【修繕積立金の相場】区分マンション購入前に要チェック!

区分マンションの管理費・修繕積立金について完璧に理解できていますか。

この記事では、

  • 管理費・修繕積立金の基本的な知識や相場
  • 管理費・修繕積立金が高いマンションの特徴
  • 購入前のチェックポイント

について解説します。

管理費・修繕積立金とは

区分マンションでは「管理費」「修繕積立金」という項目で毎月各部屋の所有者から徴収します。

管理費は建物管理会社、修繕積立金はマンション全体の収入になります。

区分マンション投資が初心者にオススメなのは、管理費・修繕積立金があることです。

いつどんな修繕工事をする必要があるのかが分からなくても、マンションのメンテナンスを建物管理会社というプロに任せることができるからです。

管理費

管理費は、建物全体の共用部分を適切かつ計画的に維持管理をしてもらうために、建物管理会社に支払う費用です。

  • エレベーターの点検
  • 共用部分の清掃
  • 管理人の窓口業務
  • 共用部の水道光熱費

などの日常的な業務にかかる費用です。

築年数が古いほど費用が大きくなります。

管理費の金額は最初から決まっており、管理組合で建物管理会社を変えないかぎりコスト削減は難しいです。

修繕積立金

修繕積立金は、将来の大規模なメンテナンスに備えて積み立てるお金です。

  • 外壁の補修
  • 屋上の防水工事
  • 建物診断

など、建物を長期的に維持するために使われます。

建物はしっかりとメンテナンスをするかしないかで、耐久性や見栄えが大きく異なります。

区分マンションは強制的に修繕積立金が毎月徴収されますが、マンションによっては修繕積立金が不十分な場合もあります。

この場合は将来マンションの価値が下がる場合もあるため要注意です。

修繕積立金を知るには「重要事項に係る調査報告書」をチェックする必要があります。

重要事項に係る調査報告書」は、マンションの管理会社が発行しているもので、不動産会社に見せてもらうことができます。

修繕積立金の相場

修繕積立金は高すぎても安すぎてもダメです。

修繕積立金が高いマンションの特徴については後述します。

修繕積立金のガイドライン

国土交通省が示しているガイドラインがあります。

マンション全体の部屋数や広さに違いはありますが、平均的な修繕積立金は15階未満・5000㎡未満で「218円/㎡」と示しています。

例えば、マンションの部屋が20㎡とすれば、218×20=4360円が適正です。

これで修繕積立金が2000円だったとすると、2360円も足りないことになります。

一つの目安として、15年で3000〜5000万円の修繕積立金が貯まるマンションであれば安心です。

修繕積立金が安いマンションは要注意

新築や築浅の不動産投資家向けにつくられたマンションは、利回りを少しでも高く見せようとして、修繕積立金を1000円や2000円など低めにしていることがあります。

そのような物件は、大規模修繕工事を実施するタイミングで一時金を徴収されるか、修繕積立金の大幅な値上げが実施されることが予想されます。

管理費・修繕積立金が高いマンションの特徴

管理費や修繕積立金の額はマンションによって違います。

主な理由は次の4つです。

1.マンションの戸数が少ない

大規模マンションが有利

マンションの戸数が少ないと、管理を行うにしても大規模修繕の積立をするにしても、1戸あたりの負担額がどうしても高くなっていしまいます。

そのため、マンションは大規模であればあるほどマンション力の維持に関しては有利です。

ただ、総戸数が多いことによるデメリットもあります。

大規模マンションは合意形成が難しい

大規模なマンションになればなるほど、合意形成が難しくなります。

自分がいくら「こうした方が良い」と思ったとしても、その他大勢に反対されてしまえば考えが実現されることはありません。

多数決の仕組みがマンション全体の意思決定になっているからです。

反対に小規模な30部屋くらいのマンションであれば合意形成はしやすいです。

20部屋未満は融資が下りにくい

20部屋未満の物件は融資が下りにくくなるため、避けたほうが無難です。

将来的に建物全体の維持管理やマンションの維持という点でリスクが高いと判断され、「20部屋未満はNG」としている金融機関もあります。

2.管理がしっかりしている

大手デベロッパーによるブランド物のマンションは、管理や修繕計画がしっかりと立てられている分、管理費、修繕積立金の額が高くなってしまいます。

「マンションは管理を買え」と言われるほど、しっかりとした管理のマンションは価値が高いので、管理費や修繕積立金が高いマンションが一概に悪いとはいえないです。

また、ワンルームの区分所有だけのマンションより、2LDKなどのDINKS向けやファミリータイプの部屋の混在しているマンションが良いです。

理由としては、ファミリーやDINKSの方が、そこにマイホームとして住んでいることも多いからです。

「所有者=入居者」の方が多ければ、管理人以外にもマンションのエントランスに目を光らせる人がいるため、結果的に治安が良くなり、トラブルも少なくなります。

3.築年数が経っている

新築のマンションに比べると築年数の経っているマンションは、修繕にお金がかかるため、修繕費が高くなっているマンションが多いです。

逆に言えば、新築や築浅のマンションは将来的に上がることを前提にして余裕を持った収支計画にする必要があります。

4.家賃が安い

家賃が安くても高くても修繕にかかるお金はあまり変わりません。

家賃が安いと、その分管理費、修繕積立金が賃料収入に占める割合はどうしても高くなってしまします。

管理費と修繕積立金の合計額が、家賃の25%以内が理想です。

家賃は安くても4万円以上の物件を選ぶようにしましょう。

区分マンション購入前のチェックポイント

区分マンションを購入する際に確認しなければいけないのは「重要事項に係る調査報告書」です。

この書類はマンションの管理会社が発行しているものです。

不動産物件の大切なことが書かれている報告書なので、不動産会社に必ず見せてもらうようにします。

特に気をつけて見ておくべきポイントを紹介します。

修繕積立金の残高

マンションの資産価値を維持するためには、適切な修繕工事を行うことが必要です。

そのためほとんどのマンションでは「長期修繕計画」を作成し、これに基づいて「修繕積立金」を積み立てています。

購入しようとしているマンションが、

  • 修繕計画が立てられているか
  • 修繕積立金の総額がどれくらいか

を確認します。

修繕積立金が現時点で1000万円以上貯まっていれば、大規模修繕などにすぐ対応できるので心配ありません。

もし修繕積立金が100万円以下で、10年近く大規模修繕などの修繕工事を行っていないとしたら要注意です。

大掛かりなメンテナンスが必要になったとき、修繕積立金が十分貯まっていないと、不足するお金を各部屋の所有者が払うことになります。

管理組合として借入をすることもありますが、利息を付けて返済をしていくことになるので、結果としては修繕積立金の値上げとして個々の所有者に跳ね返ってきます。

「貯まっているお金でできることをやろう」ということになれば、十分なメンテナンスができなくなることもあります。

なおマンションによっては

  • 駐車場収益
  • 敷地の一部を電力会社や携帯電話の中継地として貸す

などでまとまった賃料収入が得られ、月々の修繕積立金の額が少なくても十分に積み立てられている物件もあります。

管理費、修繕積立金の滞納額

購入予定の部屋の管理費や修繕積立金に滞納がある場合は、売主が引き渡しまでに滞納の全額を支払うことを条件にします。

同じマンションのほかの部屋に関しても、滞納金が発生していないかどうかをチェックします。

ある程度の滞納があるのはよくあることですが、その額があまりに大きいと要注意です。

滞納額が多く、回収できない状況にあるということは、マンションの管理や大規模修繕がきちんと実施できなくなる恐れがあるからです。

修繕工事履歴

修繕工事履歴を見れば、今までどの程度の修繕が行われてきたのかがわかります。

特に大規模修繕がいつ行われたのかを確認します。

大規模修繕は基本的には10年から12年に1度行われますが、築年数によって工事内容が変わります。

新築後10〜12年で行われる1回目の大規模修繕は、主に外壁改修工事が中心になります。

その後築24〜30年になった頃に行われる2回目の大規模修繕では

  • 外壁
  • 屋根
  • 設備

などが修繕の対象となります。

購入するマンションが修繕計画のどの時期に位置するのかを確認しましょう。

大規模修繕の時期がすぐであれば、修繕中はマンションに足場が組まれ、ベランダを開けても幕が張っているため環境が悪くなります。

また、修繕費が足りなければ各部屋の所有者から持ち出しになる可能性もあります。

大規模修繕が終わったばかりのマンションを購入できれば理想ですが、難しいです。

管理形態

管理形態が自主管理の場合、修繕積立金が十分に積み立てられていない場合もあります。

自主管理でも意識の高い入居者による管理組合は、コスト削減を含め上手く機能しています。

しかし、投資用マンションのように自分が住んでいない場合は管理組合が上手く機能せず、管理状態が良くないマンションが多いです。

そのため、初めて投資用マンションを購入する際は自主管理のマンションは避けたほうがいいです。

管理会社に管理を委託しているマンションは物件資料などに

  • 管理形態:全部委託
  • 管理方式:巡回
  • 管理会社:〇〇

というように記載されています。

「巡回」というのは、管理人がマンションに常駐しているのではなく、定期的に立ち寄る形式であることです。

これが自主管理であれば「管理形態:自主管理」と書いています。

小規模なマンションは戸数が少ないため、管理を委託すると各戸の負担が大きくなりすぎるので、自主管理とならざるを得ない場合も多いです。

まとめ

この記事では、

  • 管理費・修繕積立金の基本的な知識や相場
  • 管理費・修繕積立金が高いマンションの特徴
  • 購入前のチェックポイント

について解説しました。

区分マンション購入の際に参考にして下さい。

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