不動産投資は、手間もかからず手堅い投資法だと宣伝されることもあります。
しかし、決して甘いものではありません!
今回の記事では、不動産投資のリスクとその対策法について解説します!
最大のリスク:空室
不動産投資の最大のリスクが、空室リスクです。
対策としては、必ず入居者がつくと確信がもてる物件を購入することです。
- 周辺環境の利便性が高い(駅・バス停・コンビニ・スーパー・学校など)
- 他の賃貸物件が少ない(ライバルが少ない)
- 嫌悪施設が近くにない
- 使いにくい間取りでない
など、物件の周辺環境や賃貸需要などをよく調べたうえで購入することが大切です。
近くの賃貸物件の数や家賃については、必ずSUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトで調べるようにしましょう。
また、初めての物件はある程度土地勘のある場所で購入するのがオススメです。
家賃滞納リスク
大家にとって空室よりもやっかいなのは「家賃滞納」です。
家賃保証会社に加入してもらう
入居者には必ず、家賃保証会社へ加入してもらうようにします。
万が一入居者が家賃を滞納しても、保証会社が家賃の支払いを保証してくれます。
家賃保証会社は入居者が手数料を支払うため、大家に負担がないのが魅力です。
自主管理する場合は、自分で家賃保証会社を探さなくてはいけません。
私はCasa(カーサ)という家賃保証会社を選びました。
そもそも変な物件を貸さない
そもそも変な物件には変な入居者がきます。
入居者は大家をうつす鏡のようなもので、適当にリフォームした物件には適当な入居者がくるものです。
きちんとした入居者に住んでもらいたければ、そのぶんきちんとリフォームした物件を貸し出すようにします。
建物の老朽化・修繕リスク
修繕費についてしっかりと見積もっておくことが大切です。
建物や住宅設備に関する知識を身に着けておく必要があります。
代表的な修繕費として
- 外壁改修
- 屋根、ベランダの防水工事
- 鉄製部品の防錆工事、鉄部塗装、防水加工
- 給排水管やガス管の洗浄・取替
- 分電盤の交換などの電気工事
- 給湯器・エアコン・水回りなどの設備の交換
- クロスやクッションフロアなどの内装工事
などがあります。
ちなみに、1棟の建物を所有した場合は、自分で修繕積立金を貯めておく必要があります。
自分で大規模修繕の費用を積み立てる場合、毎年建物価格の0.5~1%程度を積み立てる必要があります。
火災・地震のリスク
対応としては必ず火災保険や地震保険に加入しておくことです。
契約から引き渡しの日までに加入しておきましょう。
基本的な保証内容に、地形やハザードマップを考慮して、水災(洪水、土砂崩れ、高潮による災害など)の補償をつけるかどうか考えましょう。
仲介業者に紹介される火災保険は基本的に中間マージンが上乗せさせられているため、言われるがままに加入するのではなく、必ず自分で探すようにしましょう。
- 楽天損保
- SBI損保
- 東京海上日動
などが有名ですが、会社によって得意な物件の分野が様々です(中古マンションに強いなど)。
自分の物件にあった保険をネットで比較しておきましょう。
また、複数のエリアで不動産を所有することも災害の対策になります。
火災保険や地震保険についてはこちらの記事でも解説しています▼
金利上昇リスク
ローンを組んで物件を購入する場合は、金利が上昇すれば支払額が増えて収支が悪化するリスクがあります。
不動産投資の初心者は現金で購入すべき
初めての不動産投資は小さな額の不動産を現金で購入することがオススメです。
不動産投資のよくある失敗例は以下の流れです。
- 入居者が退去したあと、次の入居者が入らない
- 賃料が入らないのでローンが払えない
- ローンが払えなくなったため売却したいが、売却してもローンが残ってしまう。もしくは売却できない。
こういった悩みをかかえた投資家はとても多いです。
そのほとんどが、めいいっぱいローンを組んで物件を購入した人です。
現金で購入すると、次のようになります。
- 入居者が退去したあと、次の入居者が入らない⇒少し家賃を下げよう。もしくは家賃を下げずに家具付きで貸し出そう。
- 賃料が入らないのでローンが払えない⇒ローンがないから大丈夫(区分マンションの場合、管理費や修繕積立金は持ち出し)
- ローンが払えなくなったため売却したいが、売却してもローンが残ってしまう。もしくは売却できない。⇒ローンがないからじっくりと売却の時期を検討できる。
現金で購入すると、それだけでかなりの失敗要因がなくなります。
そのため、初心者は現金購入をオススメします。
ローンを組むなら、頭金は3割以上、借入期間は短く
そもそもローンを組まないのが一番ですが、リスクを承知でローンを組む際は、頭金を多くし、借入期間を短くすることが対策になります。
また、返済方法を元利均等返済ではなく元金均等返済にすれば、当面のキャッシュフローは少なくなりますが金利上昇の影響を少なくできます。
それだと物件が買えないという人は、そもそも不動産投資をやるべきではないです。
そもそも投資は余裕資金でするものだからです。
ただでさえリスクの多い不動産投資に、多額の借金を抱えることは危険です。
固定金利を選択するときの注意点
不動産投資向けの融資で、全期間固定金利を選択できる金融機関は日本政策金融公庫など一部を除きほとんどありません。
固定金利は選べるとしても期限は3~10年が一般的で、金利は変動金利よりも高くなります。
10年間固定金利を選択することが正しいと思うかもしれませんが、売却時期を考える必要があります。
固定金利を選択した状態で途中に一括返済をすると違約金が発生します。
例えばある金融機関では借入残高の2%です。
仮に1億円の借入残高があるなら違約金は200万円です。
違約金を支払ってでも高く売却できるならいいかもしれませんが、無駄な出費は避けたいですよね。
一般論として、収益物件は5年〜8年保有したのち売却すると、投資効率が良いと言われます。
そのことを考慮すると、金利は3〜5年固定型がベターです。
時間がかかる
不動産投資は、他の投資と違って管理の手間がかかります。
また、購入してすぐに家賃収入をもらえるわけでもありません。
勉強・手続き・手間
- 不動産投資の勉強
- 物件の選定、見学、調査
- 契約や確定申告などの手続き
- リフォーム
- 入居者募集
- 自主管理するなら入居者の対応
など、不動産投資で利益を得ようとするととにかく手間暇がかかります。
外注できることが多いですが、多くを業者に委ねると手残りは本当に少なくなります。
投資ではなく、不動産賃貸業の個人事業主となって新たな仕事を始めるという覚悟が必要です。
すぐに儲からない
不動産投資は、すぐに儲けたい!という人には向いていません。
なんなら購入したときは貯金が一気に減ります。
5年や10年、20年といった中長期的な視点が必要になります。
他にも稼ぐ手段があって、全世界株式の投資信託などのコスパのいい投資をすでにしていて(金融リテラシーが高い)、なおかつ不動産に興味があり、自分の資産ポートフォリオの一部に加えたいという人が向いています。
その他のリスク
家賃下落の可能性
新築の物件を購入し、時間が経つと基本は同じ賃料で貸すことができなくなります。
また、その後どれくらいの賃料で貸すことができるかがわかりません。
中古の物件で、今後も賃貸需要が見込めるエリアで購入することが対策になります。
不動産価値の下落
将来的にも賃貸需要がなくならないことを予測できる市町村で物件を購入することが対策になります。
治安や利便性、住人の所得層などを把握できる、土地勘のある場所で物件を購入しましょう。
流動性が低い
不動産は株式などの金融商品と違って、売却に時間がかかります。
早くても2~3か月はかかります。
急に現金が必要になった場合のことを考えるとリスクになります。
売却しやすい物件を買うことが対策になります。
まとめ:不動産投資は甘くない!
今回の記事では不動産投資のリスクとその回避方法について解説しました。
- 空室
- 家賃滞納
- 建物の老朽化・修繕費
- 火災や地震
- 金利の上昇
- 時間と手間がかかる
- 家賃下落
- 不動産価値下落
- 流動性が低い
リスクを踏まえたうえで、自己責任で投資を行いましょう!