の戸数をいっぺんに所有することができます。
ひとつひとつ購入していく区分マンションや戸建てに比べると、規模を拡大できるスピードが断然早いです。
一棟に複数戸あるため、空室リスクを分散できる
ひと部屋空室になっても、ほかの部屋から賃料が入ってくるため、空室リスクを分散できます。
戸建てや区分マンションの場合、空室になるとその物件については空室率100%になってしまいます。
しかし、1棟に10室あるアパートなら、1室空室が出ても空室率は10%です。
これは融資の観点からもメリットになります。
個数の多いアパートは空室リスクが低く、金融機関から見ても融資しやすくなります。
修繕計画を自分でたてられる
区分マンションは毎月修繕積立金を支払い、管理組合を通じて管理会社がすべてお膳立てしてくれます。
リフォーム会社も子会社や付き合いのある業者に発注するため、どうしても割高になってしまいます。
その点、一棟ものはすべて自分の裁量で決めることができます。
大規模修繕計画を売上が多い年に実施するなど、自分で計画を立てることで税金をコントロールすることができます。
また、外壁塗装などの修繕を依頼する会社を自分で選ぶことができます。
相見積もりをとるなど、工夫次第でリフォーム費用を安く抑えることも可能です。
建物の名称や日常の清掃など、多くのことをオーナーの裁量で決めることができます。
アパートの名称についてはこちらの記事でも解説しています。▼
アパート投資のデメリット4つ
アパートや1棟マンションのデメリットは3つです。
場所の選定を間違えると空室リスクが高まる
1棟に複数戸あるため、場所の選定を間違えると空室が何室も出てしまいます。
空室対策を施してやっと満室になったと思ったら、違う部屋がまた解約になる・・・といった、いたちごっこのように空室と入居を繰り返すこともあります。
退去するたびにリフォーム費用と賃貸仲介業者へのAD(広告料)が発生し、まったく利益が出ないということもあります。
特に単身者向けのアパートは退去までのサイクルが2~4年とはやく、ライバルが多く競争が激しいです。
ただでさえアパートは供給過多であるのに、相続税対策などで新築アパートが増え続けています。
これからアパート投資に参入する人は、戸建て賃貸と比べてかなりの経営努力が必要になるでしょう。
入居者募集の工夫についてはこちらの記事でも解説しています。▼
規模が大きいため、失敗したときの損失が大きい
1棟2戸など、小さなアパートもありますが、1Kだと6〜10戸、ファミリー向けだと4〜6戸が一般的です。
売買金額が大きくなるため、銀行からの借り入れは数千万円から1億円を超える場合もあります。
戸建てや300万円程度の区分マンションだと1戸失敗しても大きな損失にはなりません。
しかし、規模の大きなアパートだと失敗したときの金額が桁違いに大きくなり、多大な損失を被ることになりかねません。
また、物件価格が高いため流動性が低く、すぐに売却しにくい傾向にあります。
修繕積立金を自分でプールしておかなければいけない
一棟のオーナーなので、建物管理の全責任を負うことになります。
そのため、外壁塗装や屋上防水などの修繕金を自分でプールしておかなければいけません。
2011年の国土交通省のガイドラインでは、15階未満、延床5000㎡未満のマンションは平均218円/㎡・月が修繕積立金として必要とされています。
自殺などが発生すると1棟全体に被害が及ぶことも
1棟まるごと所有しているため、もしその中の1室で自殺や他殺、事故、事件が発生すると、ほかの部屋にも影響がおよぶことがあります。
建て替えを視野に入れた古いアパートならまだしも、新築や築浅のアパートだと打撃は大きく、ローンの返済もままならなくなります。
ただし火災保険の特約をつけるなどして、ある程度のリスクをカバーすることはできます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。▼
アパート・一棟マンションと相性がいい人
1棟ものは、良くも悪くも規模が大きいため、規模を早く拡大したい人にあっています。
ただし総額が大きくなるため、比例して大きな金額の融資を利用することになります。
したがってそれだけ大きな額を借りられる人、自己資金が多い人でないと1棟ものの購入は難しいです。
地方の物件で総額が小さなアパートもあるため、あきらめずに探すことが重要です。
アパートはいろいろと工夫することでコスト削減が可能です。
本格的に取り組みたい人、早くに専業大家として独立したい人は検討に入れましょう。
まとめ
アパートや一棟ものへの投資は初心者には少しハードルが高いです。
初めての不動産投資は「区分マンション」や「戸建て」に投資することをオススメします。