【表面利回りと実質利回り】初心者はどれくらいを目指すの?

不動産投資初心者が狙う利回りは12%です。

ここでいう利回りは表面利回りのことです。

実質利回りにすると7~9%が目安です。

この記事では、表面利回り・実質利回りの解説と初心者が利回り12%を狙う理由を解説します!

利回りとは?「表面利回り」と「実質利回り」

表面利回りグロス利回り)」というのは、「年間の満室想定の家賃収入」を「物件価格」で割った利回りです。

それに対して、「実質利回りネット利回り)」はかかる経費を計算式に加えます。

年間家賃収入から管理費や修繕積立金、固定資産税などの経費を引いた収益を諸経費を含めた物件の購入費用で割ったものです。

表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100
実質利回り=(年間家賃収入ー年間の諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

計算は表面利回りのほうが簡単なので、購入するときの判断基準として一般的に「利回り○%」と言われているのはたいてい表面利回りのことです。

利回りが高ければ、そのぶんリスクや手間が大きくなります。

世間には利回り20%超えで運用しているという大家さんもいますが、そのぶんリフォームの知識が豊富だったり、手間やリスクを取っています。

かといって、都心の資産性が高い物件や新築の物件は初心者にはハードルが高く、利回りも低いため手残りが少なくなってしまいます。

初めての投資物件は収支が読みやすい区分マンションがオススメです。

ここからは区分マンションに的をしぼります。

実質利回りは表面利回りより2〜4%低くなる

実際に物件を購入して運用してみたら思ったより手取り収入が少なかった、となることはよくあります。

不動産投資にはさまざまな経費が必要になるため、実質利回りは表面利回りより2~4%低くなります。

区分マンションで考えた場合、次のような経費がかかります。

  • 固定資産税と都市計画税
  • 管理費:マンション全体にかかる費用
  • 管理費(PMフィー):クレーム対応などのために不動産会社に払う手数料
  • 修繕積立金
  • 火災保険料や地震保険料

管理費や修繕積立金についてはこちらの記事で解説しています▼

また、このほかにも考えておかなければいならない経費として

  • 空室に備える費用
  • クリーニング費用+修繕費

があります。

空室リスクや修繕費は毎年発生するものではなく、1年で出てしまう入居者もいる一方で20年以上住み続ける入居者もいるので、これらの経費は流動的です。

平均的に3~4年で退去していくとすると、こういった経費を引いて、空室になっても賃貸経営をするうえで成り立つ目安の表面利回りが12%です。

表面利回り12%以上の物件はなかなかない

まずは実際にどんな物件があるのか調べてみましょう。

楽待で検索条件を絞り込む

実際に表面利回り12%以上の物件を探してみましょう。

楽待」というサイトで、以下のように検索条件を絞り込みます。

  • 区分マンション
  • 〇〇県
  • 〇〇万円以下
  • 利回り12%以上
  • RC造・SRC造

また、マンションは1981年に耐震基準が大きく改正されて「新耐震基準」になりました。

そのため、1981年以降に建てられたマンションかどうかで、物件の価格や人気度が違ってきます。

古いマンションでも入居者は気にしないかもしれませんが、転売に困ることになります。

また、建て替えの問題をクリアするために築年数は安全に「30年以内」にしぼります。

条件を満たす不動産は少ない

「利回り12%以上」の物件で絞り込むと、かなり少なくなると思います。

残った物件は、賃貸の需要が少ないか供給の多い場所であることも多いです。

ちなみに、見える賃貸経営というサイトで空室率や賃貸需要を検索することができます。

そもそも、ポータルサイトに残っている物件は相場よりも高い物件であることが多いです。

相場より高くない物件を探す

成約価格は、ポータルサイトの金額とは異なることが多いです。

平均8%の値下げをして成約されているからです。

レインズマーケットインフォメーションでは、実際に成約された価格を調べることができます。

相場より高い物件であれば、値引き交渉(指値)できる可能性が高くなります。

また、売主の事情によっても、指値できる幅は変わってきます。

大幅な指値が難しいパターン(これが多い)

売主が売りたい事情はすべて「資産整理」です。

  1. 特別に資金が必要というわけではないが、この値段で買ってくれる人がいるなら売ってもいい
  2. 築年数が古くなってきらので売却し、そのお金で築年数が新しいものを購入したい

このパターンで指値をするのは厳しいです。

大幅に指値ができる可能性があるパターン(珍しい)

  1. 高齢になってきて、家賃の管理や確定申告が面倒なので手放したい
  2. 相続したけれど、早く売却して相続税の支払いに当てたい
  3. 経営している会社の資金繰りが悪くなったので手放したい
  4. お金のやりくりがうまくいかず、固定資産税なども滞納するようになったので手放したい
  5. 離婚住み替えなどで早く手放したい

このような理由は買主が主導で交渉を進められることもできます。

こんな物件に出会えたら幸運です。

利回り=リスク

利回りはリスクと同じ意味です。

リスクが高い不動産は利回りが高く、リスクが低い不動産は利回りが低くなります。

ここでいうリスクは「危険度」とい意味でとらえましょう。

利回りには、以下の表のように5つの種類があります。

種類 利回りの高さ
場所 都心<地方
構造 RC造<重量鉄骨造<軽量鉄骨造<木造
築年数 新築<築古
間取り 3LDK<2LDK<1K
空室の多さ 空室が少ない<空室が多い

間取りによる利回りは、占有面積が小さいほど利回りが高くなります。

戦略:経費を少なくする

表面利回りが高い物件を購入するのは難しいですが、経費を少なくして実質利回りを大きくする戦略もあります。

戦略をいくつか紹介します。

  1. 現金一括で購入
  2. 手間をかける(自主管理するなど)
  3. リスクをとる

現金一括で購入

そもそもローンを組まなければ、金利や手数料などの経費を抑えることができます。

また、売主は現金一括で購入できる人を優先するため、他のライバルより有利になります。

手間をかける

手間をかけるというのは、自主管理をしたり、自分でリフォームするなどして、手間で経費を抑えることです。

楽待などの投資家用ポータルサイトで物件を探すのではなく、アットホームなどのサイトで投資家ではない人から物件を購入し、自分でリフォームして貸し出します。

分離発注や施主支給をして、なるべくお金をかけずにリフォームすることがポイントです。

リスクをとる

リスクをとるといっても、そもそも入居者がつきそうにない物件を購入するのはオススメできません。

入居者はつくけど、売却は難しそうな築古物件などが該当します。

建替えや地震などのリスクが大きい分、高い利回りを目指せます。

まとめ

初心者が目指す表面利回りは12%です。

実質利回りは7~9%くらいになります。

しかし、なかなかそのような物件は少ないです。

大幅な指値ができる物件を探し続けるか、経費を少なくする(手間やリスクをとる)努力が必要です。

行動を起こすためにも、まずは知識を身に着けていきましょう!

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