難しいことはわからないけど、お金を増やしたい、と考えていませんか。
投資初心者はつみたてNISAとiDeCoを活用したインデックスファンド(投資信託)がベストです。
外貨預金・個別株・FXはやらなくていいと思います。
投資を始める前に知っておきたい投資の超基本知識や心得について紹介します!
知っておくべき投資の心得
お金を増やす基本は投資
銀行口座に置いたお金に利息は微々たるものです。
一方、増やすことが目的の「投資」は、リスクはありますが、預金よりもお金が増える可能性があります。
そもそも投資とは?
投資とは、株式や債券、不動産などの資産を購入し、長いスパンでそれらの資産が成長する(定期的に収入を生む、価値が高くなる)のを目指すことです。
元本(元々、預け入れたお金)が保証されている預金に対して、元本が保証されていない投資は、値下がりによって元本割れをする可能性もあります。
投資にはリスクを減らす方法があり、基本的には以下の3つです。
- 複数の投資先に分散する
- 何度かに分けて買う
- 長期で取り組む
投資を始める前に3つのポイントをチェック
- 緊急時の予備資金が貯まっている(生活費の3〜6か月分)
- 毎月の収支に余裕がある
- 一時的に評価額が下がったときに耐えられる
3つ全部にあてはまるなら、勉強してから投資を始めてみましょう。
お金を運用するときは、ずっと持っておくのが基本
人類最大の発明、複利
金利には「単利」と「複利」があります。
「+5%」の利回りで100万円を20年間運用したとすると、単利だと毎年5万円もらえるので20年で100万円(5万×20年)です。
次に、複利だと、最初にもらった5万を次に年に繰り越すため、次の年は105万に対して5%をもらえます。
これを20年繰り返すと、金利だけで約165万円をもらえることになります。
単利と比べて65万円も多いです。
大切なことは、運用で増えた分をおろさないでそのままにしておくことです。
覚えておくと便利な72の法則
72を「利率」で割ると「2倍になるまでにかかるおおよその年数」が出ます。
72÷利率(%)=2倍になるまでにかかるおおよその年数
たとえば、貯金500万を5%で運用して2倍にしたいとします。
72÷5=14.4の計算で、14~15年で2倍の1000万円になります。
証券口座は手数料の安いネット証券がおすすめ
銀行に近づいてはダメ
投資を始めたいと思ったとき、銀行に近づいてはいけません。
銀行員は人件費が高く、店舗があるため地代もかかります。
銀行では客が得するものではなく、自分たちが得するものを売ろうとします。
ネット証券なら、店舗がなく、社員も少ないため手数料が低く、何かを売りつけてくることもありません。
おすすめのネット証券
インターネットで売買の注文ができ、株式の情報収集も容易なネット証券が便利です。
ネット証券の最大手はSBI証券です。
楽天カードを持っているなど、楽天経済圏を活用している人は楽天証券もおすすめです。
投資を活用する(初級)
投資の初級編です。
定期預金よりマシな「国債」
投資の中でもリスクが低いのが「国債」です。
国債は銀行より得して安全
債券を購入すると、発行した国や会社が毎年決められた利率の利息を購入者に支払います。(年2回が一般的)
満期がきたら額面を返します。基本的に預金よりも金利は高いです。
銀行と国のどっちが先に潰れるかといったら、銀行です。
銀行に預けるよりはマシな選択肢だといえます。
国債で買うのは「個人向け国債」の「変動10年」
債券は定期預金と似て期間と金利が決まっています。
異なるのは、期間中に売買ができることです。
個人向け国債には3種類ありますが、おすすめは「変動10年」です。
変動金利とはいえ、下限金利が決められており、それ以下になることはないです。
2022年5月発行の国債の金利は、変動金利が0.17%、下限金利は0.05%です。
10年間おろせないということではなく、おろせないのは最初の1年だけです。
それ以降は過去1年分の金利だけを返せばおろすことができます。
個人向け国債は、全ての金融商品の中でベストとは言えませんが、お金を安全に運用したいのであれば無難な金融商品です。
素人が手を出すべき金融商品「インデックスファンド」
投資初心者に最もオススメなのが「インデックスファンド」です。
投資初心者におすすめ
個別の株式や債券を買うにはそれなりの金額が必要ですが、一般的な投資信託なら1万円程度から始められます。
投資信託は分散投資が基本なので、たとえ少額でも、自分の持分も割合通りに分散投資されます。
また、毎月一定額で積立購入すれば、さまざまな価格で買い付けられ、さらにリスクを低減できます。
これを「ドルコスト平均法」といいます。
投資信託の投資先と過去の年平均リターン例
投資先 | ※過去の年平均リターン例 | |
国内株式 | 国内の複数の株式に分散 | 3.5%程度 |
外国株式 | 外国の複数の株式に分散 | 5%程度 |
国内債券 | 国内の複数の債券に分散 | 2%程度 |
外国債券 | 外国の複数の債券に分散 | 4%程度 |
おすすめはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
投資信託で一番人気があるのはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
手数料がオールカントリーより安く、これまでの実績もオールカントリーよりもいいです。
しかし、この先世界がどうなるかはわかりません。
インドやインドネシアなどの新興国が台頭するかもしれませんし、アメリカで大きな事件が起こるかもしれません。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)なら、リバランスする必要がないため、本当にほっておくだけですみます。
世界全体に投資していれば、世界にどんな変化が起こっても、投資先について考えなくてもいいのでとても楽です。
S&P500 かオール・カントリーのどちらがいいか迷っても、98点か99点かくらいの差なので気にしなくてもいいです。
早く始めるほうが吉です。
得する制度「NISA」
「NISA」は最大限活用するべき制度です。
投資は増えたお金の分だけ税金がかかる
投資で増えた分は収入とみなされて所得税・住民税などがかかります。
利益がなければ税金はかかりません。
税金額=投資による利益額✖️20.315%
(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
「NISA」なら投資の利益が非課税に
NISA口座内で得た株式や投資信託の利益が非課税になります。
利用は1人1口座で、値上がり益や配当金などに税金がかからないので、利益が大きいほど非課税のメリットが大きくなります。
通常の「NISA」に加え、未成年者対象の「ジュニアNISA」、積立専用の「つみたてNISA」もあります。
60歳まで引き出せない確定拠出年金とは異なり、「NISA」と「つみたてNISA」は、購入後いつでも現金として資金を引き出せます。
「ジュニアNISA」は保護者が運用し、18歳までは引き出せません。
初心者におすすめはつみたてNISA
ドルコスト平均法、長期分散投資と相性のいいつみたてNISAが初心者におすすめです。
NISA | 株式と投資信託のいずれも買える | 購入から5年非課税(年120万円、最大600万円) |
つみたてNISA | 専用の投資信託から選ぶ | 購入から20年非課税(年40万円、最大800万円) |
ジュニアNISA | 株式と投資信託のいずれも買える | 購入から5年非課税(年80万円、最大400万円) |
年金を増やすなら「確定拠出年金」
確定拠出年金は、現役時代に掛金を積み立てて運用し、60歳以降に生活資金として受け取るもので、「企業型」と「個人型(iDeCo)」があります。
税金を優遇されるのが最大のメリット
掛金は全額所得控除、運用で増えたお金は非課税になるなど、税金面でさまざまな優遇があります。
iDeCoの証券口座の失敗談ついて以下の記事に書いています▼
投資を活用する(中級)
投資の中級編です。
投資の原点「株式投資」
投資の原点は「株式投資」です。
企業の業績を調べるのが好きな人に向いている
株式とは、株式会社が資金を集めるために発行するものです。
株価の値動きは大きく、業績が低迷すれば株価は下がり、倒産したらお金は戻りません。
日本で株式市場に上場されているのは約3600社です。
長期的な成長が見込める会社の株式を選ぶのがポイントです。
株式投資で得られる利益は2種類
①配当金:平均的な配当利回り(株価に対する配当金の割合)は1.6%前後
②値上がり益:購入時よりも売却時に値上がりした場合、その差額が利益となります。
プラスアルファの利益として、株主に自社製品を送るなどの株主優待を行う会社もあります。
投資を活用する(上級)
知識がなければカモにされますので、初心者は手を出すべきではありません。
円安時に有利な「外貨預金」
外貨預金は円安時には有利です。
円安で利益、円高で損失
外貨預金は円を外貨に換えて預金するもので、利息も外貨でつきます。
円に戻して受け取る際には、為替レートの影響を受けます。
また、為替レートには為替手数料が含まれているので、為替手数料分以上の利益が出ないと元本割れします。
外貨に対する無理解や誤解が、商う側からすると客をカモるチャンスになっています。
外貨預金はリスクの割にリターンが低く、はっきりと「ダメな商品」といえます。
外国為替市場に参加する場合は世界最大のカジノだと理解し、投機だと割り切るようにしましょう。
FXも為替差を利用した投資
FX(外国為替証拠金取引)は米ドルやユーロなどの外国通貨を売買して、買ったときと売ったときの為替差で利益を出そうという投資金融商品です。
儲ける人の裏には必ず損する人がいるゼロサム・ゲームです。
元本の最大25倍の取引が可能でリスクも大きいです。
コツコツと資産を育てる長期投資には不向きです。
場所や建物の影響が大きい「不動産」
不動産投資は場所や建物の影響が大きくなります。
不動産投資は「事業」
不動産投資は不動産を買って売却益を得る、あるいは貸して賃料収入を得る投資です。
不動産は場所や建物の状態により価格や入居率の差が大きく、経験や知識がなければ収支の予測は難しいです。
また、不動産を維持・管理する手間と費用がかかるため、事業としての側面もあります。
不動産投資を金融商品化した「REIT」
複数の投資家から集めたお金で不動産に投資するのがREIT(リート)です。
個人では持てないようなオフィスビルや商業施設に分散投資ができ、株式同様に売買が可能です。
自分で不動産そのものを持てないこと、価格変動での元本割れリスクがあるのがデメリットです。
限りある資源への投資は「金」
「金」の投資について簡単に解説します。
金融資産がある人向きの守りの資産
国が発行する紙幣は信用で成り立っていますが、仮に信用がなくなると価値がなくなります。
一方、金は実際に存在するので、価値がゼロになることはありません。
「有事の金」とも言われ、世界情勢が不安定になると価格が上がる傾向にあります。
「純金積立」が一般的
金の現物は1グラム約5000円と高価で、価格は日々変動し、盗難リスクの対策も必要です。
そこで、毎月一定額の積立で購入し、購入した分は専用金庫で保管してもらう「純金積立」が一般的です。
地金商・鉱山会社・商社・銀行などで取り扱っています。
積立には会費や手数料がかかります。
まとめ:初心者はつみたてNISA・iDeCoで投資信託を積立購入
つみたてNISAやiDeCoを活用して投資信託を積立購入するのが、ほったらかしでよく、コスパのいい投資の最適解です。
投資はほったらかしにしてお金を寝ながら増やしつつ、自分のやりたいことをやりましょう!!