満室にするためにできることは、まず最初に、賃貸需要のあるエリアの物件を買って、需要に合わせたリフォームをすることです。
次に、賃貸仲介業者と協力して入居者を募集します。
基本的に埋まりやすいのは戸建て>広めのアパート・マンション>狭いアパート・マンションです。
特にワンルームなど面積の狭い部屋は埋まりにくいですが、大家の工夫次第です。
この記事では、満室経営のために大家ができることを紹介します。
賃料を安くして短期解約違約金を設定
普通は家賃を高くするために、高性能な設備を導入したり、おしゃれな内装リフォームを行いますよね。
しかし、リフォームにお金はかけすぎずに、相場の7〜8割ほどの家賃を設定するのがオススメです。
家賃を安くしたら儲からない、と思うかもしれませんが、反対です。
家賃を相場より安くすることで、退去しにくくなるので、そのぶんのリフォーム代や広告費が浮くことになり、結果的に儲かります。
ただし、この場合すぐに退去されては困るので、賃貸借契約の際に「短期解約違約金」についての特約を盛り込みます。
短期で退去する場合に入居者がお金を大家に払うことを約束しておきます。
賃貸借契約に盛り込むべき特約はこちらの記事で詳しく解説しています▼
敷金をゼロにして初期費用を下げる
敷金を預かっていなくても、正当な理由があれば退去時に原状回復費用を請求するこはできます。
私の場合、あとでトラブルにならないように退去時のハウスクリーニング代について特約に盛り込んでいます。
費用を明確にしていたほうが、入居者にとっても親切だと思います。
以下のような文章にしました▼
・乙は、退去時に入居期間に問わず下記の室内ルームクリーニング代を甲に支払うこと。 退去時清掃代40,000円(税別)
広告料(AD)・フリーレントなどの裁量権を渡す
広告費はADとも言われ、本来は入居募集の広告のための費用です。
仲介手数料とは別に支払うため、現在では入居を達成してくれた業者への報酬の意味合いが強くなっています。
広告費の相場は賃料1ヶ月分ですが、地域によって異なります。
他の大家さんはいくら払っているかを営業マンへ聞いてみましょう。
そのうえで、自分の物件を最優先で扱ってもらうにはいくら必要かも確認して、それに沿うようにします。
フリーレントは、入居者に対して1~2か月後の家賃を無料にするというサービスです。
ADもフリーレントも賃料の何ヶ月分というように表示されます。
例えば、「AD3」は「ADは家賃の3ヶ月分」という意味で、「フリーレント3」は「3ヶ月間は家賃を無料にします」という意味です。
ADとフリーレントはよく「転用可」とすることができます。
これはADでもフリーレントでも業者の采配で決めてよいという意味です。
例えばAD3(フリーレント転用可)とすると、AD2とフリーレント1ヶ月というように入居者を紹介してくれた業者の采配で割り振りを決めることができます。
また、「2千円までは値引きに応じてもよい」「3万円までの設備については大家の確認不要で付けても良い」というような権限を渡しておく方法もあります。
あともうひと押しで決まりそうというときに、大家に確認する手間がないのは仲介業者も有り難いです。
ポータルサイトの有効活用
ほとんどの入居者はポータルサイトで物件を検索します。
大家も必ず自分でポータルサイトをチェックするようにしましょう。
ポータルサイトを見て分析
通常、仲介の担当者はSUUMO(スーモ)などのポータルサイトに物件情報を掲載します。
その際、以下の点について確認します。
- 家賃・管理費・礼金に競争力があるか
- 住みたくなるような写真が掲載されているか
- 検索条件は正しく設定されているか
- 「備考」「その他」「アピール」欄で物件の魅力を伝えられているか
検索条件の設定ミスはよくありますし、忘れずに確認しましょう。
また、物件のPRポイントについては自分から積極的に提案するようにしましょう。
ウチコミの活用
ウチコミは大家が直接物件を告知できるサイトです。
仲介手数料をオーナーが客付け業者に直接支払う仕組みとなっており、その分借りる側の負担がないというシステムです。
「SUUMOなどに掲載する際、これを書いて下さい」と言っていても、なかなか反映されません。
大家が直接物件の特長をアピールする文章を書くことができます。
大家の顔写真(イラストでも可)やコメントなども掲載することができ、大家に親近感を持ってもらえます。
しかし、特に男性の大家との距離感が近いことに抵抗がある入居者もいるため、一長一短です。
また、ジモティーでも入居者を募集することができます。
ただ、問い合わせから成約に至る確率が低く、入居者の質が良くないことも多いため注意が必要です。
設備の導入・入居者プレゼント
入居付に効果のある設備の導入や入居者プレゼントも検討しましょう。
魅力的な設備を導入する
家賃を下げずに入居者を決めるために、魅力的な設備の導入を検討します。
部屋に設置されているエアコンが古いのであれば、入居中に壊れることを考えると安いときに取り替えてしまうのが安心です。
全国賃貸新聞で毎年発表されている「入居者に人気の設備ランキング」の上位で費用対効果が高いものを選びましょう。

「デザイン性にすぐれた照明」で部屋の雰囲気が一変
おしゃれな照明の設置もコストパフォーマンスが高いです。
デザイン性にすぐれた照明を設置するだけで部屋の雰囲気がガラリと変わります。
管理会社に照明設置を依頼すると高いため、自分で手配しましょう。
リフォームが終わるころに、職人さんに照明の設置をサービスでお願いしてもいいでしょう。
「電子キー」は一長一短
通常の鍵ではなく、暗証番号を打ち込むだけでOKの電子キーは一長一短です。
鍵がないため便利でカッコいいというメリットがあります。
また、電子キーは鍵交換がなくなるので、入居者の負担が抑えられます。
暗証番号の交換だけになるため、暗証番号と電池の交換費用として手数料5000円をとって管理会社と折半というのもいいですね。

なお、デメリットとしては導入費用が掛かることや、キーは主に電池式であることから定期的な電池交換が必要です。
導入費用は5万円前後かかりますし、電池交換は2年に1回は必要になります。
ちなみに、通常であれば管理会社は鍵交換代としてシリンダー交換で1万5千円くらいしますが、自分で鍵交換して節約することもできます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。▼
シングル男性であれば家具家電付きでも
部屋に家具家電を備え付けた家具家電ルームでは、出費は伴うものの空室対策と同時に家賃アップが狙えます。
ただし家具家電はどの物件にも適しているわけではありません。
女性やカップルでは「自分で選んだもので使いたい」というこだわりがある人が多いためです。
シングルの男性であれば、こだわりがないことも多く、最初から家具家電がついている方が人気です。

また、地域性もあり、家具家電があるよりは「1円でも安く住みたい」というニーズもあります。
空室が複数あれば、1室だけ家具家電付きのモデルルームをつくって入居者に選んでもらう戦略もいいでしょう。
大家のセンスが試される入居者プレゼント
入居者プレゼントとは、例えば駅から遠い物件は自転車をプレゼントしたりすることです。
他にも大家のセンスによりますが、以下のようなプレゼントを渡す人もいます。
- テレビとテレビボード
- お米
- アメニティセット
- 洗剤
どのようなプレゼントは喜ばれるかは入居者の属性によるので、自分自身のターゲットそうに合わせて試してみましょう。
また、内覧時の見栄えがよくなるカーテンや照明も効果があります。
ニトリやIKEAで安くそろえられますので、そのまま入居者にプレゼントするのもいいですね。

ただ、プレゼントをする代わりに礼金を差し引いたり広告費に回すほうが効果は高いです。
それでも何かプレゼントをするならオススメなのは「プリザーブドフラワー」です。
「プリザーブドフラワー」とは枯れない生花のことです。
花の水分と保存料を交換させたもので、保存状態によっては10年間も保つそうです。

空室になったら玄関に飾っておき、入居が決まるとそのまま入居者にプレゼントします。
あえて募集時の広告(マイソク)にはうたい文句として記載せず、内見にきたときのギャップを大きくします。
5000円程度と安い割に、見た目がいいのでインテリア的にもよく、成約率の上昇に効果があります。
大前提:物件をキレイにする
空室対策の大前提は、部屋をキレイにしておくことです。
部屋の清掃は管理会社は発注するだけで、実際にはクリーニング業者の仕事です。
業者によって仕上がりが全く違ってくるので、しっかり確認する必要があります。
繁忙期でない時期に複数社を試してもらうのもアリでしょう。
安さよりも仕上がりの良い業者を探すようにしましょう。

また、空室期間が長引くとどうしてもホコリが積もったままになり徐々に薄汚れてきます。
そんなときは数ヶ月に一度でも便利屋さんにチェックにいってもらいましょう。
窓を開けて空気を通してもらって、ホコリをはらい、排水管から臭いが上がっていないかを確認してもらいます。
まとめ
この記事では満室にするために大家ができることを5つ紹介しました。
- 賃料を安くして短期解約違約金を設定
- 敷金をゼロにして初期費用を下げる
- 広告料(AD)・フリーレントなどの裁量権を渡す
- ポータルサイトを見て分析
- 入居者プレゼント
仲介業者と密に連絡をとって、素早く満室を目指しましょう!